第3話 手さばき▶▶▶
3話目ですね。だんだん物語の真相に触れそうな何かが増えて混乱するかもしれませんが、気をつけてご乗車ください。
ーー ーーザザッーー ーーーーー ー
次のニュースです。昨夜行方不明となっていました
「ザーザー ー」sーんのものと見られる
(ザーーー)が発見されました。
しかし今の所行方不明が続いており、
現在も懸命な捜索が進められております。
ザーーーー 高校のインタビューになります。
ー ーーー ーーザーーー ー ーー ー
キャー!
怪獣がーザザッーーーってくる!
(ドシン…ドシン…)
「「ンガァァァァァーー!!!!!」」
逃げろぉぉ!!!
ーーーーー ーーー ーー ーーーーー
プツンッ
急にどうして金峰の事を話してそうなったのか、検討のつかないまま二人で歩き出す。
密「ちょっとどこにいくの?」
涼「んー…二人っきりで話がしたいからカラオケとかどうかな?」
いつも通り彼のとても綺麗な笑顔だが、裏に何か含んだような顔をしている。
どう考えても歌うような雰囲気ではないのだが……
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二人っきりのカラオケルーム。
普段なら涼と二人でも普通に楽しく歌を歌うのだが、どうやら様子がおかしく、涼はその気分でないらしい。
密「………あの…涼…………さん?」
涼「密は前から人気者には興味なかったよな」
そう言って密にゆっくり距離を詰める。
密「まあそうねぇ、興味ないわ」
涼「ミタケ、にも興味ないだろ?」
顔が少し近い気がする。
密「無いね……目立ちたくないし…」
涼「だったら、派手な行動するな。自分の身を守るためにも……。」
密「あれは反射神経というか、仕方ないというか……今回は悪目立ちじゃないし…。」
涼「いいか、とにかくあのイケメンには近づくな。近づかれても離れてろ。」
涼の顔がいつもの優しい顔でなくなっていく。
私が良くない行動をすると叱ってくれるような顔。赤信号でも車がいなかったら通ろうとしたときに、首根っこ掴まれて説教されたときの顔に近い。
本気で金峰を警戒しての言葉なのだろう。
密「……もちろんそのつもり。できれば離れるつもり。」
涼「よしよし、それでいい」
そして急にいつものようになだめるような笑顔になり、私の頭を撫で回した。
密「………髪ぐしゃぐしゃになるよぉ…」
でも、嬉しい。
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「蜜は俺のもの。大切な女だ。」
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蜜「………?」
また妄想なのだろうか。
急にキョトンとした密を見て涼は不思議そうに撫でる手を止めた。
涼「蜜?どうした?」
蜜「涼は……私の事、大切?」
涼「…まあ、大切な友達だ。当たり前だ。だからこそ、心配なんだ。」
と涼は少し顔を赤らめしどろもどろに言った。
蜜「そっかぁー……嬉しいな」
涼「えっ!?」
蜜「私も、涼が大切な友達だから。」
涼は複雑そうな笑みを浮かべて再び髪をクシャクシャに撫で始めた。
涼「…ありがとう!ありがとう蜜!」
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その後、楽しくカラオケの時間を過ごし、涼に家まで送ってもらった。
母「いつも蜜のことありがとうね」
涼「いえいえ、中学からの仲なんで!じゃあ僕はこれで…」
母「待って!今日は涼くんもご飯食べてかない?」
涼「え?」
母さんはニヤニヤしながら涼に提案した。
提案の意図はなんとなく理解していたが、流石に涼の母親も涼の分のご飯を作っているから断るだろうと思っていた。が
涼「ほんとですか!今日うち親いなくて…!」
母「そう!なら是非うちで!」
涼は目を輝かせながら、少し頬を赤らめながら、玄関に上がっていった。
素直なのが涼らしくて、私はおかしくって笑いそうになった。
あぁー…好きだなぁ……。
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「へぇ……やっぱり好きだったんだ…ー
ーーじゃーーーー ーーー
ー ーー ーーなー ー ーーーでーー ー
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次の日…。
私はいつもどおり鈴と一緒に学校に行った。
あのあとどうなったのかと事情聴取を受けながら………。
鈴「えー!!!何もなかったぁ!?」
蜜「まあ、多少うちに上がってご飯くらいは食べてもらったけどさぁ……」
鈴「ふーーん……涼は努力が足りないな…」
少し不満げに鈴は言った。
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ー ーiー ーショkーー
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鈴「うん、蜜の努力が足りないよ」
蜜「え?さっきと言ってる事変わってるくない?」
鈴「え?なんの事よ、とにかく努力が足りないんだから!そんなにまったりしてるんだったらうちが取っちゃおうかなー」
ただの言い間違いか?涼の努力が足りないと先程までいっていたように聞こえたが、今度は私の努力が足りないと………。
というか鈴が涼の事を?涼に対して私が問い詰めたときはイケメンしか興味ないと言っていたのに?
ただのくっつけるためだけの作戦か?
蜜は何が起きたのか理解できず、呆然とした。
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(???にて)
モニターから会話が聞こえる
『うん、蜜の努力が足りないよ』
『え?さっきと言ってる事変わってるくない?』
「あぁ……今日も可愛いな…いつもと変わらないスカートの丈、触りたいほど綺麗な髪、つまんなさそうな顔…日常を好くことのないスキだらけのその表情………今日も早く会いたいね?」
「ねぇ、"蜜"……?」
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ご乗車ありがとうございました。
関係ない話ですが、私は一回同級生にストーカーされた事があります。
私の降車するバス停で待ち構えてるのホント勘弁ですね。
ストーカーは犯罪なのでやめてくださいね。