【五章】25
5 【進行中の実績】余計なお世話レベル2+α 達成ボーナス『ドラゴンペイン』
翌朝、1010分時。
「およ? おはよー。もう来てたんだー」
【ゲート】を使用して『港』まで行くと、一台の黒塗り高級車の前に姉妹が立っていた。
姉の仙女ちゃんは地味スタイルではなくフェミニンなふんわり花柄ワンピお姉さんスタイルで、乳袋が凄い。
妹の天女ちゃんは所謂『童貞を殺す服』と言われる清楚な白ブラウスと紺色プリーツスカートなガーリースタイルで、乳袋が凄い。
「お、おはようございますっ」
「御機嫌よう……というか、そちらが遅いのですわ。招いておいて10分も遅刻するだなんて」
「ふああ……ムニャムニャ。でもー、10分くらいで済んだのは褒めて欲しいなー。基本僕30分は余裕で遅刻るからー」
「わ、わざわざ私達の為にっ……!」
「流されてはいけませんわお姉様。タンクトップとショートパンツという格好に、寝癖だらけの跳ねまくり髪……今さっき起きて寝間着のまま来たかのような姿です」
「そうだねー、せーかい。さ、行こっかー、車乗せてー」
するとすぐに扉が開き、僕を招き入れてくれた。一番後ろの席の真ん中を陣取る僕。ふと運転席を見れば、昨日遊んだメイドさんの一人だ。
「全く、自由ですわね」
「で、では私はこちらに……」
姉妹が僕をサンドするように座ったあと、車は発進した。
――車は港から伸びる橋を走行中。
「はぁ、本当に長い橋ですわね。『木造』な上に大分先の『島まで伸びる一七キロの橋』……本来なら間違いなく世界一でしょう。有名でなければおかしい筈、なのに。橋の存在を『今日初めて』知りました」
「えー? そこまで大層なもんー? 『一晩で』適当に造ったって聞いたぜー? パンフにも書いてあるっしょー?」
「いや物理的に不可能でしょう、『非現実』では無いのですから。いや……しかしこの『認識を鈍らされる』感覚……まるで数日前の【貴方】のようですわね」
「君がここを知らなかっただけでしょー(ワシャワシャ)ん? 君は人の髪触って何してんのー」
「い、いえっ、そのっ。寝癖を直そうかなとっ。勝手な真似をしてすいませんっ」
「いいよー、いつも封にやらせてたけど、今日はアイツ『居なかった』から」
居たら居たで鬱陶しいけど、居ないなら居ないで不気味な幼馴染。昨日はまるで『僕成分を二日分チャージ』するかのように、いつも以上に――飯時も風呂時もベッドの中でも――くっついて来た。なら今日は大人しいのかねぇ。
「で、ではっ。……す、凄く手触りのいい髪質です……手櫛だけで整っていきます」
「ほぅ。な、ならばわたくしも……こ、これは……クセ毛のわたくしには羨ましい限りな……」
「ワシャふれあい体験コーナーか」