表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

僕の行く先に君はいないけど

作者: 奈穗23

駅のホームにいる。


君は向かいのホームにいる。


表情は、前髪で隠れてよく見えない。

泣いているだろうか、それとも。


自分のいるホームに電車が来る。

僕は勇気が出せずに乗ることが出来なかった。

電車が発車すると、向かいにいる君は誰かを呼んでいた。


僕の名前ではない名前を。


返事をしながら、男が君の元へ行く。

今度は君の表情がはっきり見えた。

君の目の前に電車が来た。

君は、男となんの躊躇いもなく電車に乗った。

そして呆気なく、君はどこかへ行ってしまった。


駅のホームにはもう僕以外いない。

再び、僕の目の前に電車が止まる。

今度は乗ることにした。

少ないが、何人か乗っていた。

僕は席に着いた。

定期的に音を出す電車に心地よさを感じ、少し眠ることにした。

意識が朦朧していく中で、君の顔が浮かんでくる。


君の最後の表情。


もう会うことは無いだろうというのに、不思議と悲しくは無かった。

次に目を開けたら、どんな景色が待っているだろうか。


君とは反対に行く電車に揺られながら、僕はそんなことを考える。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 何か行動を起こさないで見ているだけだったという辺りが、主人公の内面から受ける印象と一致していた。 [気になる点] もう少し場面の描写が欲しいところ。 [一言] 内面に偏った話でしたので小説…
[一言] 拝読いたしました。 切なくなる文章でした。 彼女とは反対向きの電車に乗る、という描写が特に切なさを表現していると思いました。
2018/06/27 06:05 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ