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「ぅーん(キョロキョロジロジロ)」
「あ、あの……恥ずかしいので、あまり部屋の中は……」
「エロ本ある?」
「な、無いですからっ」
「そっかー、今の時代はPCとかスマホだもんねー」
「へ、変な納得はやめてくださいっ」
「否定はしないのね。ま、男女はエロスが大好きだもんね。仕方ないね」
「……そ、それで、私の家にまで来て、な、何をするつもりです……?」
「話変えやがって。んー、まぁ何をするってアレも無いんだけどね。とりあえずゲームでもしよっか」
「い、いいんでしょうか……みんなが学校で勉強している時に遊んで……」
「なら体調不良の早退理由にのっとって二人で寝よっか」
「げ、ゲームでっ」
――それから。
僕達はswitchで仲良くスマブラを楽しむ。
仙女ちゃんはネット対戦では上位ランカーらしく、肩書き通りその動きには無駄がなく回避は鋭く追撃もエゲツない。
64派の僕はswitchに触るのが今日初めてなので慣れるのに数戦要したが、そこはよく封と死闘を繰り広げる僕、その後はクセを掴んでランカー相手に『こうどなじょうほうせん』を繰り広げられるまでに。
「アイテムある方が楽しいっしょ」「し、しかし純粋な実力勝負をするならば無い方が……」
トントン 『お茶をお持ちしました』
「どうぞー」「あっ! い、今は……!」
「失礼します……、……何故、お二人とも中途半端に『服をお脱ぎ』に?」
ズボンと靴下を脱いだ裸ワイシャツな僕とワイシャツと靴下を脱いだ生足キャミ姿な仙女ちゃんを見て眉根を寄せるメイドさんに「負けたら制服脱衣スマブラ」と説明したら納得してくれた。
それを皮切りに、一人二人と食べ物を持ってゾロゾロ部屋に入ってくるメイドさん達。仙女ちゃんの部屋からワーワー声がするのは『久し振り』らしくって。
「シェフご自慢のタルトタタンをどうぞ」
「わーい」
「ラフランスが剥けましたよ」
「あーん」
「甘い物ばかりで無くババアが焼いた煎餅はいかがですじゃ」
「食べるー(ボリボリ)」
「す、すごい……一瞬で溶け込んでます……」