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イショク。  作者: 未完ブリ
サイセイ
6/6

第6話 額しわ寄せ ▶▶┃

6話大変おまたせしておりましたのでまえがきはこれくらいにしておきます。

ーーーーーー ーーー ーー ーーーー

数日後木曜日…

私は珍しく部活に最後まで残り、夜遅くに一人帰っていた。

私は軽音部所属なので気が向いたら楽器…学校にあるピアノを弾いて帰る日々を送っていたのだが、蓮も同じ部活の同じグループに入ることになり、頻繁に部活に顔出し、練習時間はながくなっていた。

今日は蓮がギターを先輩に習うということで遅くまで付き合っていたが、流石に自分が安全に帰れる時間を超えそうだったので抜けてきた。

街頭が少なく暗くてあまりよく見えないがギリギリ帰れる明るさだ、早く帰ろう。


蓮?「密さん、一人?」

蜜「ん?その声は蓮くん?一人だよ」


容姿は見るからに蓮だ。海斗は双子で声は少しそっくりだが蓮は海斗より少し声が高い。そして普段メガネをかけているし、特別見誤ることはない。……はずだ。

しかし妙だ。蓮は学校にまだ残っているはずなのに。


蓮「そっか、一人かぁ…途中まで道一緒だから一緒に帰ろうか」

蜜「うん!分かった」

蓮「ところで密さん、今度の休みにでも遊園地行く?」

蜜「遊園地…?急だね…でも私騒がしいとこ好きじゃないんだよね」

蓮「あ……そうだったね、ごめん…」

蜜「でも、蓮くんとなら良いかな。うん行く!」

蓮「…………そっか、じゃあ今度の土曜に9時に八坂駅に集合ね…」

蜜「うん!待ってる!」


気づけばいつも蓮と別れる十字路だ。

彼は街頭がちょうど自分の顔を照らす位置に立ち止まり、ゆっくりとメガネをかけた。

そして大輪の笑顔を咲かせ、こう言い放った。


海斗「それじゃ、また明日」


蜜「うん、また明日…か、海斗くん?!」

海斗「ふふ、兄さんと間違えてたね、でも約束は絶対だからね。よろしくね。」

蜜「あ……もちろん…!海斗くんと『でも』遊園地行けるなら楽しみだから…!」

海斗「あはは…そっかー」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「あっちのほうがいいくせに。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

蜜「…え……??あっち…?」

またノイズののった幻聴を聞いた気がする。

私は人の本心が聞こえる…わけがない。


海斗「あっち?どうしたの密さん」

蜜「あ、ごめん、何にもないよ…!絶対会おうね!」

海斗ははにかんで手を振り去った。


なんだったんだ。

ーーーーーー ーーー ーー ーーーー

「攫って誰もいないとこに閉じ込めたい。」

ーーーーーーーーー ーーーーーー

ーー ーーー ーーーーー ー ーー

遊園地当日、待ち合わせ10分前最寄り駅にて


蜜「待ち合わせ…ここであっているよね?」


場所は八坂駅東口、噴水広場前と言われたので噴水広場のそばにあった柱によりかかり、海斗を待つ。

私はキョロキョロあたりを見渡していると、学校とはまた雰囲気の違った海斗がこちらに向かってきた。

ジーパンではあるが、落ち着いた性格に合った白いシャツに深い青色のカーディガン、細い腕に腕時計をつけていた。

とても大人な着こなしだった。


海斗「おまたせ、蜜さん。」

蜜「今来たとこだから大丈夫だよ。」

「今日は強引な誘い方してごめんね?」

蜜「ううん…!私も休日誰かと出かけたかったから、今日は楽しみだったんだよ。」

海斗「そっかそれなら良かったよ、行こっか。」

蜜「うん!」


というと、駅の改札の方面に歩き出した。

いよいよ海斗と遊園地だ。

楽しみと同時になんだか胸騒ぎがする。

▶▶┃

ーーーーー ーーーーーーーーーーー

電車内にて


海斗のお菓子作りについて話をしていた。

ホワイトデーのお返しはいつも手作りなのか、マドレーヌはどのように作るのか、私はただ必死に自分磨きのために事細かく海斗に聞いていた。

一通り話を終えると、海斗から話を切り出してきた。


海斗「あ、そうそう。唐突だけど蜜さんに見てもらいたいものがあるんだ。」

蜜「私に?」


すると彼はそう言いながら、白い折った紙を私に手渡す。これはなんだ…?

紙を開くと、そこにはこう書いてあった。


ーーーーーーーーーーー

僕はこの先何が起きるか知っている。

準備していたのを見ていたからね。

悪いことは言わない。

大人しく、邪魔しないでくれないか?

ーーーーーーーーーー


蜜「え?何これ?」

海斗「そうね、なんだと思う?」

蜜「え、」

ーーーーー ーー ーーー ーーーーー

視界が一瞬揺らぎ、文字がグニャっと歪む。

このような紙を渡される覚えもなければ、その言葉に記憶がないが、ただただ、読み終わったあとは魔法にかけられたように紙の文字を認識がする事ができなかった。

海斗は真剣な顔で空を見上げていた。


蜜「なに…これ……」


紙から目を離すと私の症状はすぐに治まった。

紙には特別な力があるのか、しかし現実ではとても考えられない。


海斗「蜜さん巻き込まれちゃ駄目だよ」

蜜「え…何に巻き込まれるの…?」

海斗「それは蜜さんが探らないと駄目だよ」

海斗「蜜さん、今起きていることを決して忘れないで。」

┃◀◀

ーーーーー ーーイショクーーー ーー

蜜「なにこれ……」


紙から目を離すと私の症状はすぐに治まった。

紙には特別な力があるのか、しかし現実ではとても考えられない。


海斗「大丈夫…?気分悪くなった?」

蜜「え…?ううん…少しだけだから…」

海斗「…………とにかくこの紙大事に持ってて」

蜜「わ、わかった……」


そういうと、彼は私にその紙を渡した。

ーーーー ー ーー ーーーーー


「許すものか」


ーー ーーー ー ーー ーーーーー


一時間ほど電車に揺られようやく遊園地に到着した。

とても混んではいるが、騒ぐ客もおらずなかなか落ち着いた遊園地だった。

そもそもこの遊園地、リアルな西洋風の建物が多いため、遊ぶというよりかは撮影に来る人が多い。

オフ会目的や遊ぶと撮るを両立したい人には大人気のスポットとなっていた。

おそらくほんとに遊園地なのだろうかというツッコミはしてはいけない。


海斗「どうかな?ここなら多少蜜さんでも楽しめるかなと思ったんだけど」

蜜「たしかにここなら遊園地…とはいえど、騒ぐ人がいないし、気軽に乗り物も楽しめるかもしれないね」

海斗「そっか良かったっ、早速見てみたいところはある?」

蜜「えぇっと……そうだね、これは?」


私と海斗は夕方まで心ゆくまで落ち着いた遊園地でまったりとした休日を過ごした。


しかし、楽しんだとはいえど"あの紙"の話が始終頭から離れなかった。

ーーーーーーーーーー

僕はこの先何が起きるか知っている。

準備していたのを見ていたからね。

悪いことは言わない。

大人しく、邪魔しないでくれないか?

ーーーーーーーーーー


海斗は何を伝えたかったのか?準備?

私は何か海斗に対して悪いことをしたのだろうか。

「大事に持ってて」と言われたのも引っかかる。

海斗が席を離れる度にもう一度紙を見てみたが

ーー ー ーーーーーーー ーーー

やはり同じように視界が歪んでその意味が読み取れなくなってしまう。


蜜「気持ち悪くなってきたな…」


この紙を捨てたいのは山々なのだが持っていてほしいと言われた以上、持たざる負えない。

一度気味悪がって返そうとしたが、海斗には

「蜜さんの身を守るため」

と、言われてしまい、返す事が出来なかった。


蜜「人の声が聞こえるような妄想は頻繁に起きるし、一瞬めまいがするし、奇妙な紙も……一体何が起きてるの…?」


そして蜜はまだ、「見ているものに従う」しかなかった。

ーーーーーーーーーーーーーーー

ーーー ーー ーーーザーー ー ーーー

『うわ!何をする!俺様カニ鳥聖人代表ウミネコタラバダー様に不敬なり!』


「ミパ!北海道産梨メロンのミパちゃんミパ!大人しく観念するミパ!」


『ミパちゃんだと!?ええい!うるさい誰が何でも俺様の邪魔するやつは!!ザザーー


「やったるミパ!」

ーーー ーー ー ーーーザザー


さて海斗の遊園地回、もう少し続くかもしれません。

ここまで来て恋愛要素あるとカテゴリに入れておきながら凄い甘くなくて申し訳ないですが、そろそろいい感じにしたいですね。

……まあ作者は変な恋愛しかしてないので無理ですね。

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