第3話 初夜
投稿ペースですが、最低でも月1には投稿したいと思います。
―ミシューカ家・シャーシェス・リンナの部屋―
夜、結婚祝いの宴は終えて、入浴を終え、寝間着に着替えたシャーシェスは自分の部屋にいた。一人で使うには広い部屋であった。前まで使っていた部屋とは違う部屋で、リンナと一緒に使う部屋であった。
「休みは明後日まで取ってはいるから、明日はリンナと商店街通りにで行くか……」
明日の予定を立てつつ、剣の手入れを行う。すると、部屋の扉を開く。そこには長袖のワンピースタイプの寝間着を着ており、綺麗な髪も少し濡れている。
「あ、あの、シャーシェス様……」
「おう、来たか……」
お互い照れているのか、顔を赤くしながら、目を逸らす。
「その……今日から……」
「ああ、よろしく頼むな、明日は商店街通りに行くけど、いいか?」
「は、はい、大丈夫です……」
「そうか、それじゃあ、寝るか……?」
シャーシェスがそう言うと、ベッドに座り込む。その瞬間、リンナはシャーシェスに近づく。
「どうしたんだ?」
シャーシェスは怪訝そうな顔になった瞬間、リンナはシャーシェスに抱きついた。その行為にシャーシェスは驚く。
「り、リンナ?」
「嬉しいです……」
「?」
その言葉にシャーシェスは頭を傾げる。
「シャーシェス様の妻となれて、私、嬉しいです」
リンナがそう言うと、シャーシェスは思わず微笑んでしまう。
「……そうか」
シャーシェスは優しくリンナの頭を撫でる。リンナは気持ちよさそうに目を細める。
「ふわぁ……シャーシェス様、くすぐったいです」
それを見て、シャーシェスは思わず、顔を赤くした。
(やばい……可愛い)
そして、その様子を見たリンナは頭を傾げる。その仕草もシャーシェスには可愛いと思った。
「ま、まぁ……ともかく、これからよろしくな」
「はい、よろしくお願いします」
ニッコリと笑うリンナに何度目になるのか、シャーシェスは悶絶させれる。
(だから!可愛すぎるだろう!)
理性がおかしくなりそうで、シャーシェスは顔をかなり赤くする。それを見たリンナはさらに頭を傾げる。
「シャーシェス様?」
「な、何だ!?」
「ひゃう!いきなり、大声出さないでください」
「す、すまない」
「もう……」
リンナは少し不機嫌な顔になると、シャーシェスを突如、押し倒す。
「なっ……!?」
「ふふ、隙ありですよ〜」
ちょっと意地悪そうな表情を浮かべるリンナに戸惑うシャーシェス。油断していたのか、反応できず、押し倒されたのであった。
「り、リンナ?」
「何ですか?」
シャーシェスはとある事を忘れていた事に後悔していた。リンナは普段、おとなしい心優しい少女なのだが、心を許した人になるとたまに意地悪をするようになるのであった。
「シャーシェス様、愛していますよ」
リンナはシャーシェスにそう言うと、顔を近づける。そして、シャーシェスはリンナがしようとしている事が分かり、それを受けて入れる。
「俺も……ん」
「ん……」
リンナはシャーシェスの口を自分の唇で塞ぐ。甘い刺激がシャーシェスを襲い、リンナもなるべく隙間を埋めるように密着する。そして、静かにリンナは顔を離す。
「えへへ……」
「たくっ……お前は……」
口元を抑えながらシャーシェスはリンナを抱き寄せる。
「愛しているぞ、リンナ」
「はい……」
リンナはシャーシェスに身を任せながら、寝る。そして、シャーシェスはリンナが風を引かないようにするために、一緒に布団を被る。そして、そっと、リンナを優しく抱きしめる。
(絶対に守って見せるからな……リンナ)
―『フェリン』国城・騎士団宿舎―
妹を見送ったファレンは普段寝泊りしている騎士団の宿舎に来たのであった。ファレンの職業は
「ふぅ……何とか、見送れたし、シャーシェスがいるから大丈夫だろう」
「何が大丈夫だって、ファレン殿?」
するとファレンに話しかけてくる女性がいた。青髪碧眼の女性で、どこか真面目な雰囲気があった。
「サラか」
女性の名前はサラ・ミルシャスカ。ファランとは同期の女騎士で自分にも他人にも厳しい事で有名だ。
「ここ、一週間、いきなり休暇を取ると言った時はどうしたかと思ったぞ」
「いやぁ、リンナがシャーシェスと結婚するから準備する為にね……」
「ああ、シャーシェス殿とリンナ殿が結婚するのか」
「というか、もう、あっちに行ったよ」
「そうか……それはめでたいな。それよりも、ガラードの奴はどうするんだ?」
「どうするも何も証拠を集めるさ、妹に危険な目を合わせた罰を受けさせるさ、それに……」
「シャーシェスの事か……」
「ああ、ガラードと上層部のせいでシャーシェスは……」
ファランが俯いていると、サラはポンッと肩を置く。
「大丈夫だ、シャーシェス殿だって、ただでは起きなさいさ」
「そうさ、それに……今のシャーシェスはガラードの刺客なんかに負けやしないさ」
そう言って、ファランは笑みを浮かべたのであった。
―ミシューカ家・シャーシェス・リンナの部屋―
シャーシェスがリンナを守るように眠っていると、ふっと目が覚める。
「殺気……」
シャーシェスはリンナが起きないようにベッドから出ると、ベッドの下から短刀を取り出す。
「出てこい……分かっているんだよ」
すると窓が静かに開き、黒装束の男が現れる。
「おやおや、気配を完全に消したと思ったがな……」
「殺気までは消せなかったようだな」
「まぁいいです。まずはあなたの命を取り、そして、そこにいる御嬢さんの命も……」
その瞬間、シャーシェスは黒装束の男を組みかかり、一気に外に出る。
「ぐっ!?」
「喋り過ぎだ、三流が」
「己っ!?」
黒装束の男が抵抗しようとすると、胸元に短刀が突き刺さる。
「がふっ!?」
「悪いが、こういうのは一撃必殺の方がいいんでね……」
「ば、馬鹿な……貴様、ただの武道に長けた貴族では……ごふっ」
直前で避けたのか、即死にはなっておらず、しかし確実に致命傷を負っていた。そして、シャーシェスは何も答えず、ただにニヤリと笑う。そして、黒装束の男を地面に叩きつける。
「ぐはっ……くっくっくっ……そうか……貴様も……」
シャーシェスは何も言わず短刀を黒装束に突き立てようする。
「ふっ、何も言うまい……俺も……ここまでの……人間……だったまで……さぁ、やれ」
シャーシェスはそれ以上、何も言わず、短刀を突き立て、トドメを刺した。そして、黒装束の男は息絶えた。
「……ラーク」
「こちらに……」
突如、影からラークが現れる。
「……弔ってくれ、丁重にな」
「承知致しました」
「さて、リンナが起きる前に戻るか」
そう言って、シャーシェスは自室に戻って行ったのであった。
キャラ紹介はもう少し後になります。