表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君と共に……  作者: 時刻
8/13

第7話 同僚と……

先月はこちらの諸事情により、投稿出来なかった事をお詫び申します。今回から通常通り、月1更新にしたいと思います。

―城下町・町酒場『ラージュ』―h

 あれから数日後、シャーシェスは仕事を終え、城下町の大通りにある町酒場にやって来た。シャーシェスが中に入ると、何人か見知った顔が話しかけてくる。

「おう、シャーシェス、結婚したんだって?」

「いつの話だよ……」

「何でも、美人の奥さんらしいじゃねぇか、羨ましいぜ、この野郎」

「あはは……」

 シャーシェスは適当に返事だけすると、真っ直ぐにカウンター席に向かう。そこにはファンナとサラがいた。

「やぁ、シャース」

「久しぶりだな、シャーシェス殿」

「ああ、本当にサラは久しぶり」

 シャーシェスは席に座ると、適当にワインとつまみを頼む。そして、酒場のマスターがそれを持ってくると、シャーシェス達は乾杯する。

「もう、そろそろ一ケ月か……」

「おお、もうそんなか!」

「俺からすれば、まだ一ケ月だけどな」

「ん?何かあったのか?」

 少し疲れたような表情になりながら、シャーシェスはワインを一口、飲む。

「いやぁ……父上達に孫はまだかって言われてさ」

「「ぶっ!?」」

 ファンナとサラは思わず、吹きかけるが何とかこらえる。

「い、いくらなんでも早すぎるのではないか?」

「ああ、俺もリンナもそうは思っているんだが……」

 シャーシェスはその後の事を思い出し、顔を真っ赤にした。

「ん、どうしたのだ?シャーシェス殿?」

「い、いや、その……」

 シャーシェスはごまかすように、グラスを口に傾ける。

「……そういえば、シャース」

「ん、なんだよ?」

「正直に言ってくれ、リンナとはどこまで行ったんだ?」

「えっ!?」

 シャーシェスはファンナの突然の質問に狼狽する。

「い、いきなり、何だよ」

「兄として、気になる所だしな……」

「いや、まぁ……一応、夫婦の営みぐらいは……」

 シャーシェスがそう言うと、ファンナとサラは体中に稲妻が走った。シャーシェスは恥ずかしそうな表情する。騎士団にいた時には考えられない表情だった。

(しゃ、シャーシェス殿があ、あんな表情をするとは……)

「そ、そうか……そうだよな」

 何故か、ファンナは落ち込みながら、グラスを口に傾ける。

「それより、何か進展はあったのか?」

「「……!」」

 シャーシェスはそう言うと、二人は真剣な顔になる。

「ガラードの仕業なのは分かるんだが……何人か捕まえても……」

「死んだのか?」

「……」

「俺もこの前、リンナを襲った暗殺者を捕まえたんだが、いきなり血を吹き出して……」

「僕達の方もだ……まるで……」

「証拠を消す為に呪いみたいのがかけられているみたいに……」

 シャーシェスは苦々しい表情になる。これではリンナは常に狙われる。

「だが、少しずつでも、証拠は集める。妹のリンナに手を出そうとした奴は許せない」

「頼むよ……リンナは俺が守る」

「私も出来る限り、協力する」

「ああ……」

 シャーシェスは頷くと、とりあえず真剣な顔から少し微笑んだ。

「まぁ、とりあえず、今日は飲もう」

「ああ、そうだな」

 こうして、三人は昔話しながら、飲み明かした。 


 夜、酒場から帰って来たシャーシェスは少し酔っているのか、フラフラしていた。

「少し飲み過ぎたか……」

「だ、大丈夫ですか、シャーシェス様!?」

 リンナはシャーシェスを心配しながら、駆け寄る。

「ん……?ああ、リンナ、ただいま」

「あ、お帰りなさいませ……じゃなくて、フラフラして、どうしたのですか?」

「いや、ファンナとサラと一緒に飲んでいただけだ……」

「もう、お酒もほどほどにしてくださいね」

「ああ、分かっているよ」

「では、寝室まで付き添いますね」

「そうだな、お願いするよ」

 リンナはそう言うと、支えるようにして、さりげなく腕を組む。そして、そのまま二人は寝室に向かうのであった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ