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第1話「私達が魔法少女!?最強の魔法少女?ウィッチ☆プリンセス誕生」

「それにオレは幽霊じゃなく、天使様だっ!」


「まぁ、天使様なんですか?凄いです~」


やさぐれうさぎの言葉に耳を疑った。て、天使…様?

おばけなら見たっていう人もいっぱいいるみたいだけど、天使を見たなんて人いないもん…。

何だか嘘くさいよ。


頭まで被ったお布団をちょっとだけめくって、そっと様子を伺ってみる。

凄く偉そうに仁王立ちしているやさぐれうさぎと目をキラキラと輝かせている愛美。


「まぁ取り敢えず先に服を着てくれ。説明はそれからゆっくりするからよ」


そう言うとやさぐれうさぎは耳で目を覆う。せ、説明って何だろ…私はまだ少しだけビクビクしながら、そーっと布団から出ると、愛美と一緒に服を着替えた。


「い、いいわよ」


「おう」


やさぐれうさぎはぴょんぴょんと素早い動きで、勉強机の上までジャンプすると、その場にドサッと腰を下ろしてあぐらをかいた。


そのやさぐれうさぎの前に私と愛美は正座をして座る。

うー、何なのよ、その偉そうな態度は!


私はまだ信じられないといった風にやさぐれうさぎを見つめていると、うさぎは軽く咳払いをして真面目な顔をして、私を見つめ返してきた。


「コホン…本当はオレは死んでいてもおかしくない状況だったんだか、オレは気付いたら、お前ん家にいてこの姿形をしていた。瀕死状態のオレが何故ここに飛ばされて、このぬいぐるみに憑依したのかは分からん。ただお前から何か強い"気"を感じるんだよ…」


い、今『死んでいてもおかしくない』って言ったよー!しかも私には"強い気"があるって、それって…れ、れれれ霊感っっ!?

おばけなんて1度も見た事なんてないのにいつの間にーーー!


怖くなって、真剣に話を聞いている愛美に抱き付くと、うさぎは溜め息を着いた。


「…まぁ、いきなり天使だとか言われて信じられない気持ちは分かるが、取り敢えず落ち着いて聞け。今までオレ達天使が住む天使界は平和だったんだがな、ある日鏡の向こうにある悪魔界の悪魔達が結界を破って鏡を割り天使界に侵入してきやがった」


「んまぁ!不法侵入は犯罪ですっ!」


愛美は近くに置いてあったバッグから携帯電話を取り出して「警察に電話しますっ」と言って、本当に110番を押そうとしたところで慌てて止める。


「まっ、愛美!もう不法侵入された後だから、きっともう警察が調査に来てるわよ」


「それもそうですね。早く犯人が見付かればいいですね…」


愛美は凄く悲しそうにやさぐれうさぎを見つめる。なのにうさぎってば、私達を呆れた眼差しで見てるのよ?

ほんと偉そうなやつなんだからっ。


「お前らなぁ……はぁ、まぁいい、話を戻すぜ?でだ、奴ら悪魔は天使界までを自分達と同じように邪悪な心で支配しようとして、天使界を乗っ取ろうとしやがった…。オレは悪魔達からソフィア様を守れなかった…」


やさぐれうさぎは血が出るんじゃないかっていうくらい、手を強く握って、窓の外の真っ青な空をキッと強く握り締めた。


そんなやさぐれうさぎの様子から、この話は嘘なんかじゃない…そう思ったんだ。

そうすると先までのやさぐれうさぎの恐怖心が、段々と薄れていったの。


やさぐれうさぎはハッとした後また軽くコホンと咳払いをして、話を始めたの。


「オレとした事が…つい取り乱してしまったぜ…。その悪魔達は今度はお前らの人間界にまで自分達の物にしようとしている。人間が持つ欲望や恨みで世界を黒く染め上げようとしてやがる。そこでお前達、二人に頼みがある…」


やさぐれうさぎはそこで一度話を途切れさせると、私とじっと真剣に話を聞いている愛美を交互に見つめた後にゆっくりと言った。


「お前達二人に悪魔を退治して欲しい。いきなりですまないが、時は一刻を争う。このまま悪魔達を野放しにしていたら、この世界全ての人や物や動物が消え失せ、悪魔だけの世界になってしまう。美月、オレがお前の元に飛ばされたという事はお前のその強い力に導かれたんだと思う」


…突然のやさぐれうさぎの頼みに訳が分からなくて、私の頭はパニック状態で真っ白。

ど、どういう事なの!?な、何かのドッキリだったり…?


おろおろして何も言えない私の隣で愛美はキラキラと目を輝かせている。


「もしかして、それは変身して悪魔と戦うのですか!?魔法を使ったりするんですか!?」


「あぁ、まぁそうなるな。勿論オレがお前達を全力でサポートする!」


「ちょ、ちょっと愛美!どうしてそんなに乗り気なのよー!あ、悪魔と戦うのよ?どうやって戦えばいいのか分かんないよ…」


何とかなだめようとする私の両手をぎゅっと握って私の目を強い眼差しで見つめてきた。

うぅっ、その目はやめてぇ…断れなくなっちゃうよー。


「みっちゃん…私とみっちゃんなら大丈夫です!それにみっちゃんは運動神経もいいですし、二人でなら出来ます!」


そ、そんな事言われても、いきなりは受け入れられないわよぉ。そういえば愛美は日曜の朝放送してる変身もののアニメが大好きで毎週見てたよね…。

その影響なのかも…。


そのやり取りを真剣な表情で見ていたやさぐれうさぎは何かを決心したように呟いた。


「……勿論タダでなんて言わねぇ。無事悪魔を退治して、天使界を元に戻してくれたら何でも願いを叶えてやる」


…え?思ってもみなかったうさぎの言葉にピクリと反応してしまう。



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