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輝冠摂理の神生譚 ~どうやら天才らしいので、嫁と神々の王を目指す!~  作者: G.なぎさ
第二章 天上神界を覆う不穏編
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――第33話ー① 起源樹の世界――






 草原……


 地平の彼方まで繋がる広大な草原に、美しい花々が咲いている。

 青い空の下には虫や蝶が飛んでおり、そこは正に楽園のようだ。


 遥か遠方には全ての色を孕んで輝く、巨大な木が見える。

 途方もないほど離れているにも関わらず、視認出来るほどの巨大さ。


 一体どれほどの巨大樹なのか、想像する事さえできない。



「ここは……どこだ?僕は確か拷問をされて……」


「凄いね〜。意識だけだけど、ここに入ってくるなんてー。」



 声の方向を振り向くと、白いワンピースを着た裸足の美少女が立っている。



 想像した事がないほどの美の化身。


 一切の濁りがない、透き通るような『純白』の髪。


 肌色とは程遠い『純白』の肌と爪。


 顔は今まで見た女性の中でも、断トツの美形。


 既婚者にも関わらず一瞬見とれてしまう程に……



「んー?顔に何か付いてるかな?あ!目だけ真っ白じゃないのが気になるの?目はカラコンを入れてるのー。白一色の目ってちょっと怖いよね?」


「あ。いえ……ここはどこなんでしょうか……僕の意識の中?それとも天国?あなたは声からして、あの時アイスをくださった『生命の起源』なのでしょう?」



 無邪気な口調に透き通るよう声……それでいて溢れ出す純粋無垢な雰囲気から、誰なのかは容易に分かった。


 問題は僕があの後、どうなってしまったかだ。



「全然意識の中とかじゃないよ?ここは私が住んでる世界。ちょっと生命力を送り込んだらね……何か繋がりを辿ってこっちに来ちゃったみたいだよ?」


「では僕は……死んでしまったのでしょうか。」



 言い方から察するに、普通は手段ではここに来れないのだろう。

 この世界はいい意味で普通ではない。


 充満している生命力の量も質も桁違いなのだ。

 生身で立ち入れば、命に関わるほどの生命エネルギーが充満している。



「うん、1回は死んじゃったね……でも助けたから大丈夫だよ!私の生命力を分けてあげたから!死にかけた子供達みんなにやってるんだけど……即死したり、生きる気力がなかったりしちゃうと、助けられないの……」


「なるほど……悔いはないとか、後悔はないっていうのもある種の『生きる気力がない』状態ですもんね……」



 全員に送っているということは……この人のおかげで全ての生命が、死にずらくなっている事になる。

 よく聞く死の淵から帰ってきた、という奇跡も全てこの人のお陰なのかもしれない。



「ミリティア様……あなたはずっとここにいるのですか?」


「様なんてやめよ?お母さんに様は付けないでしょ?私は生まれた時からではないけどずっとここにいるよ。」


「何かあったのですか?」


「寿命とか、戦いとか……色々あって弱っちゃってね……もうここじゃないと生きられないの。だから直接助けられなくてごめんね……」



 僕はとにかく疑問に思った質問をいくつか投げ掛けた。



「僕はいつ頃ここから戻る事ができるのでしょうか?あと外ではどのくらいの時間が……」


「まだ外での時間は全然だよ?11日くらい。起きるのには3ヶ月掛かるから、ちょっとお喋りしよーね〜。」



 どうやら僕は、起きるのに3ヶ月も掛かるほど重症らしい。


 再生能力プラナリア越えの神族の肉体で、目覚めるのに3ヶ月も掛かる状態なんて……

 もうどんな悲惨な状態なのか想像もしたくない。



「1ついいですか?」


「なになに?」



 ミリティアさんは少し嬉しそうに返事をしてきた。



「ここはどういった世界なのですか?」


「うーん。世界の始まった地?全ての中心?頂点のいる世界?私達が住む場所?とにかく世界の核心みたいな感じ!」


「頂点者とミリティアさんの2人だけで暮らしているのですか?」


「え?そんな事ないよ?ほら!いっぱい蝶々とかお花とか鳥さんとかいるでしょ?虫さんも木もいるから2人だけじゃないよ?」



 意思の疎通が難しい木や虫、花なども知性体と同じように扱っている。

 つまり知性を持つ存在は2人しか居ない……そう捉えて問題は無さそうだ。



「でももう1つ。頂点者というのは何者なのですか?」


「えーとね。その名前通りの世界の頂点かな?世界にはね。『概念存在』とか『超越者』とか、『管理者』とか『理外存在』とか色んな強いのがいるの。そういうの全部含めた上で、1番上にいるから頂点存在って呼ばれてるんだよー。」


「ミリティアさんと頂点存在はどんな関係なのですか?」


「えーっと……奥さん......です。」


「!?!?!?」



 その言葉には驚きを隠せなかった。


 概念や理外の存在に、生命体のような意思や自我があるとは思えない。

 ましてやそれらの頂点に位置する存在が、自我を持つだけでなく色恋までできるなら色々と矛盾点が出てくるのだ。


 下手をすれば全知全能さえ超える存在に自我があり、更に言えば個別の感性まで持ち合わせているとなれば……

 様々な世界理論に破綻が生じる。



「ありえないって思うよね……でもその破綻とか矛盾とか、そういう論理が何一つ適用されないからこそ頂点存在なの......かも?私もね!実は彼の事、全然分からないの。」


「なるほど……僕達の思い浮かべる論理が通用しない。根本から捉え方を改めないとですね……」



 そもそも概念や黄金律に、個人としての自我があると破綻するという論理自体が間違っているのか?

 矛盾すると思っている理論の道筋が、矛盾を起こさない理律があるのかもしれない。



「ではあの遠方に見える巨大樹は何なのでしょうか?」


「何だろうね?私もよく分からないんだけど……あの木の枝の先はね、全ての時間や次元と繋がってるんだよ?過去も未来も関係ないの。私は勝手に『起源樹』って呼んでる。世界樹とか真理の根幹とか、色んな呼ばれ方してるみたいだよ?」



 恐らく、言語に起こして説明する事さえ困難な『何か』だということは理解できた。

 もしかすると、物質的な大きさの枠に収まるものではないかもしれない。


 そして僕は一つ確認したい情報を聞いた。



「頂点存在と初代全神王は同一人物ですね?」


「そーだよ?」


「何故頂点存在と呼ばれるほどの人が、天上神界を作ったのですか?」



 ……ずっと引っかかっていた疑問。

 何故それほどの存在がわざわざ神界を創ったのか。


 しかし、その答えは僕が想定していた内容とは掛け離れていた。




 どうもこんにちわ。G.なぎさです!

 33話ー①をここまで読んでくださりありがとうございます!


 突然訪れた謎の空間……

 そこに佇むのは全ての生命の起源。

 そして少しずつ紐解かれる『初代全神王』と『根源世界』


 もし面白い、続きが気になる!と思った方は【応援】や【レビュー】をしてくれると.....超嬉しいです!!


 何かあればお気軽にコメントを!


 遂に33話スタート!あれ?全話と雰囲気が……結構あっさり助かったなと思った人もいるかと思います!


 更新は明日の『『22時過ぎ』』です!度々で申し訳ないですが、明日も更新できるか分かりません……

 可能な限り更新します!


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