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マグノリア
4人が歩き始めてから、2時間くらい経った。
「まだ何もねーな…」と、鉄大兎は疲れたように言う。
「黙れ雑魚。」
月光は他にも何か言いたそうだったが、馬鹿の相手をすると余計に疲れるので、言うのをやめた。
「何あれ〜?大兎、知ってる?」と、言ったのはサイトヒメアだった。
何というのは、近くの森にいた生き物たちだった。
「え!?あのヒメアが知らないの!?」
と、大兎はとてもびっくりした。なぜなら、サイトヒメアは《最古の魔術師》だからだ。何万年も生きてきて、たくさんの生物や魔法などをたくさんのたくさん知っている。そのヒメアが何〜?と、現代の建物やらを疑問に思うのは分かるが、よりにもよって異世界であるここのものを知らないなんて……
ということは、ここはまだヒメアでさえも行ったことのない世界。一体何があるんだろう…などと歩きながら大兎は考えているうちに、街が見えてきた…