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堕ちたい少年ら  作者: いもお
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海堂少年の独り言

最近の社会は平和で安全だねぇ。昔の人らが望んでいたことだね。でもなんで若者は現実逃避にラノベを読むのか。

※主もアニメ、ゲームが大好きです。

俺はゲームが好きです。なぜならその中では俺が最も強い存在になれるからです。

下手な英語の翻訳のような文で混乱したかもしれないが、特に深い意味は無いので安心して良い。なぜこんな文を書いたのか。それはこの2つの短い文章が俺を1番よく表現出来ているからだ。

ろくに学校に行かないから勉強ができない。スポーツなんてもってのほかで特技なんて何一つ持ってない。こんな冴えない俺の唯一の楽しみがそれだ。決して上手くはないが。なぜゲームに夢中になっているのかは上に書いてある。俺についての概要は以上だ。他のことに好きも嫌いもないから安心していい。

でも強いて言うなら俺は人が嫌いだ。そしてわさびを挟んだお菓子も。人と関わることがないから適当に気だるそうにやっておけばバレないと思う。名前、姓、生年月日、家族構成諸々は説明しなくてもいいらしいからこれで終わる。頑張れよ。


俺はキーボードから手を離す。後は……。

俺は地面をけってコロコロ転がる。と言っても実際に自分が転がってる訳ではなくて椅子の車輪が転がっているだけだ。そもそも、高校生にもなった男が部屋で1人で転がっているなんて狂気の沙汰ではないか。俺はベッドの上に置いたスマホを手に取る。ブルーライトの光が眩しい。開くとすぐに昨日届いたメール。


出発する準備が整いましたらご連絡ください。


簡潔な短文。その文の周りにある真っ白な空白がなんだかとても寂しい。

出発する準備と言っても俺がすることと言えば、説明メールを書いて、部屋の見られたくないものを捨て、ちょこっと片付けることぐらい。友達なんていないし、両親に見せる顔もない。別に何かされたわけではないが、顔を合わせるのはなんかヤダ。この気持ちを誰か分かってはくれないか。

……まあいい。とにかく準備は整ったわけだ。どんどん俺の表情筋がゆるゆるになっていくのが分かる。暗い部屋の中でブルーライトに照らされた俺のニヤついた顔。想像しただけで吐き気がする。でももうこの顔ともお別れだ。先程両親に何かされたわけではないと思ったが前言撤回だ。こんなブサイクに産んだ両親には心底腹が立つ。しかし俺は生まれ変わるのだ。これを押したら俺に待っているのは華やかな生活。俺はスマホに手をかざした。

「さようなら、海堂ゆうじ!」

俺は俺に別れを告げた。ボタンを押した直後、空気が光った。眠気が押し寄せてくる。俺は波に身を委ねて目を瞑った。


光がさり、辺りは沈黙に包まれる。椅子の上に座りうなだれている少年。少年は目を開いた。そこに居たのは紛れもない海堂ゆうじだ。

「ここは…」

テノールな声だ。長い間発声をしていない喉は若干かすれていた。切れ長の目の中にある淀んだ瞳が右往左往する。

ゆうじ…いや、セウスは立ち上がった。

海堂少年はどことなく僕に似ているかも知れません。


この話に指摘、アドバイス、意見などがありましたら自由にどうぞ。取り入れます。

※不定期更新。打ち切り有

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