表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/11

朝の休憩室

「もうええわ、お腹いっぱいや」


「………」


スイコウ先輩は私がリュックの中から取り出したスマホを見た途端、目線をあさっての方向へ向け片手を上げた。


「そんな……」


私はザーッと血の気が引き、思わずスマホを落としそうになる。


「………」


スイコウ先輩は短くため息をつき、今日の清掃計画が印刷されたプリントを眺めていた。


「先輩」


「………」


「スイコウ先輩……」


私の声は震えてる。

スイコウ先輩に拒絶され、恐怖と不安で身体と思考が固まる。

でも、まだどこかで期待してるから、スイコウ先輩を呼ぶのだ。


「………」


「スイコウせんぱ……」


スイコウ先輩がプリントから私へ目を移動した。



音も無く私の胸に何かが貫通する。



スイコウ先輩は目だけで人を殺せるらしい。




「サトちゃんの書くもんは俺には訳がわからんのじゃ」


「………」


「訳がわからんもんを無理に読むのは苦痛でしかない。サトちゃんはエンタメバリバリの異世界魔法ラノベ、楽しく読めるんか?」


「………」


私は何も言い返せない。


「そーゆーことや。無理強いせんといて」


「………」


私はその日、そっからの記憶が全く思い出せない。

気がつくと家の玄関に、連日残業続きの両親が帰ってくるまで座り込んでいた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ