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英雄の末路

作者: カグラ=玉藻前

魔女の誕生、九尾妖狐の誕生、の数百年前の話。

楽しんで?いただけると嬉しいです。

 昔々世界が滅びるよりもっと前の物語


 とある世界のとある村に一人の少年がいた。


 その少年の住む国とその周辺国は魔族と長い間

 戦争をしており、少年は自分は将来、みんなを守るため

 兵士になって魔族を戦うんだと思っていた。

 そんなある日、少年は夢の中で女神と自称する存在に会い、

 お願いをされた。

 女神曰く、自分は人間という種族を愛していて、

 人間が魔法を使えるようにしたりした。

 しかし、このままだと人間の上位互換ともいえるべき

 魔族に人間が滅ぼされてしまうため、

 少年に加護を授けるので、人間を魔族から守り発展させて

 ほしいらしい。

 少年はそんな女神の願いに応た。

 そして、目覚めて数日もすると王都から騎士がやってきて、

 神託があって少年には女神の加護が授けられていて、

 軍に魔族と戦う兵士として引き取りたいと少年の両親に告げた。

 少年の両親はその申し出に反対したが、

 少年は皆を守るために軍に入りたいといった。

 そして、王都に行った少年は修行に明け暮れた。

 そして数年後、大きくなった少年改め青年は、軍の内部では

 かなう者がいないくらい強くなった。

 さらに、戦術などの学問においても優秀であり、

 青年は若くして、兵を率いる立場となった。

 そして数年後、青年は軍を率いて魔族と戦い勝利を重ね、

 魔族の国まで進攻し、魔族の国を滅ぼした。

 さらに、生き残った魔族も死の山脈と呼ばれる

 山脈の向こう側へと追いやった。

 そして、青年は英雄と呼ばれ、人々から

 崇められた。

 青年改め英雄は女神の願いをかなえるため、まず人間をまとめることにした。

 十年ほどかけて、人間をまとめるために、人間の共通の敵として魔族を女神の敵とし、

 女神を人間が信仰する対象とする、すべての人間が

 信者となるような宗教の、女神教を創設させた。

 英雄はその後、女神から教えられた知識を使って

 人間を繁栄させ、さらに人々からの名声は高められた。


 だが、英雄はあまりに名声を高めすぎた。

 英雄が創設させたはずである女神教の教皇は英雄を妬み、

 英雄を邪魔に思うようになった。


(なぜあのような男が私よりも崇められるのだ。私は女神教の教皇だぞ。

 奴は、人間のためなら多少の犠牲を出すことは平気でする男だぞ。

 忌々しい。あいつは邪魔だな。悪いが消えてもらうとするか。

 だが、我が女神教の力だけでは奴を陥れるのは難しいな。)


 そこで、教皇は英雄が所属している国へと話を持ち掛けた。

『 あの男(英雄)を邪魔に思わないか?我が女神教と貴国が

 手を組めば奴を葬り去ることなぞたやすいぞ。』という意味の書状とともに。

 当然、持ち掛けられた話の対象が普通の貴族などであったなら、

 その話は断られただろう。

 だが、その国の上層部は英雄を恐れていた。

 以前は魔族にその強大な力が向けられていたが、

 もし、今の英雄が人間の繁栄に邪魔になると考え自分たちの国に

 強大な力が向けられたら。と。

 女神教と英雄の所属する国は手を組み、

 英雄を葬り去ることにした。


 ある日、英雄が自分の屋敷に戻ると兵士が中にいて、

 英雄を犯罪者として捕らえるといった。

 英雄は裁判にかけられ、その罪が事実か問われた時、

 英雄は肯定し、人類の繁栄に必要だったといった。

 当然民衆はそんな英雄を非難し、英雄は女神の加護を使い

 残虐非道なことをしたとして、処刑の上で魂も破壊することが決まった。



 その夜、英雄のいる牢に近づく一人の男がいた。


「言いざまだな、元英雄さん?」

「ああ、なるほど。あなただったんですか教皇。お久しぶりです。」

「チッ、明日処刑されるってのにずいぶんと余裕そうだな。

 死ぬのが怖くないのか。」

「殺されても当然のことをしたわけですし、死ぬことよりも

 私の死が何の役にも立たないことの方が怖いです。」

「相変わらず人間のためならどんなに非道なことでも

 平気で成し遂げる男だな。」

「ええ、人間の繁栄のためならどんなことでも

 するつもりですから。」

「はぁ、安心しろ。人間はお前の代わりに俺が導く。」

「おや、てっきり私をあざ笑いに来たと思ったのですが。」

「実際そうだったがお前と話しているうちに名声とかを

 追い求めるのがバカらしくなった。

 だが、お前を処刑するつもりなのは変わらない。

 俺はお前と違ってすべての人間を導く。」

「なるほど。教皇、人間を頼みましたよ。」

「いわれるまでもない。」


 話を終えると、教皇は英雄のいる牢から離れていった。


 次の日、英雄は崇められていたはずの民衆から罵倒を浴びせられながら

 処刑され、さらに魂も破壊された。



 その後、女神教の歴代教皇たちは初代教皇の考えを受け継ぎ、

 人間たちの間で大きな戦争が起こり国々が疲弊しても

 人間を導いた。



 そして数百年後、女神教の末端の一部の、魔族に

 加担したとされるものなどを徹底的に排除しようとする

 過激派の手によって、一人の無実の少女が殺されて魔女になり、

 死の山脈と接する複数の国が滅びるが、それはまた別のお話。






 ???「人間め、あんなにもお前たちを

 導いたあの人を殺すなんて許さない。

 ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ。

 オ前ラナンテ滅ボシテヤル。」

いかがだったでしょうか。


狐「女神の加護を持ったら文武両道になれん?」


いや、女神の加護で成長するのは身体能力だけだぞ。

技術とか学問は英雄本人の努力だ。


狐「英雄がどこぞの真言教の教皇に似とるんやけど。」


そりゃ、そうだろうな。英雄のイメージは

どこぞの真言教の教皇から来てるから。

英雄も大を生かすためなら小をためらいなく切り捨てる奴だぞ。


狐「英雄は結局何をして捕らえられたん?」


感染症を抑えるために一つの村を皆殺しにしたうえで焼き滅ぼした。


狐「ええー・・・。」


ああ、そういえば女神教の上層部は腐らなかったな。                                 (ほかの国が腐っていないとは言っていない)                             


それはそうと、後は女神視点と魔王視点でこのシリーズは終わりだな。


狐「もういややー。」


ファイト。


これを入れたほうがいいようなので一言。

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