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輝冠摂理の神生譚 ~どうやら天才らしいので、嫁と神々の王を目指す!~  作者: G.なぎさ
第二章 天上神界を覆う不穏編
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32話ー➁ 運命の分岐点:最悪の事件





「ルシア!」


「えぇ!」



まずい......『閃光天武』と『暗光天武』を発動する余裕がなかった。


さっきの奴は邪悪な気配を放ってはいたが、殺気は出していなかった。

故に刺激をしないという判断をしたが……


今度のは完全なる殺気。

話し合いの余地がないと、即座に分かるほどの濃密な殺気。


天武の発動が間に合わなかった今、勝算はない。


僅かではなく全くない……


だが素の状態で30秒の距離だ。

逃げられる可能性ならゼロではない......かもしれない。



「逃がさん。飛べ!!」



しかし、腹部を強烈な拳が飛んでくる。

お互い剣と杖で拳を防ぐ事は出来たが、森の内側に吹き飛ばされてしまった。


これではもう、生き残れる確率はゼロだ。

眼前には漆黒のロングヘアで、マントをたなびかせる男が立っている。


ただこいつ......さっきの化け物よりは数十段弱い。

しかしこちらとの実力差は......雲泥だ。



「俺との実力差は分かるだろう?抵抗してどうする?」


「抵抗したってしなくたって死ぬ。なら僕らは抵抗するさ。最後まで生にしがみつく......」



どうやら殺す気ではあるが、対話は出来るらしい。

ならばできる限り、天上神界の今後の為に話を聞き出してから死ぬ!


恐らく十神柱との通信神法は途絶されているが……

もしかすると証拠を相手が処理し損ねるかもしれない。


可能性は極めて低いが、

神界側が音声を回収出来た場合に、少しでも有益になるよう動くしかない。



「愚かしい。何故だか分からんが、お前達からは異様な程の嫌悪感を感じる。楽には殺さぬ。お前らの断末魔を楽しませて貰うぞ。」


「お前らは何の目的でここに来ているんだ。」


「死ね。」



相手は間髪入れずにその拳を突き出してきた。体術は素人......

しかしその拳は先程よりも遥かに速く、視認さえも困難だ。



「!?ルー!!」



ルシアは全く反応出来ず、腹部にかざ穴を開けられて気絶した。

そして凄まじい勢いで、遠方の樹木に叩きつけられる。


殺していないのは、後で犯す為か何かなのだろう。

そして後ろの木の強度もおかしい......今の勢いは「原初熾星王」を貫通するほどの速度だ。



「お前……修羅場に慣れているな?」


「ったく歯が立たないな……もしかしてお前がヴァラルか?」



こいつはヴァラルではないだろう。

しかし重要なのは、相手がこれをどう否定するかだ。



「なるほど。情報を取りたいのだな。だが!!高潔かつ、絶対的な世界の支配者となるべきヴァラル様を、呼び捨てするだけでなく!!私をそうだと見紛うだと!?断じて許すことはできない!!」



なるほど……敵の情報は確かに渡してくれなかった。

しかし、ヴァラルに「狂信的」という人物情報を取る事ができた。



「もういい。お前は苦しんで死ぬ。」


「随分とまぁ安い悪役のセリフだな。有り触れててシラケるな!」



その後僕は、数回の打撃で体に2つも穴が空いてしまった。



そして拷問が始まった。


爪を剥がされた。


目玉を抉り出された。


生きたまま内蔵を絞り出された。


全身を切り刻まれ、骨は砕かれた。


目を抉られた場所には、眼球の代わりに木の枝が飾りとして刺された。

そして刃物とはおおよそ言い難い鈍器で、木の根元に吊るされ、磔にされた。


悪質な事に、意識だけ潰えないように魔法まで施される始末だ。



「何故だ……何故悲鳴の一つも上げない!!」



思い通りになってやりたくないからだよ。

もちろんもう話すことはできないが、心の中でそう返す。



「お前は痛みを感じないと言うのか!痛覚を極限まで強化しているんだぞ!!」



いや。普通にめちゃくちゃ痛いよ。

こいつ本当に馬鹿なのか?



「どうして折れない。どうして絶望しない!苦痛な終わりを迎える運命を呪えばいいものを!」



いや十分絶望してるよ。

運命だって到底受け入れてない。何ならまだ諦めてない。


クソみたいな運命を呪いながら、絶望しながら全て背負って抵抗策を考える。


てかこいつ何なんだ?

拷問しといて想定してた反応が取れなかったら逆ギレって……


赤ちゃんかよ笑笑。



「もういい!お前の女が起き次第、目の前で犯し殺してやる!その苦痛の中でもがき死ね。」



それは……めちゃくちゃ嫌だな。

無理だろうけど、最後まで生き残れる方法を考えよう。


幸い根源共鳴のおかげで、エネルギー臓器が破壊されても力をある程度は練れる。

てかさ......根源共鳴の再生力を使って、再生できないほどの再生阻害なんだな。


未来予知しても、その攻撃が避けられない体験は初めてだなぁ......



「ル……ルーク?」



......暗闇の中で聞こえたのは.......


......最愛の人の震えた声だった......



☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★


どうもこんにちわ。G.なぎさです!

32話ー②をここまで読んでくださりありがとうございます!


凄惨な拷問の末に垣間見えたのは……

ルークの強靭な精神性?


私の物語は主人公達が暗黙で酷い目に遭わないという補正は存在しません。

ただ残酷なできごとは前触れなく、突然訪れます。地獄へようこそ。


 もし面白い、続きが気になる!と思った方は【応援】や【レビュー】をしてくれると.....超嬉しいです!!


 何かあればお気軽にコメントを!


果たして次回、2人の運命とは?

 更新は明日の『『22時過ぎ』』です!


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