表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
輝冠摂理の神生譚 ~どうやら天才らしいので、嫁と神々の王を目指す!~  作者: G.なぎさ
第二章 天上神界を覆う不穏編
118/244

31話ー➁ 最愛の人を死なす覚悟






 つまり十神柱や天界の警備網を、2ヶ月も潜り抜けるような何かが潜んでいるのだ。


 そこでルシアがアファルティア様に質問を挟んだ。



「ですがそれは、私達が行く理由にはなりません。それほど危険なら何故十神柱の方々が当たらないのでしょうか?」


「簡単な事です。フィリアちゃんが不在になった瞬間に事は起こった。いわばこれは、フィリアちゃん以外の誰かを誘い込む為の罠です。フィリアちゃんの2週間ほど前から不在でした。ですが事が発覚したのは2週間前ではなく、現在になってなのです。」



 ルシアはまだ話が見えてこない、というような顔をしている。



「ルシアさん。十神柱は今天界に揃っています。一昨日私が帰ってきた事により、1年ぶりにフィリアちゃん以外が神界に揃っているのです。」


「……つまり狙いは十神柱だと?」


「当初の予定では、私とギネヴィアが任務に当たる予定でした。しかし知略に優れた最上位神の助言で、これが罠の可能性が高い事が浮上。フィリアちゃんの不在を狙えたという事は、私達の動向を監視していたということ......十神柱は全員動向を把握されているでしょう。」



 十神柱が監視されているかはさて置いて......動向を常に探られているのは、間違いない。

 十神柱が何もしなければ動向を探るのは難しいだろう。


 しかし十神柱は使う力があまりに大きい。

 力を使えば余波などで僕らでさえ、何となくどのあたりに居るのかが分かる。


 現にこの短期間でスタンピード、原初熾星王など十神柱が大きな力を使う状況があった。



「私達は監視されている可能性が高い......かといって実力が伴わない者を送れば、隠れる事もままならない。そして最上位神も、動向を監視されている可能性は十分にある。これらの理由から最上位神になったばかりで、敵のマークから外れているであろう、お2人に白羽の矢が立ったのです。加えてお2人は最上位神の中でも上位の実力を持っています。実力も申し分ない。」


「なるほど……理由は分かりました。相手と接触せずに調査だけをして十神柱に報告する。それが今回の任務の意味ですね?」



 するとしばらく黙っていたソロモン様が口を開いた。



「はっきり言う。接触すれば確実に死ぬ。そして最上位神に成りたてとはいえ......君達だって監視対象に入っている可能性は十分にある。だからこれは完全に任意だ。君達が適任というだけで、命の保証も安全性の担保も何も無い。文字通りレベチのリスクがあるってわけさ。」


「なるほど。失礼ですが、見返りは何ですか?」



 命をかけるのならそれなりの見返りがあるはずだ。

 それがとてつもなく危険なのなら尚更だ。


 魔道神ソロモンは重い空気感を纏わせる......

 そしてゆっくりと口を開いた。



「……魔道神ソロモンの名において選挙の際、君を全神王候補として後押しする。これは確約だ書面も準備する。4代目も君の事を推薦候補にいれると約束をした。」


「......ありがとうございます。」



 とんでもない見返りだ。好印象がどうこうの話ではない。推薦確約なのだから......

 そして魔道神ソロモンは、畳みかけるように話し出す。



「更に言えば『第8惑星ディアフィリウス』は神界最強の神、アウルフィリアの住む惑星。そこを守ったとなれば、神界最強の彼女に恩を売れる。この見返りに命を掛けられるかな?

 ......ルークくんだけじゃない。ルシアちゃんの命を犠牲にする覚悟はあるかな?」


「……」



 重い言葉だ。僕の覚悟云々ではない。

 ルシアを死なせる覚悟ができるかという発言。


 今までとは危険度が桁違いなことが、ここからも分かる。


 どれだけリターンが大きくても......

『愛する人の命』と天秤にかけることはできない。


 僕がそう思い、断ろうと思いかけたその時......



「私は命を掛けられますソロモン様。ルークを死なせてしまう可能性も理解しました。」



 心境を察したのか、ルシアは僕の迷いをばっさりと断ち切った。

 ルシアがここまで言ってくれたのだ。ならば僕も背負わなくてはいけない。



「ソロモン様。僕もルシアの命も背負います。その依頼受けさせていただきます。」


「……君たちの覚悟は受け取った。僕ら十神柱も最大限支援をする。僕も持てる魔法を惜しみなく教えるし、アファルティアやギネヴィアも喜んで力を貸すさ。欲しい魔道具は全て僕とアファフティアが買い与える。報酬だと思って好きな物を買ってくるといい。」



 いつもならラッキー!と喜ぶだろうが今回は浮かれてはいられない。

 本当に命懸けになるからだ。見つかれば終わり。恐らくそれは十神柱でも負けるほどの強敵......



「任せて下さい。あなた達が任務につくことは絶対に外に漏らさせません。私も休日の時間を全て使います。」


「さっそく作戦相談でもしようさ。僕ら2人も全力で協力する。」



 まず監視されている場合を考慮して、僕らは別の任務に当たっている偽装工作をする事になった。


 更には防御神法がかかった魔道具や魔道神ソロモン様の強化神法、アファルティア様お手製の護符など至れり尽くせりの支援がされた。


 偽装工作の関係上、出発は2日後となった。

 それがちょうどいい準備と覚悟の時間となったのだった。







どうもこんにちわ。G.なぎさです!

31話ー➁をここまで読んでくださりありがとうございます!


ルークとルシアの選択は「調査を受ける」

しかし同じ選択をしたとして、同じ答え行きつくかは......

大きく互いの感覚の違いが、初めて露呈する回でもある第31話。

二人が辿り着く残酷な末路とは??


 もし面白い、続きが気になる!と思った方は【♡応援】や【星レビュー】をしてくれると.....超嬉しいです!!


 何かあればお気軽にコメントを!


更新は明日の『『22時過ぎ』』です!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ