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16年◯月◯日 きさき めぐむ(3)


むかしのせかいにきて、ふつかがたちました。

わかわかしいなかまたちとあそんだり、じかんのまほうのつかいかたをおそわったり、■■を■■したり。


「寵。そろそろ元の時代に帰りたくなったりしないかい?」

ゆうがた。


かえりみち、しきさんとふたりであるいていると、しきさんがそうきいてきます。

ちなみに、うしろからはこっそり、ままんがついてきているようです。


「かえりたいけど、でも……」

「■■が■■なんだろ? まぁその辺は案外、元の世界に戻れば■■かもしれないぜ?」

「……ここでかえったら、おとこじゃない。■■まで、いる」

「良かった。ここでヘタレてたら君に一生意気地無しのレッテルを貼ってた所だ」


ゆーどーじんもんに、はめられるところでした。


「まぁ君が帰る時期なんてどうとでも……ん? 寵、そこ、『曲がるのかい?』」

「え?」


そういえば、かえりみちでもないのに、あしがしぜんと、こっちにむいてました。

……なにか、おくのほうから、こえがきこえます。


「あえて『言っておく』けど、その先に進むと君の運命は『大きく動く』ぜ?」


しきさんには、ままんよりすごい、みらいをみる【め】があります。

このことばも、じゅうような『けいこく』なのでしょう。

——でも。


「『おんなのこのなきごえ』をむしするのは、ままのむすことして、はずべきこと」

「その通りだ。君は良い男になるぜ。さ、運命を動かしに行こうか」


なきごえは、ちかづくにつれ、どんどんおおきくなっていきます。

そして。


「あかちゃんだ。ふたりも」


ねこみみのついたおんなこ、と、よぞらのようなきらきらしたかみのおんなこ。

まるでしまいにみえない、ふたりのおんなのこが、じょうしつなぬのにくるまれ、たからばこのようなごうかなはこのなかで、げんきにないていました。

まわりには、ぼくたちいがい、だれもいません。

ふしぜんなほどに。


「捨て子、にしては丁重に保護されてる感じだね。一時的に置いておいただけで、待ってれば親なりが来るかもよ?」

「こんなちいさいこを、おいてくじてんで、さいてー」

「その通りだ」


ぼくは、ふあんそうなあかちゃんたちに、てをのばします。

なでなで、あたまをなでなで。

すると……ぴたり……あかちゃんふたりは、どうじになきやんで。


「お? めっちゃ寵を見てるよ。抱っこしてあげたら?」

「む。やったこと、ないけど」


しかし、かたほうのこをだっこしようとすると、もうかたほうが、さっきいじょうになきわめいてしまって。

しかたなく、どうじにかかえあげます。

ぼくのからだもおおきくないので、いっぱいいっぱいで。

じんわり、あかちゃんのたいおんがつたわってきます。


「にゃにゃー」「きゃっきゃ!」


さっきまで、ないてたとおもえないほど、ころころわらうあかちゃんず。

しぜんと、ぼくのほおもゆるみます。

……ん? このかお、ついさいきん、どこかでみたような、そんなきしかん?


「さて、どうしようか? 親を探すなら一瞬で見つけられるよ。僕もパークの皆も協力するし」

「ならんっ!」

「おおう。眺めてるだけかと思ったら急に絡んで来ないでよグラ」


ばん! とあらわれ、こしにてをあてて、ふんっと、ないむねをはるままん。


「竜の子が周囲を宛てにするなど情けない! 決めた道ならば最後まで責任を持て!」

「竜の子って。息子って認めるって事?」

「認めん! じゃが、竜の子なのは認めてやる! 我と同じ誇り高き竜の血を引くのであれば、吐いた唾は飲ませぬぞ!」

「普段はそんな同族意識無いくせに。前に別の世界に行った時に居たドラゴンは容赦無くブチ殺してたでしょ」

「やかましい!」


——それから。


ぼくはきょくりょく、ぱーくのみんなにたよらぬかたちで、ひとりで、あかちゃんずのことをしらべました。(ままんがつねにちかくでかんししてますが)


すやすやねむるふたりを、おんぶひもで、まえにうしろにかかえながら、としょかんでしらべたりします。

はいっていたたからばこ、くるんでいたぬの、ふたりのしんたいてきとくちょう。


とちゅう、といれにいこうとして、ふたりからはなれようとしたら、すぐおきて『ふしぎなちから』でとめられたりもしました。


『ちょうのうりょく』や『めいれいするちから』を、もつようです。


やはり、ふつうのあかちゃんではないようで。

そのへんのこともふくめて、いろいろなほんをよみます。


——みっか、ほどしらべて。


ごはんのみるくをのませたり、おしめをかえたりと、はじめてのことばかりも、けいけんしたりして。

あるていど、ふたりの『すじょう』は、わかってきました。


あとは『どうするか』、です。



「はえー。この赤ちゃんとは、玲玲さんと猫仔さんの事ですよねぇ。昔からの仲とは聞いていましたが、まさか赤子の頃に寵さんが保護していたとは……まさに、命の恩人。龍湖と同じように、人生を変えられたのですね。あの仲の深さも納得です」

「今思えば、三歳児に赤ちゃん二人も任せるとか、当時の僕らも鬼畜だったなぁ。ま、寵の前じゃ二人とも静かで素直だったから、当人は苦労じゃなかったと言ってたけど」

「親御さん捜しはどうなったんですかねぇ。この日記通り、ある程度の目星がついたのであれば、発見も容易でしょうが……今もあの姉妹が寵さんの側にいるのを見るに、会うだけ会って親元には帰らなかった、という展開に……?」


「んー。それよりも『気付いて欲しい事実』があるんだけど……まいいや。続き、読も」


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