第4話 買い物
本当に月1投稿になりそう……しかも短いし……。
―城下町・商店街通り―
翌日、シャーシェスとリンナは国一番の賑わいを持つ商店街通りに来ていた。この通りは貴族も平民も
「ここはいつ来ても凄いな」
「ええ、凄くに賑わっていますね」
シャーシェスは少しはしゃぐリンナを見て微笑んだ。二人共、外出用の服装を着ており、シャーシェスは貴族が着るようなものではなくどっちかと言えば、平民が着るような服を着ていた、そして、腰には相変わらずの剣を携えていた。リンナは外出用のドレスを着ており、髪はサイドポニーで纏めていた。
「どこに行きましょうか?」
「そうだな……」
シャーシェスはどこに行こうか、考えている。すると、一件の店が目につく、服屋らしく、そこはシャーシェスの知り合いがやっている店だ。そこでシャーシェスは少し考える。
「じゃあさ、あの店に行くか」
「え、あの店って……」
「ほら、行くぞ」
シャーシェスはリンナの手を握り、その店に向かう。
「こんにちは〜」
シャーシェスは店に入ると、目の前にいた服を見ている夫婦はシャーシェスとリンナを見つけると、笑顔になりながら、駆け寄る。
「シャーシェス、久しぶりじゃないか」
「それにリンナちゃんも綺麗になったわね」
「ラーセルさん、お久しぶりです。夫人も変わらずに」
「お、お久しぶりです!」
ラーセル・オースカーはこの国一番の仕立て屋であり、彼が仕立てる服目当てに来る人も多い。
「それで、どうしたんだい?珍しく、二人でお出かけなんて」
「え、ああ、結婚したんですよ……昨日、リンナを迎えました」
「おお!そうか!それはめでたいな」
「なぁに、それじゃあ、リンナちゃんに服でも買ってやろうってかい?」
「ええ、まぁ、そんな感じです。夫人ならリンナに似合う服を見立ててくれるでしょうから」
シャーシェスは笑いながら、言うと、リンナは少し、顔を赤くする。
「それじゃあ、しばらくかかるだろうから、旦那とでも話していってね。リンナちゃん、こっちにいらっしゃい」
「え、あ、はい……よろしくお願いします」
そう言って、リンナは夫人と共に店の奥に向かった。そして、シャーシェスはラーセルと二人となり、話をすることになった。
「しかし、君が結婚とは時の流れは速いものだ」
「そうですね……」
「それより、シャーシェス」
ラーセルは心配するような顔になり、シャーシェスはそれを見て、頭を傾げる。
「君はどうして、騎士を辞めたんだい?君ぐらいなら、まだ……」
ラーセルがそう言うと、シャーシェスは目を見開く、そして、まるで自分が自虐したような表情になり、俯く。
「ちょっと……嫌な事がありましてね、こればっかしは騎士としてやれる自信がなくなったんですよ」
「……それで今の稼業かい?」
「ええ、堕ちた騎士にピッタリな末路じゃないですか」
シャーシェスは空笑いすると、殺気を感じ取った。
「これは……殺気!?」
「何?」
「キャアアアアア!?」
店の奥からリンナの叫び声が聞こえ、シャーシェスとラーセルは店の奥へと駆けつける。そして、そこにいたのは黒ずくめの男と怯えるリンナとリンナを庇い、腕を怪我している夫人だった。
「くそっ……!ここまで襲ってくるかよ!いくらなんでも、いすぎじゃないか!?」
シャーシェスは剣を抜き、リンナと夫人の前に立つ。そして、剣を構えながら、目の前にいる男に話しかける。
「お前!リンナを狙う暗殺者だな!」
「……」
「わ、私を……?なんで……?」
黒ずくめの男は何も答えず、シャーシェスに襲い掛かる。
「甘いんだよ!!」
「ぐはっ」
シャーシェスは迫りくる短刀を受け流し、男の腹に蹴りを一撃加える。
「悪いが、今回は余裕ある方だからな!捕まえて尋問してやるよ!」
シャーシェスは暗殺者を捕まえる為、走る。暗殺者は咄嗟に動けず、シャーシェスに捕まえられてしまう。
「ぐっ!」
「さぁ、話してもらうか!お前の雇い主をな」
シャーシェスは強い口調で暗殺者を問いただそうとする。すると、暗殺者の様子がおかしい。
「うぐっ……がはっ」
「……?どうした、そこまで締めてはいないはずだが?」
「ぐるばっ!?!?」
「なっ!?」
暗殺者が突如、吐血し、そのまま、息絶える。シャーシェスは掛かった血を拭いながら、そっと、暗殺者を離した。
「くそっ!口封じか!」
シャーシェスは悔しがる。リンナは怖がり、夫人に抱きついたまま、震え、夫人はそんなリンナをあやすように抱きしめる。
「大丈夫よ、リンナちゃん、もう怖い人はいないわ」
「は、はい……」
「お前、腕は平気か?」
「ええ、大丈夫よ、かすり傷程度だから、少し手当すればいいだけよ」
「そうか、それは良かった」
シャーシェスはリンナの元に向かい、そして、リンナはシャーシェスに抱きつく。
「シャーシェス様、何故、私が狙われて……?」
「大丈夫だ、リンナ、お前は俺が守る」
「で、でも、私のせいでオースカー夫人は……」
怯えるリンナにシャーシェスはただ、抱きしめるしかないのであった。
その後、リンナの服は後日、ミシューカの屋敷に送ると言う事になり、シャーシェスとリンナは屋敷に戻った。リンナはそのまま、部屋に戻る。カナリアも付いているので、少しは安心できるとシャーシェスは一息つく。カナリアも騎士顔負けの剣術を持っているので、護衛も出来るのである。
シャーシェスはハザードの部屋まで行く。報告する為である。
「うむ、では、やはり?」
「はい、今ではカナリアに任せてありますが、このままではきついかと思います。まぁ、それでも、俺は守りますがね」
「そうだな、剣術道場で師範代をやっているお前なら、行けるだろう」
「歴代の騎士団長にお褒めに預かり、光栄でございますよ、父上」
「言うようになったではないか」
シャーシェスの言葉にハザードは微笑む。
「……やはり、悔しいのか?騎士を辞めさせられた事を……」
「過ぎた事です。俺は今、墜落した元騎士、現師範代ですよ」
そう言って、シャーシェスは部屋を出る。ハザードはシャーシェスの力になってあげられない自分に無力さを感じたのであった。
シャーシェスが廊下を歩いてると、向こう側からリンナとカナリアがやってくる。
「リンナ……部屋にいろっていっただろう?」
「ご、ごめんなさい……でも……」
「はぁ……」
「申し訳ございません、シャーシェス様、リンナ様がどうしてもと……」
「ああ……分かった分かった。ほら、部屋に戻るぞ」
「はい……シャーシェス様」
シャーシェスはリンナの手を取り、自分達の部屋に戻って行ったのであった……。
そろそろ、キャラ紹介をしなくては……