7/11
スイコウ先輩、ごめんなさい
私はスイコウ先輩に何を期待していたのだろう。
実に自分勝手な期待だということは間違いない。
ただの職場の先輩に、友達でもない年下の男性に。
自室で電気も点けず学習机に座り、私は頭を抱えた。
着替えてないので漂白剤と、洗剤が私の手や服から匂い立つ。
無性にスイコウ先輩に謝りたい。
土下座もやぶさかでない。
心の片隅で、ラノベ派なスイコウ先輩に文学崩れな私のゴミ以下な文章でドヤ顔していた。
そして、あわよくばスイコウ先輩に尊敬してもらいたかった私はクズだ。
認めてもらいたかった。
ただ、それだけだったのに。
私は汚れていやらしい人間だから、スイコウ先輩に無理をさせていたのだ。
スイコウ先輩、ごめんなさい。
スイコウ先輩、すみません。
スイコウ先輩、私を嫌わないでください。
スイコウ先輩、私のクズ文学なんか読まなくていいから……
スイコウ先輩、私と……
スイコウ先輩……また仕事以外のおしゃべりしてください。