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年下の小悪魔!?  作者: 水谷 順
本編
3/28

第3話  年下の彼、登場!

 次の日から、私はわき目も触れず仕事に熱中していった。

 希美や坂牧チーフが心配するくらい。


「もう少し、肩の力抜いて仕事しないと身体壊すよ」


 なんて言われたけど、今の私には仕事しかない。

 30女が一人で生きていくって決めたんだもん、弱音を吐いたらすぐに

 ガタガタと足元が崩れて言っちゃうよ。

 本当の意味で、私もそろそろ強い女にならなくちゃいけない。

 いつまでも希美に甘えてばかりもいられないし……。


 

 そんなこんなで、あっという間に三ヶ月が過ぎようとしていた。

 10月に入り、もう秋。とは言え、まだ汗ばむ陽気の日もあった。

 私はと言うと、あれから特に変わりもせず、仕事に重点を置く日々を過ごしていた。

 変わった事と言えば、主任ポストを任されるようになってからはしていなかった仕事……

『レジ係』をする日が度々あると言うくらいだろうか。

 思った以上に新入社員が辞めてしまい(私のせいではない…と思う)、

 シフトがうまく回らなくなってしまったのだ。

 元々、レジが嫌いだったわけでもないので、少しの時間でも手伝ってほしいと頼まれ、

 すぐにオッケーの返事をしてしまった。

 顔馴染みのおばちゃん達は、私のレジ復帰をとても喜んでくれた。


「咲ちゃんがレジにいると思うと毎日でも買い物に来たくなっちゃうわぁ」


「それは嬉しいですけど、あんまりお金使いすぎちゃダメですよ」


「でも私たちがいっぱい買い物した方がお店は儲かるじゃない」


「そうかもしれないですけど、私が儲かるわけじゃないし…」


 なんて言いながらとぼけた顔をして見せたら、おばちゃん達は大笑い!

 (何だか、こんな気持ち久しぶりかもしれないなぁ。)

 私は楽しいという思いで心が満たされていくようだった。

 すると次のお客様が私の顔をジッと見つめてから、ニコッと笑顔になった。

 私が「いらっしゃいませ」と言うと、そのお客様は、


「元気になったみたいですね。素敵な笑顔が見れて良かった」


 なんだ、この人?

 私を誰かと勘違いしてるのかしら?

 こんな若い素敵な男性、私、知らないんですけど?

 頭の中が?だらけになりながらも失礼のないように応対した。


「お客様に喜んでいただけて、光栄です」


 と、ペコっと頭を下げる。

 買い物カゴの中には、菓子パンと牛乳。(今日のお昼ご飯かしら)なんて思いながら、

 それらをすばやくレジに通し、


「250円になります」


 そう笑顔で告げた。彼も満面の笑顔で、


「はいっ」


 っと小銭を差し出した。

 その返事の仕方が妙に私のツボにはまってしまい、思わずクスッと笑ってしまった。

 すると彼は少し顔を赤くしたようだった。


「笑うことないのに……」


 ちょっと拗ねたように下を向いてしまう。

私は慌ててしまった。


「お客様、申し訳ございませんでした」


 そう言って頭を下げると、彼はいつの間にか笑顔に戻っていて、


「冗談です!」


 少しからかったように笑った。

 何なんだコイツ…と眉を顰めたが、あまりにも無邪気な顔して笑うんだもん。

 こっちまで知らない間に笑顔になって一緒に笑っていた。

 レシートを手渡し「ありがとうございました」と挨拶をすると、


「また会いに来ますね、花田さん」


 そう言って、彼はその場を去っていった。

 私は頭の中で彼が言った言葉をもう一度復唱していた。

 (また会いに来ますね、花田さん……?)

 そりゃ買い物くらい、また来るだろう。

 名前だって、ネームプレートが付いているから気付くよね。

 でも今の言い方って……。

 また私に会いに来るってことなの?

 ま、まさかね。そんなはずは万が一にもない…ハズだ。

 だってレジ係には、私なんかより若くて可愛い女の子が他にたくさんいる。

 わざわざ私に…私だけに会いに来るなんて。

 でも私の心はそんな気持ちを打ち消したいかのように、彼が帰って行った方をしばらく眺めていた。


 

 その日を境に彼は、本当に会いに来てくれるようになった。

 この前の言葉は間違えじゃなかったんだ。

 いつもだいたい同じ時間、菓子パンに牛乳かジュース、時々おにぎりにお茶をランチ用に買って行く。

 私は仕事中なので、いつも簡単な話をするだけだが、彼はとても楽しそうだった。

 でも私の方はというと……彼の行動がどうにも理解できなかった。

 見るからに年下の彼。年上の私をからかってるんだろうか?

 じゃなければどんな理由があって私に会いに来るというのだろうか。

 どうしても腑に落ちない私は、次のお客様がいない事を確認してから、意を決して彼に聞いてみることにした。


「いつも、ありがとうございます。少しお聞きしたい事があるのですが、よろしいでしょうか……」


 すると彼は、いつものようにニコッと笑って、小さな声でハイと言いながら頷いた。


「なんで私に会いに来てくれるんですか?他の誰かと間違えているとかじゃないです?じゃないとしたら、からかってるとしか……」


 私がそこまで言うと彼は慌てたように言った。


「からかってないですっ!そこは信用してほしいなぁ。本当に花田さんに会いたくて来てるんだから」


 な、なんですかぁ〜、その可愛い笑顔はっ!

 からかってなくて、私に会いたいって!? ……なんか急に恥ずかしくなってきた。

 それってもしかして、もしかすると……。


「私に気があるとか?」


 な〜んて、あるわけないない。

 はは〜ん、ちょっと冗談いってみちゃった(笑)

 そう思いながら笑って彼の方を見てみると、ちょっとだけ頬を赤くして少し怒ったような顔をした。


「なかったら会いになんてきません。花田さんが好きだから会いに来てるんです。今頃気付いたんですか?ちょっとショックだなぁ〜」


 ええええええぇぇぇぇぇーーーーーっ!!!

 こんな若くて可愛いイケメン君が、私に気があるってっ!!!

 ふぅ〜…ちょっと深呼吸して落ち着いて考えよう。

 どこでどういう事があって彼が私を気に入ってくれたかは分からないけれど、きっと何か勘違いしてるんだよ。うん、きっとそうだ。

 じゃなきゃ彼みたいな素敵な男の子が、よりによって私みたいな30女を……。

 イテテテテッ…。自分で言ってて胸が痛いわ。

 

「花田さん?何一人で考えてるんですか?咲さんっ!」


「あっ……すみません。って今、咲さんって言いました?」


「うん。いつも心の中では咲さんって呼んでたんです。ダメでした?」


「ダ、ダメじゃないですけど…私はあなたの名前も知らないわけですし」


「そう言えば、僕まだ自己紹介してなかったですね。すみません」


 そう言い、う〜んと何かを考え出した。


「咲さん、今日は何時に仕事終わります?今晩空いてますか?」


「今晩ですか?予定は何も入っていませんけど。終わるのは6時かな」


「じゃあ決まり!どこかで食事なんてどうです?その時に話しようよ。次のお客さん、来ちゃったし…ね?」


 そう言いながら私の耳元に顔を寄せ、小さな声で囁いた。


「終わったら西駐車場出入り口の辺りで待ってて」


 そう言ったかと思うと、私の耳朶にチュッと柔らかいものが触れていった。

 私がそれを唇だと気付いた時にはもう、彼は自動ドアから外に出るところだった。

 早くしてと言わんばかりに次の客に睨まれながら、レジを通している私の顔は、きっと真っ赤に

なっていたことだろう。


 それからの私は、何をしていても彼のことばかり考えていた。

 あんな告白まがいの言葉を言われたからと言って舞い上がるほど、私は若くない。

 でも耳朶にチュッて…。チュッ…は反則でしょっ!!

 まぁ正直なことを言えば、悪い気はしない。と言うか、ちょっと嬉しいかったりして。

 少しばかし期待しちゃうじゃないかぁーーー。

 食事くらいは行ってもいいよね。私だって彼の名前くらいは知りたいし。

 そうだよ、お互いの事をもう少し知ってもらう為の食事会。

 どうせ家に帰っても一人寂しくご飯食べるだけなんだもん。今日1日くらいは、彼と食事しながら楽しい時間を過ごそう。きっと私の年齢聞いたら、もう食事に誘われる事もないだろうから……。


 今日はいつも以上に仕事をこなし、6時には退社できそうだった。

 遅番の担当に引継ぎをし、ロッカールームへと急いだ。約束の時間にはまだ余裕がある。何も慌てることもないのだが、心が勝手に私を動かしてしまうみたいだ。

 うぅ…私、舞い上がってるかもしれない。

 ダメだ、もう少し冷静にならないと……。

 ただ、食事するだけなんだから。今晩一回だけのことなんだから。


 10月も終盤にさしかかり、風が冷たくなってきていた。今日は薄手のコートを着てきていたので外で待っていても、それほどは寒さを感じなかった。

 ちょっとウキウキして身体が勝手に動いてしまうのを必死に押さえキョロキョロしていると、目の前にブルーの車が止まった。


「ごめん。待たせちゃったね」


 と言いながら車の運転席から下り、私のところまで来てくれる彼。そしてゆっくり助手席のドアを開 けてくれた。


「はい咲さん、どうぞ」


 背中をそっと押してくれる。


「あ、ありがとう」


 私はそう言って助手席に座った。

 彼はバタンッとドアを閉め、すぐに運転席に戻った。

 今、この狭い空間の中に二人っきりと思ったら、とてつもなく照れくさくなってきてしまった。

 俯いたまま、顔を上げられない。(どうした私?もうそんな事する歳じゃないでしょっ!)

 と一人モジモジしていたら、彼が私の右手を握ってきた。


「咲さん、今から照れてたら、このあとずっと照れる事になってしまうと思うけど、大丈夫?」


 私はパッと顔を上げ、彼の方を見る。

 (大丈夫って?このあと何をするつもり?)

 そう言おうとして、でも言えなくて、顔を真っ赤にしながら口をパクパクしていると、


「あぁ〜、何かやらしいこと想像したでしょう、咲さん」


 なんですとぉ〜〜〜っ!

 や、やらしいことって……。

 そりゃあ、私だって今まで付き合った人はいるし、処女じゃないし、乙女ぶるつもりはないけれど。

 初めて食事する人に、欲情するほど乾いた女じゃな〜いっ!!!

 握られたままの右手を振り払った。


「想像なんてしてません。ただ、貴方が言っている事の意味が理解できないだけです」


 そう言いながら、ちょっと怒った顔をしてそっぽを向いた。

 すると彼も少し反省したのか、ちょっと落ち込んだ顔をした。


「ちょっと意地悪しちゃいました。ごめんなさい。なんか僕の車に咲さんが乗ってるんだと思うと、すごく嬉しくなってきちゃって、つい…調子に乗っちゃいました」


 その言葉を聞いて、自分の行動の大人気なさに情けなくなった。

 そして彼の方にきちんと向き直って、ペコリと頭を下げた。 


「私の方こそ、ごめんなさい」


「咲さん悪くないから謝らないでよ。もう怒ってない?」


 私がコクコクと頭を立てに振ると、嬉しそうに笑って、


「じゃあ、もう一回」


 と、私の右手を握りしめる。


「じゃあ出発するよ。俺のお気に入りの店、予約しておいたんだ。居酒屋っぽい所だから大丈夫だと思うけど、咲さん好き嫌いある?あっ、お酒は飲めるよね?」


「好き嫌いもないし、お酒も大好き。楽しみだよ、ありがとう」


 笑顔でそう答えながら彼の左手をギュッと握ってみた。

 彼がピクッと反応したような気がした。

 しばらく車内はしんとしていた。

 少したってから彼があっと思いたったように口を開いた。


「軽く自己紹介しておくね。いつまでも名前の分からない男と一緒にいるのは嫌だと思うし。

 僕の名前は、野口翔平、25歳」


「25歳!?」


 やっぱり……。私より8つも下だよ。分かっていた事とは言え、ちょっとショック。

 自分の年齢、言うの嫌だなぁ。


「どうしたの?そんなビックリした声だして」


「ねぇ野口くん…だっけ?私の年齢知ってる?って知ってる訳ないよね……」


「うん、知らない。でもきっと年上だよね」


「そ、そうね、年上。聞いても引かないって約束できる?うぇ〜って思っても、頑張って顔に出さないでくれるかなぁ…。じゃないと立ち直れないかもしれないから」


 と予防線をしっかりと張ってから、彼に年齢を告げた。


「33歳。あなたより8つも上なの。ごめんね」


 はぁ〜、言ってしまった。きっと野口くん、がっかりしてるんだろうなぁ。

 そう思って彼の顔を見てみると、満面の笑みを浮かべて、


「何で謝るの?そっかぁ〜33歳なんだ。これでまた一つ咲さんの事が分かって嬉しいよ」


 えっ?8つも上なのに嬉しい?私の聞き間違いじゃないよね?

 納得いかず首を傾げていると、彼は赤信号で停まったとたん私の顔を覗き込んだ。


「今どき、年齢の事を気にするなんて。咲さんって、ほんと可愛いよね。でもちょっとショックかなぁ〜。俺が咲さんの年齢聞いたくらいで、引くような男に見えてたなんて……」


 うっ…顔が近いんですけどぉ〜。

 それにショックなんて言ってるわりには、ニヤニヤ笑ってるし。

 私にどうしろって言うのよっ!こんな状況、ドキドキするじゃないっ!

 もう限界ーーーっ!!!


「別にそんな風に見えてたから言ったんじゃないです。だから、ちょ、ちょっと離れてくれませんか。

 もうすぐ信号も青に変わっちゃうし……」


 両手で彼の肩をグッと押し、元の位置にもどした。

 それでも彼の顔はニヤニヤしている。もう、なに考えてるんだか……。

 青信号になり、彼はゆっくり車を発進させながら、


「やっぱり咲さん、俺の思った通りの人だなぁ。うんうん、可愛い」


 私は目をパチパチさせて彼の顔を見ていた。

 さっきから私のことを可愛い可愛いって……8つも上の女に可愛い連発はキツイでしょ。これは完璧に

私を使って遊んでいるとしか思えない。


「野口くん」


「野口くんはやめません?翔平で!」


「じゃあ……翔平くん?」


「あ〜、『くん』付けちゃうんだ」


「もう、さっきから何なの?年上からかって楽しい?」


「だから、からかってないです。う〜ん、でも咲さんの反応が可愛いから、止められなくなっちゃって」


「それが、からかってるって言うのっ!」


 8つ年下の彼に、翻弄されっぱなしの私って……。だって可愛いなんて言われる事自体が慣れてない。

 しかも年下イケメンくんになんて、生まれて初めての経験なんだから。

 はぁ…なんか食事するのが憂鬱になってきちゃったよ。


 そんなこんなで、目的のお店に到着した。駐車場の車を停めると彼はすぐに車から下り、さっと助手席側に移動して、ドアを開けてくれた。


「はい、お疲れ様」


 と言ってまた手を差し出してきた。

 あまりにもいつもの事のように手を差し伸べてきたから、私も何の躊躇いもなく手を差し出してしまった。彼が俗に言う『恋人繋ぎ』をしたのには少し驚いてしまったけれど、とても柔らかな彼の手の感触 に、私は身をゆだねる気分になってしまっていた。


 そのまま店に入っていくと、店長らしき人物が私達に気付いた。

「桂司、奥の個室空けてあるから」と言って軽く手を振り挨拶を交わすところを見ると、この店は彼の馴染みの店だと言う事が分かる。店員たちも彼と仲が良さそうだ。

「翔平さん、いらっしゃい」と一人の店員が声をかけてきた。彼も「おうっ」と返事をし、空いている方の手で店員と肩を組む。その後の彼と店員の話を私は聞き逃さなかった。


「翔平さん、彼女っすか?」


「うん、そう。これからは彼女もよろしくね」


「分かってますって。」


 ま、またいい加減なこと言って……はぁーとため息一つ、ここで『彼女じゃないです』と言うのは大人気ない。心の中では(こいつ、後で覚えとけよ)と思いながら、顔はニコッと笑顔を見せる。

 それを知ってか知らずか、彼もニコッと私を見て上機嫌に個室に向かった。


 部屋に入って扉を閉めると繋いでいた手を振り払い、すぐに彼に向かって文句を言った。


「さっきのあれは何?私はいつからあなたの彼女になったの?」


 ちょっときつめに言い放ったのに彼は相変わらず笑顔のままで座布団に腰を下ろした。


「咲さんも座って。話はそれから」


 いつまでも突っ立ってるわけにもいかないから私も彼の向かい側に座った。


「えっと…彼女の件だけど。僕が咲さんの事好きだから、彼女って言っちゃいました。ダメ?」


 う……可愛い。そんな可愛く『ダメ?』はルール違反でしょ!

  それにいきなり好きだなんて。まったく今の若いもんは……。なんて、おばちゃん臭いこと考えていたら、彼が向かい側から身を乗りだして私の顔に近づき見つめた。


「否定しないってことは、彼女でいいってことだよね?はい、決まり!」


「ね、ねえ…翔平くん。否定も何も、こういう事ってそんなに簡単に決めること?私達、まだお互いの事ほとんど知らないんだよ?もっといろいろ知ってか…ら……」


 話をしてる途中で彼の人差し指が私の唇に触れた。もうこれ以上は喋らせないと言うかのように真剣な 顔をしている。

 私はあまりの顔の近さと唇の感触に恥ずかしくなり視線を逸らした。

 すると彼が徐に口を開く。


「咲さん、彼女になってから僕の事いろいろ知って下さい。絶対に損はさせないから」


 彼の有無も言わせないような言葉に、私はすんなりと負けてしまった。きっとまだ、唇に彼の指が押し 当てられているのもその原因だろう。彼の瞳を見つめなおしコクンと一つ頷いた。


「良かった。それじゃあこれからよろしくね、咲さん」


 そう言って唇から指を離し、私の心をドキドキさせたま元の場所に戻った。

 なんだか唇が寂しい……。こんな事を思ってしまう自分に驚いてしまう。今日の私はどうしてしちゃっ たんだろう。

 魔法にでもかかったのか、彼の無邪気だけど強引な態度に翻弄されっぱなしだ。

 

 その後お酒を飲みながら美味しい食事をし話もたくさんした……と思う。

 少し前の出来事が頭から離れずドキドキが収まらない私は、いろいろな感覚がどこかへ飛んでいってし まっているようだった。

 そんな私でも一つだけ覚えていることがあった。それは終始、彼がとても嬉しそうに満面の笑顔だった こと。

 その笑顔に引き寄せられるかのように私もまた、笑顔になっていた。

 



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