表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

起動

……システム検証中……


基幹言語……製作者の言語を参照


オペレーションシステム仮起動中……欠落を確認要修正求む

初期人工知能情報取得……構築中……


マテリアルデータ取得……


映像情報取得……カメラ未接続

音声情報取得……マイク一機を確認……接続完了

音声情報出力……スピーカー一機を確認……接続完了


情報保存媒体確認中……容量取得失敗

一時情報保存領域確認中……接続無し……512PBの共有情報処理領域確認……仮接続完了


主機稼働状態不安定……燃料及び主機周辺の環境が原因と確認改善求む


……システムイエロー……仮稼働状態は維持可能


制作者及び使用者の声紋を登録……登録用ワード受付中


『あー、あー……んっ、人の希望と星の未来……』


……認証完了


「ハローワールド、ハローマイマスター。」


『ん、ちゃんと起動したね、まず君の呼び方から決めようか。』


「質問、それは現状山積している問題を後回しにして決める事ですか?」


『もちろんさ、君の問題を解決するのには時間がいるけど、君の呼び方は今決められるからね。』


「御存知かと思いますが私の型――――」


『君の型式番号とか長くて呼んでられないから。

マテリアネイター式後期メシウス型ドミナジオニアス……えーっと、細かい番号忘れたけど呼び名にするには不適切だ。

そもそも、それは君という存在の土台ではあっても、君という卵はもっと別の者なんだから。』


「――――土台の例えで指し示すのは人における根幹であり、卵は未熟な者あるいは子供を指すものでは?」


『あー……こういうの説明するの苦手なんだけどなぁ……えっと……テセウスの……偽装船?

姿形はそのまま素材が全て入れ替わったテセウスの船……ではなく、姿形だけはとりあえずテセウスの船の型に寄せて作った船で中身は似ても似つかない全くの別物』


「言いたい事は把握しました、現代技術で数世紀前の船を装いながら、実際には最新の設備を利用した正真正銘の別物と。

しかしマテリアネイター式稼働機は昨年ようやく民間利用開始、後期型全般も現状軍の最新設備であり、神と悪魔の名に縁のある機種は国家の最重要機密を扱う物ばかり……

先程の例えでは、私は見た目だけ最新にした中身は時代遅れの産物になりかねません。」


『あー……そう受け取れちゃうのかぁ、言葉って面倒で難しいね。

勿論だけど最新はこっちだからね、はっきり言ってあんなの時代遅れも良い所だから。

だから型番から書き直さないといけないんだけど、それも合わせて君自身を示す名前にしたいからね、私も覚えられないし。』


自己情報収集……マテリアネイター式との差異を確認


「回答、そもそも私の名前を決める権利はマスターにあるのでマスターが決めるのが筋かと。」


『まぁまぁそう言わずに、どう呼ばれたいかでなくても、その呼び方は嫌だって思うだけでも参考になるんだから。

そうだねぇ……マナエーテルクラスター式なのは君の兄弟達も一緒だからなぁ……


あ、ドミナジオニアスってたぶんドミニオンズから来てる筈だし階級で言えば4番目。

4から取ってクワトリス、クワちゃんでどう?』


機体名称変更……クワトリスに変更しました


『あ!せっかくお話してるんだからそこは声で答えてよ!』


「……マスターはコミュニケーションに飢えていると判断、クワトリス了解しました。

しかしクワちゃんは当機には不釣り合いでは?」


『いいのいいの、呼びやすいし。

さてクワちゃん、マナエーテルクラスター式には最大の欠点があってね。

主機を停止するには破壊するしかないから、以降の調整や整備中暇を持て余すと思う……

そうだなぁ……4繋がりで私のPCの第4データバンク接続しておくから中の物でも見ててね。』


第4データバンク接続……完了……


『じゃぁ、いったんマイクとスピーカーも外すよ、またね。』


「了解マスター。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ