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「えー? よけるとおもったのにー」
まるで昆虫を虐めるような、子供特有の残酷さと容赦無さ。
行動全てが必殺技級の単純に高過ぎる潜在能力。
コレが、竜の子、か。
「こら瓏ちゃん! 相手に『全力出させた後に倒さなきゃダメ』って教えたでしょ!」
「ひぇっ。ご、ごめん、にー(ぐすん)」
「次は気を付けなよっ。それが強者たる竜の務めだからね!」
「それって舐めプって言うんじゃねぇか」
「舐めプしないと余裕無いって思われるからね。ところで、ほら。ウチの瓏ちゃん、姫を守るナイトとしては何の心配も要らなかったろ?」
「……ああ。だがまだ一人、残ってるぜ」
「■■■!! ■■■!!」
魔王は憤慨している。
当然だ、いきなりやって来た賊に仲間と根城を半壊……いやそれ以上の被害を被らされた。
この世界の魔王がどんな支配してる奴なのかは知らんが……今は完全にこっちが悪。
「む。後ろから沢山敵が来る気配。こっちは任せて」
「お願いねドリー。さ、終わらせようか、瓏ちゃん」
「うん!」
瓏が元気いっぱい頷いた。




