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――それから数分後……私達は巨大で強固『であったろう』金属の門の前で足を止めます。


【怪物園】の入り口らしきその門は、見事に『破られて』いました。


「こらっ、お前が壊したんだから、そこの飼育員のお兄さんに謝れっ(ペシペシ)」


ギチギチ(ペコリ)


「はは、いいんですよ若、『日常茶飯事』ですし。その子も、まだ子供だから不安になったのでしょう。すぐにここに慣れますよ」


爽やかに笑う作業着のお兄さん。門が壊れても言葉通り気にした様子はありません。


「よく壊される門に意味はあるんですの……?」「あ、天女ちゃん、それは……」

「はは、ごもっとも。しかし、あまり硬くし過ぎると脱走しようとした『未熟な子』がぶつかって怪我をしますからね。あえて、ですよ」

「そーそー。それに、例え脱走時に一般人に『怪我人や死者』が出てもさ、パークの過失に限り『無償で蘇生』のオプション付きってガイドブックにも書いてあるしねー」

能天気な飼育員さんと妃さん。表の世界なら大問題の騒ぎではありませんが、ガイドブックにも『客より魔物第一』と書いてありますからね……モンスタークレーマーなど一蹴でしょう。

「じゃ、僕らは行くねー」

「ごゆっくり、若。『王』もお待ちです」


私達は、ようやく本来の目的? である怪物園エリアに足を踏み入れ……まず辿り着いたのは、巨大な園内案内看板の前。

展示される怪物(魔物、妖、異形等々)のイラスト数は全部で『約五千』。

陸海空と彼らの生態に合わせたエリアに分かれていて、その敷地の広さも余裕でパーク一位。

当然歩いて全てを回ろうとすればとても一か月では足りないので園専用『モノレール』を使うのが一般的です。


「んー、確かこの子の場所はここから一キロくらいだったかなー。歩ける距離ではあるけど、少し面倒いなぁ。魔物を運ぶ専門の人もいないしー……あ、そうだっ。エビ子っ、僕を乗せて走れるよね!」


ビチビチ!


「よぅし。なら姉妹もついでに」


ビチッ! ビチッ!


「そんなに嫌かー。僕だけを乗せたいだなんて強欲な奴め。ほら二人ともっ、そんなわけだから歩くぞっ(ぷんぷん)」

「何故わたくし達が悪いような空気に……」「ま、まぁまぁ」


妃さんとの付き合いではその自由気ままさを受け入れ受け流すスキルが必須です。

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