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錦城宮編:談話

 錦城宮勢力域が他の地域からの隔絶を続ける中、錦城宮には賓客が訪れた。錦城宮と懇意にしている人間だけが通ることを許される門を通って、梨蒼城の主である墨源(ぼくげん)がやってきたのだ。

 墨源は休む間もなく書斎にて芍薬や春桜との面会を望んだ。

 芍薬は普段自らが座っている上座を墨源に譲り、春桜と隣り合って座りながら墨源の言葉に耳を傾けていた。

「梨蒼城では伯母上が籠城(ろうじょう)しているという知らせを聞いていたのですが、まさか本当だとは思ってみもみませんでした。いかがです? 初めての籠城で落ち着いていますか?」

「まあ、それなりに」

 芍薬は墨源にとっては妻の伯母に当たるが、彼の地位が牡丹郷の次期主であるがために、日頃の威勢のよさがほとんど出ないまま受け答えをしていた。その姿を見ながら、春桜は懸命に漏れ出る笑いをこらえていたが。

「そうですか。それならいいんです。ところで、最近寒桜地の動きが特に怪しくなっているとか。白扇が何者かに助けを求めたとも聞きます。まあ、誰にどんな助けを求めたのかはまるで分りませんが」

「春玉でしょうね。この点に関しては完全に私の推測ですが、寒桜地外で白扇が抑え込める可能性のある人間は春玉しかいませんし。それから内容に関してですが、おそらく千秋鏡のことではないでしょうか? 白扇が長年それを求めていることは城主もご存じのはずです」

「まあ、確かに。ですが、私といえども白扇が誰に協力を求めたのかまでは不明ですがね」

 芍薬が相槌をしようとしたところで、錦城宮の世話係をしている女が血相を変えて書斎へ駈け込んできた。

「皆様のお話を邪魔してしまい申し訳ありません。しかし、一大事が起きてしまったのです! 城主殿、宮主さま、春桜さま。白扇が反乱を起こしました!」


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