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「じゃあじゃあ、『時間の魔法』を使えるってのもマジっすか? でも、そんなファンタジーみたいな話(笑)」


ほんとグイグイ行くな樹。

情報収集は助かるが、怖いもの知らずか。


「むーっ、寵さんはホントに凄いんですっ(コツン)きゃっ」

「ペラペラ喋りすぎよ龍湖。しかしまぁ、龍湖が嘘つき呼ばわりされて友達無くすも可哀想だし、少し『見せたげる』よ」


え?

そんな、急に?

いや、待ってくれ、心の準備がまだ————ッ!?


キィィィィィ……


耳鳴り。

空間が歪んでいくような視界の揺らぎ。

これ……やべぇんじゃねぇか?

覚えがある。

これは、アタシが【リモコン】を使った時の感覚……や、それより何倍もヤベェと肌がざわつく。

一体、何をするつもりで——「(コトンッ)お待たせしました。アイスカフェラテとナッツスモアチョコケーキです」


「おっ。おいしそー」


……………………何だ?

何か起きたか?

何か変わったか?

オヤジが割り込んで来て、中断され、た?


「あっ! 寵さん『ツインテに』なってるっす! かわいいっ」

「んほぉ! 素敵ですっ」

「うふふ、でしよ? (もしゃもしゃ)あ、ケーキもコーヒーもおいし」


……な。

何だ、それだけか。

いや、しかし、アタシは一瞬足りともコイツから目を離してないのに、いつの間に髪型を変えて……?


「あれ? 樹さんも同じ髪型でしたっけ?」

「え? (サワサワ)あれ!? ホントっす! って、龍湖さんもツインテに!」

「わっ、ほんとですっ。へー、新鮮な気分ですねー。寵さんとお揃いですっ」


樹に鏡を渡された龍湖は自分の姿にうっとり……しているように見せかけて、鏡越しに寵を見てうっとりしていた。


「おお!? 我関せずな態度の石榴さんもツインテじゃないっすか!」

「は?」


……は? ……、……言われてみれば、なんか、頭部に違和感、が?

マジか、これ?


「ギャップ萌えで似合うっすけどツインテになったら急に頭弱いビッチギャルっぽくなったっすね石榴さん」

「ぶっ殺すぞ」

「しかし……つまりこれは、寵さん。『時を止めてその間に私達をツインテにした』、って事でいいんすか?」

「その通りだよ。正解のご褒美にお兄ちゃんが撫でてあげよう」

「ふぇっ!? ふにぁ……」

「ず、ずるいですっ。龍湖も理由無く撫でて下さいっ」

「僕のナデナデの価値は高いんだよ」


こいつら……呑気にハシャぎやがって。

今、何をされたか本当に理解してるのか?

蒐集品を使わず、こんな芸当をしたんだぞ。

そんな力を持った存在を、あっさり認めていいのか?


——別に、時なんぞ止めなくとも皆の髪を弄る事は、可能、かもしれない。


例えば視線誘導や意識を逸らす話術などを用いて、無意識下のアタシらに好き放題したとか……若しくは、アタシのリモコンに似た蒐集品を隠れて使った、とか。

全ては、そうであってくれというアタシの願望。

それを。


寵は察したかのように、無慈悲に、更なる追い討ちをかけて来る。

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