【一章】1
プロローグ
——ティロン。
『実績達成』の効果音が、脳内に響く。
実績名……『 やっぱり篭ちゃん、三人乗っても大丈夫!』
状況。
今、仰向けの僕の上に、『美少女三人』がのしかかっていた。
1 【進行中の実績】ウェルカムようこそ
ツツー「ひゃ!?」
登校中、彼女の脇腹に指を這わせると、夏制服な彼女の大きな胸がぶるんと揺れた。
高校生になってから一気に女らしい身体つきになったものだ。
アニメキャラのような薄桃色のショートヘア、アニメキャラのような愛らしい顔立ち、アニメキャラもそうであろう甘い香りのする、長い付き合いの幼馴染。
「な、なにするのっ!?」
「いや、『出る』かなって」
「そんな変な声出させたかったの!?」
「声じゃないよ。うーん、やっぱり『出た』かぁ」
「何も出してないよ! それとも汁的なナニカ出てるの!?」
「ちょっと黙ってて」
「理不尽だよ篭ちゃん!」
プンスカと眉を潜める幼馴染だが、慣れてるせいか全く怖くない。すぐ機嫌なおるし。
「おっ、朝から封ちゃん見れてラッキーっ」「可愛いよなぁ源ちゃん、ムチムチだし」「付き合いてぇなぁ……でもバスケ部とかのイケメンに告白されても全部一刀両断だもんなぁ」「なんでいっつもあんな【薄い奴】と一緒に居るのかねぇ」
「チィ! (ギロリ)……篭ちゃん、気にしないで良いから……って、篭ちゃんに周りの声気にするような繊細さは無いよね」
「うーん、『操作』出来ないのかなぁ(ツツー)」
「ひゃ!? ま、また変な事してっ。封の事は気にしてよっ」
ううむ、ほんとになんなんだろうな、『コレ』は。




