表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
114/147

17

……と、『その前に』。


「デブでブサイクな僕とクラスのマドンナが付き合える事になるなんて!」

「三軍だった私の身体能力が急にプロ級に!? これなら来週の公式試合も一軍確実!?」

「え! ダメ元で送った懸賞で家が当たった!?」

「大病で余命僅かだった私がいきなり健康体に!?」


その日の学園は妙に騒がしかった。

まぁ僕がちょいちょい適当な生徒らに触れ回って実績を達成したせいだろうが。

強化され便利になったメニュー閲覧能力のお陰で、仕事はスムーズ。

相手にバレずに、達成の手助けをしてやった。

これも全て、僕の方の実績達成が『多人数の実績達成』という面倒くさい条件だったからだが……しかし、得るものは少しあった。

検討はついていたが、実績というものを達成すると、その者には『因果すら無視する』恩恵が与えられるのだ。

いや、因果は少し言い過ぎだが、言うなれば、『その者の先にある凡ゆる可能性の最適解』に一瞬で辿り着ける、そんな恩恵。

努力もせず、辛くもなく、熱もなく……欲しい物が手に入る。まぁ、身に余る力を維持出来るかは本人次第だけど。

因みに、僕を横で見ていた封は特に何も言わなかった。メニューが見えるようになった事も未だに説明してないので、さぞや奇行に見えただろう。別にいいけど。


——そして、昼休み。


人の目が無い場所……定番は体育倉庫だが、その辺は意外と出入りも多いし、開放されてる屋上も人気スポット、校舎裏などもゆったり出来ないから論外だ。

そも校内ならどこに居ても封に見つかるだろう。アイツは、何故か僕の行動を邪魔したがる。

それらを踏まえて出した結論——その場所とは。


「ま、まさか学園から抜け出して『私の家』に来るだなんて……」

「たまに学校サボるのも青春よ。まぁサボりじゃないけど」


僕はそのまま『無断でサボろう』と唆したのだが、彼女が『せめて体調不良の早退扱いで』とゴネたので、しょうがなく譲歩した。サボった背徳感がたまらねぇのに。

あ、そういえば、チラリと耳にした情報の通り、仙女ちゃんちは金持ちだった。

デカイ門とデカイ敷地とデカイ家と可愛いメイド達。

付添人として彼女の家の車に乗ってやって来た僕を、メイドらは歓迎してくれた。『友人を連れて来るのは久し振りだ』という。


で、現在地は仙女ちゃんの部屋。

本棚、化粧台、ベッド、PC、ゲーム……広めだが、必要最低限のものしか置かれていないミニマリストな部屋で。

いかにも『私は無趣味でつまらない女ですよ』とアピールしているような内装。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ