第4話 『最初の術師と海の民』④
ナナシ<やっと証拠の提示か、時間がかかったな・・・
ミコ<真実はいつもひとつ!体は子供、中身は蛇!鬼道少女ミコ!
ナナシ<だから、少女の記述は無いと・・・
@<大事な事だから何度も繰り返します!私の人生は任天堂様なしにはありえ・・・
ナナシ<・・・さあ、読み進めるがいい・・・
これは、「心」を探すお話し。※心的描写、状況描写を主に、他の描写は極力排除!貴方の想像力が物語を進める鍵!目指せ宇宙いち読みやすいライトノベル!
・・・・「にゃるんにゅろん・・・」(証拠ならあるぞ)
突然、後方から静かですが威厳に満ちた声がします。
海の民の皆さん、一斉に振り返ります。
(えー、いつの間に話せるようになったのですか?・・・皆さん、私の時と反応、違わないですか?)
・・・皆、新しく現れた威風堂々とした「ヒトガミ様」・・・ナナシ様に注目していました・・・
以下、私は海の民の言葉がわからないので、またクーの通訳で進行します~・・・
ナナシ様は、その後ろに隠れていた海の民たちを前に出るよう招きます。
そこには、少し干乾びた様子の一組の家族がいました。
・・・ご家族の皆さん、十本の手足で、吸盤が良く似てますね・・・
「なゆるん、にゅるり」
(そこの若者の家族、人質になっていた家族が証人だ)
ナナシ様が、声高らかに、そう宣言します。
(ナナシ様、無事、人質の家族さんを助け出されたのですね・・・よかった、よかった・・・)
・・・ナナシ様が別行動だったのは、この為だったのです。
「みんめん~」
(お姉ちゃん!)
クーの一番下の娘さんが、その一家のお姉さんに駆け寄っていきます。
「みんまん~」
(妹ちゃん!)
お姉さんも手をいっぱい広げ、そして、ふたり仲良く抱き合っています。
・・・後から聞いた話では、本当の姉妹のように仲良かったらしいですね・・・
「なりゅりん!」
(私たち、指導者に捕まっていたのよ!)
お姉さんは、指導者をきつく睨みつけます。
周囲からも非難の視線が指導者に突き刺さります。
明らかに形勢が不利になっても指導者は、(これは陰謀だ!私は、嵌められたのだ)、と言い逃れを続けます。
「にゃるん、にゅるにゃ」
あ、ナナシ様が私に向かって何か言っていますが・・・すいません、言葉、わかりません。
クーが、訳しようとしますが、ナナシ様は、それを手で制して、
「言い間違いだ・・・ミコ証拠を見せてやれ」、ナナシ様は、私にわかる言葉で言い直してくれました。
「あ、そういうことですね」、理解した私は、風呂敷に手を入れて、ごそごそと目的の物を探してみます。
・・・あっ、今、風呂敷として使っているのは、神宝の品物之比礼です。
・・・失礼かなっとは、思うのですが、これがちょうどいい感じなのです。
・・ごそごそ・・・あ、ありました。
「辺津鏡と、足玉~」、風呂敷から目的の物を取り出して、名前を呼んでみました。
・・・なぜか、こうしたかったのです、特に理由は・・・ないはずです・・・
きっと、周りの海の民さんに、その存在を主張したかったんですよ・・・多分・・・
楕円の鏡、辺津鏡と、青色の玉、足玉に、また私は「翠、お願いします」、と言いました。
すると、その鏡が光りだして、何か風景が映り、玉からは何か音が聞こえてきます。
森の中ですね・・・親友さんのモノと思われる姿と、特徴的な吸盤が見えます。
・・・親友さんが、鏡を手に持ってらっしゃるんですね。
その手の吸盤は、細長い形状の中にお椀型のヘコミがあり、内側にはギザギザした部分があるのが良くわかりますね。
クーとは、全然違いますね。
しばらく、風景はそのままで・・・
「にゃにゅるん・・・いや、違う、もっと先の部分だ」、ナナシ様が指摘します。
「申し訳ありません、まだ、扱いに慣れておらず・・・」、ぺこり、と謝って更に念じてみます。
・・・鏡の風景が、変わりました。
その内容は、指導者が親友さんから、クーの千切れた手足を受け取る所が映っていました。
指導者はクーが死んだ証拠をもらい喜んで、ついつい自分がクー殺害を企んだことを暴露してしまう風景と音が聞こえてきます。
「にゃるにゅにゅ、めんみんま」
(この鏡や玉は、神聖なる神の道具、神の道具に偽りなく、神の前に全ての悪は見ぬかれるのだ)
ナナシ様が、皆に手を振って、そう告げます。
「めんみんまー」
(神に仕える大司教の殺害など許されざる罪、神は、汝の罪を全てを知りたもう)
・・・と、クーに通訳してもらいました。
通訳し終わったクーは、また「めんみんまー!」と、周り中に聞こえるように大きな声を出します。
「めんみんまー!」、「めんみんまー!」、皆、崇めるように跪いていきます。
指導者は、ぶるぶる震えていましたが、急に・・・
(だまれ!だまれ!・・・えぇい、皆の者、神を名乗る不届き者じゃ!切れ、切れ、切り捨ていっ!)
そんな言葉を放ち、自分に従っていた武装した一団をけしかけます。
が、戸惑う戦意のない者は動きが鈍いです、黒い炭を主に吐くだけですね・・・
ヒトガミ様を崇める、クーの長男さんを含めた信者さんたちが、ナナシ様、私を守るために戦ってくれます。
クーの長男さんは、剣が得意みたいですね、吐かれたスミを華麗にかわし、腰だめの強い一撃と、軽い横振りで、軽快に倒していきます。
・・・あっ、クーが私に活躍を見せたいのか、前に出ます・・・
・・・またスミまみれになるよ?・・・あっ、危ない、クー!?
・・・危ないところだったのですが、親友さんが守ってくれました。
親友さんは、弓が得意みたいです、その手の数を活かして、同時に3本の矢を放っていきます。
「これで貸し借りなしになりますかね、ナナシ様?・・・あれ?」、さっきまでいたはずのナナシ様の姿が見えません。
・・・いつの間にか、ナナシ様が『参戦』されていました。
ナナシ様だけ動きが違いすぎます。
的確に標的を無傷で無力化させていきます。
・・・相手・・・手足を結ばれてますね・・・転がされていきます・・・
・・・見なさい・・・海の民が球のようです・・・
・・・殺す方が楽でしょうけど、何か理由があるのですよね?・・・
・・・「以前の私」なら、向かってきたモノは・・・
・・・あっ、ナナシ様はそれを、びしっ!ぼーんっ!と吹き飛ばし、外の海に放り込んでいきます。
そういううちに、決着がつき、座り込む指導者、ただ一匹だけになりました。
十本の両手足を広げ、抵抗の意思がないことを示していました。
今後の指導者の処遇について、ナナシ様、クーを始めとする海の民たちが、何か話し合いをされているようでした。
・・・もう、ナナシ様を新しい指導者とする社会が形成されそうです。
その片隅では、クーの長男さんが、親友さんと何か話されているようです。
・・・クーが、いないので内容は、わかりませんが・・・
多分、良い方向になったのでしょう、お互いの腕を絡ませ、強く握り合っておられます。
あと、クーのところに息子、娘さんが来て、互いに抱き合ってます、久々の再会ですものね。
・・・クーが、いないので内容は、わかりませんが・・・
親友さんも人質になっていた家族と再会を喜んでいられるようです。
・・・クーが、いないので内容は、わかりませんが・・・
(なんだろう・・・胸の奥が、むずむずする・・・もしかして、私・・・羨ましいと・・・?)
「蛇の私」と違い、「人間の私」は、親や周りの人間との関わりがありました・・・
今の状況・・・親しい者がいないことを心の奥で、羨ましい、寂しいと思っているのかも知れません・・・
・・・とりあえず、やることの無いの私は、縛られた指導者の方に行ってみます。
本当は、いろいろな姿の海の民の方と交流したかったのですが、皆さん緊張されているのか、遠巻きに私を避けていらっしゃるようで・・・
行ってみると、ぐったりした指導者は、歩くための足二本以外の、手となる八本を縛られて連れて行かれるところでした。
どのような処遇になるか、決まったようですね。
「ナナシ様、どうなりましたか?」、ナナシ様の横に来て、尋ねます。
「干しモノの刑に処すべき、という案になった・・・言うなれば、死刑だな」、そうナナシ様は、淡々と伝えられます。
(悪い事をしたら罰せられる・・・仕方ないですよね・・・)
・・・「以前の私」も「悪い事」をしたと言われて・・・
指導者が、両脇を抱えられて、私とナナシ様の横を連れて行かれます。
・・・その時、指導者が、私を鋭い目で見た気がしました。
「めんむんまー!」、そう言って・・・
突然、私に向かって、「十一本目の腕」が、鈍い光を伴って迫ってきていました。
むろん、私を含めた皆が動けませんでした、まさか、もう一本の「隠し腕」があるなんて・・・
・・・ナナシ様には勝てそうにない、弱そうな私ならば、と考えたのでしょう。
正直、私を何とかした後で、状況が改善するとは思えませんが・・・
(ところで、めんむんまー?って、何という意味でしょうか?)
そこで、そんなことを考えていたら、銀色の光は、私の目の前まで来ていました。
・・・それを視線の端に見て、そこで私の意識は・・・・
クー<ミコ様に迫る白刃の行方やイカに!?
@<大事な事だから何回もくりかえし・・・任天堂様、ばんざーーい!まんめんみ~!
拙い作品ですが読んで頂いて、ありがとうございます。皆様の応援が生きがいです!
ブックマークやコメント、誤字脱字、こうしたらいいよ、これはどうかな?、何でもお待ちしております。