第3話 ライバル出現…
こんにちわ、一色凛です。この前やっと『修一』さんからメールアドレスと電話番号を取得しました。
『そうだ!いきなりメールや電話するのは驚くだろうから、夜勤者との引き継ぎミーティングが終了する17時30分に『修一』さんの病室に行って挨拶しておこう!…』
と思い、ワクワクしながら個室のドアを開けると何やら笑い声が…。
『げぇ…結城華がいる。しかも、何この楽しそうな雰囲気は…騙されてはダメ!この華は私より5歳年下の27歳で笑顔が可愛くて甘い声を出す』
『だけど…それは自分が好きな患者さんの時だけ、尿やシモの担当の時なんて、すごく適当に体位交換するし便がシーツについているのに気がつかないふりをする…しかも嫌いな患者さんがナースコールを押しても絶対に病室に行かない…クズなんだから…』
と思っていると、結城華が
「一色先輩どうしたんです?もう夜勤帯の時間ですけど…」
「あっ…あのね。ネームプレートを取りに来ただけだけど…」
「ほんとですか?どう思います修一さん?」
『はぁ、私の修一さんに馴れ馴れしい!…ナイチンゲール憲章も知らないホルスタイン娘が!』と思っていると修一さんが
「ごめんなさい、一色さん。私が頼み事があって業務が終わったら来てくださいと頼んでいたこと、なぜ、言わないのですか…」
『えっ…何…嘘…修一さんが私を庇ってくれている…見たか結城華、男がいつもアンタのナイスボディと猫撫で声で、なびくと思ったら大間違いなんだからね』と思いつつ、
「いえ、すいません。修一さん、私こそ遅くなってしまって…」
「では、倉橋さん血圧を測定しますね。左の腕をだしてください…」
「あっ、はい」
『バリ‥バリ…』
『何しての結城華、血圧計の腕帯を左腕の上腕に巻きつけるときに、自分の胸を『修一』さんに押し付けるなんて…世の馬鹿男共は華のスキンシップで骨抜きにされてしまうけど…良かった『修一』さんの心は全く波が立っていない!』と思っていると、華が私とすれ違い際に
「先輩、私、あの『倉橋修一」さんの事、本気で気に入りました…先輩には負けませんよ」
と私だけに聞こえる声で囁き、去っていく。
『あんな要領がいいだけの心のない『華』なんかに、『修一』さんは渡せない』と思っていると後輩の遠藤看護師が
「一色リーダーすいません…『痰ひき』がうまくいかなくて、来てくれますか?」
「遠藤さん、直ぐ行くからドアを締めて廊下で待っていて…」
私はそう言うと足早に『修一』さんに近づき
「しゅういーちさん!今夜メール送りますから…いいですよね」
「勿論です…待っています」
『大事な時に遠藤さんは必ず何か頼みに来るんだから…ちょっと後でミーティング部屋にこさせようかな』
と思いながら、廊下で待つ遠藤看護師の元に向いました。
私こそ一色凛修一さんとの恋を絶対に成就させます……