表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
147/147

50

「やーごめんごめん。主役が席外しちゃって寂しい思いさせたね」


パークの温泉施設に戻ると、皆は(温泉の)可愛い浴衣に着替え休憩所で各々ノンビリ過ごしていた。

因みにだが、知っての通り外の時間とここの時間の流れは違い、外の世界での十数分はこちらの世界の数日だったりするわけで……だからその辺はパパンに『調整』して貰い、こちらの世界では僕が倒れてから三十分程しか経ってない。


「だ、大丈夫ですかっ」と駆け寄って来る仙女ちゃん。

「ヴぁー、意外と早くー、戻って来ましたわねー」とマッサージチェアーでブルブルしてる天女ちゃん。

「(むー……)」と僕を睨みながらコーヒー牛乳を口にする封。

「ほら、戻ってきたなら酌しろー」とまた呑んでるババア。


「僕を心配してくれるのは仙女ちゃんだけだよ(ギュー)」

「は、はわわわっ……み、みんな見てますっ」

「関係ないぜっ。さ! やりたい事はまだまだあるから仕切り直しと行こうぜっ」


今は僕の事情サブシナリオなんてどうでもいい。

彼女達を楽しませて僕も楽しむ、それでいいんだ。

ついさっきまでは実績解放に躍起になってたけど、暫く放置しよう。知りたい情報は大体得たし、『知りたくない情報』まで集める必要は無い。


ここ数日で、ようやく僕は『僕の時間』を得られたような気がする。


僕が作った、僕の関係。

きっとこの先も、素敵な初めてばかりが待っている筈で



「あっ。カー君みっけ」



ざわり。

 鱗が逆立つように肌の表面がピリピリとなる。

まるで、危機を知らせる虫の知らせ。

こういうのを『第六感』って言うんだっけ?

過去も未来も統べる妃家だ、なんとなくで未然に危機を察知出来てもおかしくはない。

まぁ、今回は知らせるのが『遅過ぎた』が。


「おーい。その後ろ姿はカー君しかいないでしょ? 『十年ぶり』なのに無視すんなっ」


僕の背後にいる【なにか】を見て――

姉妹は驚いた顔をして。

封は唖然とした顔でコーヒー牛乳をこぼし。

おばぁは先の展開を知ってる映画を見てるようなつまらなそうな顔でクイッと酒をあおった。


パパン、僕が波乱の中心に巻き込まれる?

『波乱そのもの』が来たじゃないか。


ティロン 実績解放――『ドラゴンスキン(第六感)』


だから。

知らせるのが遅過ぎるって。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ