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クロ子のバレンタイン

基本的に番外編は茶番です。

作者が悪ノリしてますが気にしないでください。

「……今年も来たな」

「そうだな」

「…………お前はいいよなハーレムだから!」

「は?」

「毎年毎年かわいい女の子に囲まれてチョコもらってさぁ!羨ましいよコンチクショウっ!」

「……あぁ、そういう事か」

「そういう事だよ!ってことで1個くらい分けてくれよ!」

「別に俺は構わないが、作った方はどう思うんだろうな」

「ぐぬぬ、わかってるよ」

「…そんなに欲しいのか?」

「貰ってる奴はこれだからっ!」


 ガルル……と聞こえてきそうな顔で睨むレニアス。

 いや、まぁ……確かに貰ってはいるがそんなに羨ましがるものでもないだろうに。……あぁ、この発想がダメなのか。


「何なら俺が作ってやるぞ?」

「作ってくれるのはありがたいがホモチョコはいらん!」

「ホモってお前……まぁいいが」


 そこで、何か思い出した様でこちらに向き直る。


「そういや、今年も世界樹いくのか?」

「あぁ、今年は行かないらしいぞ」


 素材に頼りすぎたとか言ってたな。今年は自分の腕で勝負するっ!だそうで。


「なるほどなぁ……ホントになんでお前だけそんな……」

「何故そこで泣く。お前も頑張ればいいだろう?」

「………」

「睨むな。あぁ、お前はクエスト言ってばかりだから頑張っても無駄か」

「うるせぇっ!どうせ脳筋には出会いがないんだよぉぉぉ」


「……なぁ、そろそろ帰っていいか」

「あぁ……愚痴って悪かったな」




 なんてレニアスと話し、とうとうバレンタイン。


「………は?」


 ーー俺は女になっていた。


「おっはよ〜!……ってえぇ!?」

「あ、あぁ。おはよう」


 いつものように勝手に侵入してきたリリアもあまりの光景に驚愕している。というか驚かない方がおかしい。


 しばらくして落ち着いたようなので、俺から話を振ることにした。


「原因解るか?」

「わかるわけないでしょ。でも、夢で何が起こっても無害で、こういう日だけの事だから楽しみなさい。みたいな事言われた」

「………つまり、イベントの日はこうなる……と?」

「た、たぶん」

「夢じゃないよな?」

「夢じゃないね」


 2人で沈黙する。


 しばらく固まっていると、いつまで経っても出こないのを心配したのか、部屋がノックされた。


「どうしましたか?」

「ええと……それが……」


 なんて言えばいいのか悩みつつも、とりあえずその場は誤魔化しておく事にしたようだ。



 その後、一部の者以外に知られないようにして、すぐに支度をして家を出る。

 黒天は多少デザインが丸くなった程度で、問題なく使えた。


 ……ほんと何なんだこれ。

 普通、ま、いっか。とかできないからな!?想定外というか理解不能というかそういう事態で開き直るとか無理だぞ?


「ちょっと! 飛びながら騒ぐのやめてよ?それに大丈夫だって言ってたし大丈夫だって」

「例の神託か?」

「うん。みょーに信用できるんだよねぇ、さすが神サマ」

「それでいいのか……?」

「いいんだよそれで」


 上でケラケラと笑うリリア。

 まぁ、リリアがそういうならいいか。


 無闇に人目につくのもあまり良くないので、いつものメンバーを呼び直接生徒会室まで飛んだ。

 で、軽く説明したところだ。


「いいじゃん面白いし!」

「相変わらずだかお前は軽いな」

「本人たちが納得してるならそれでいーんだよ♪周りがいろいろ言うだけ無駄でしょ?」

「お前は時々いいこと言うよな」

「いつも言ってるじゃん!」


 言ってるか?

 周りを見ると……全員首を振る。勿論横に。


「みんなひどいねっ!?」

「今更だろ」

「いやまぁ、そうだけどさ」

「それにしても、本当に皆さん気にしてませんね」

「マスターはどんな姿でもマスターですからね」


 そういえば、いつの間にかマスターに戻っているが……まだいいか。


「そうですね。外見が変わったとしてもクロさんはクロさんですから」

「だな!クロはクロだ!」

「……そうか」


「まぁ、それは置いといて、だ」


 先日もバレンタインの事を話したレニアスが腕を組み、軽くニヤリとする。


「チョコ作ってくれるって言ったよな?」


 ……あぁ、言ったな。だがあの時は。


「ホモチョコはいらないんじゃなかったか?」


 バンッ!


「それはクロが男だったからだ! だがっ!今のお前は男じゃない!」

「………そうなるのか」

「そうなるんだ。ってことで頼むぜ」


 身を乗り出し、堂々とチョコくれ宣言をする級友に呆れつつも賞賛を送る。

 正直にチョコくれ!何て言う奴はそうそういないだろうしな。逆に凄いと思う。


「わかった。今から作ってくる」

「あ!僕の分もよろしく!」

「私の分もお願いしますっ」


 そこで黙っていないのがコイツらな訳で。

 アルさんは大人の余裕、といった様子で私の分は別に。なんて言っているが、リリアも含む他のメンバーは完全にもらう気満々である。


「はぁ。全員分作るから待ってろ」

「ありがとー!」

「私手伝いますね」

「期待していますよ」

「必要な物があれば言ってください」

「助かる。フィリムの分は雑でいいな」

「やだなぁ、冗談に決まってるじゃん。何すればいいのかなー?」



 〜その後、チョコを溶かし色々混ぜて成型。今は冷して、あと数分もすれば完成だ。


 ドジっ子属性持ちなんてものいない上に、邪魔をしてチョコの味が悪くなるのを恐れたのか、茶番も無く、本当にただチョコを作っただけだ。


 あと少しだというのに待ちきれないのかフィリムがそわそわしている。

 レニアスは……平静を装っている様だが隠しきれていないな。

 他のメンバーは大人しく待っている。


「まだー?」

「もう少しだからおとなしくしていろ」

「はーい。……あ、今更な事言っていい?」

「なんだ?」

「折角長身ロングのカッコいい女の人ーって感じになったのに言葉遣いとか変えないの?」

「本当に今更ですね」

「別にいいんじゃないか?違和感しか感じないだろうし」

「そうですね。クロが私は〜なんて言い出したら気持ち悪いですよ」

「それもそっか」

「お前ら……まぁいい。出来たぞ」


 皿の上に半円球のチョコを並べていく。

 自画自賛になるが、なかなか上手く出来たな。


「美味しそうだね!」

「あぁ、少し待ってくれ」


 チョコを幾つか取り、材料と一緒に買っておいた小袋に入れてリボンで縛る。


「形だけだが、まぁ受け取れ」

「へ……あ、あぁ」


 先程までのテンションはどこへやら。恐る恐る、といった様子で小袋を受け取る。


 困惑気味の表情が、やがて嬉色へと変わっていく。


「ありがとう!心の友よ!」

「どこのガキ大将だ」


 両手でしっかりと手を掴まれ大袈裟に感謝されるが、やはりたかがチョコに何故そこまで熱くなれるのか解らないな。


「あぁ、もう食べていいぞ」

「わーい♪」

「いただきますね」

「ありがとうございます」

「いただきます」


「それじゃ、僕達からもチョコあげるねー」

「レニアスさんもどうぞ」

「あ、ありがとうごさいます!」

「私からもあげるねぇ★」


 後ろから突然チョコが差し出される。

 その先にいるのはマーベル。


「マーベル、いつの間に」

「チョコ美味しかったよ。可愛くなったクロちゃんも見れたしね★」

「あぁ、そうか」


 それだけ言うとまた出ていった。


「……バッてきてバッてどっか行ったね…」

「ただ渡しに来ただけなんでしょうね」

「俺の分は-「無いぞ」-だよなぁ」

「さて、チョコも渡したことですし。お茶にしますか」

「結局そうなるのか」

「いつもの事ですね」

「いいんじゃない?」

「あ、私手伝いますね」


 いきなり女体化したりと理解不能な日だった筈なのだが、結局いつもと変わらない日常だったな。


「また夏とかもこんなことになっているかも知れないよ?」


 横に来ていたリリアがそっと呟く。


「ありそうで怖いな。そうなったら海にでも行くのか?」

「そうなったらクロもビキニだね♪」

「断る」


 中身は男とか誰が見るんだそんなもの。


「ほらそこ、いちゃついてないでこっち来なよ〜」

「「いちゃついてない」」

「はいはい。せっかく入れたんだし冷める前にほらほら」

「そうだな」

「というか、そこまで離れていませんよね」

「テーブルこっちにしかないんだからさ、文句言わないの!」

「フフッ。解っていますよ」




 ちなみに、翌日はちゃんと体は元に戻っていた。

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