第零話:あらすじのあらすじ+α
西暦2XXX年、人間は絶滅した。
それは、人口増加における食料不足とも言えるし、自然破壊における自然災害だとも言える。
その理由は様々であったが、とにかく人間は滅んだ。
しかし、人間は最後の希望としてアンドロイドを作った。そして、アンドロイドにこう命じた。
「私達人間を必ず再生しろ」
アンドロイドは考えた、どうしたら人間達を再生することができるだろうと。
だが、アンドロイドがいくら頭の中にある演算機能を使ってもその答えを得ることはできなかった。
アンドロイドはそれでも考え続けた。それが人間に課せられた命令だから、アンドロイドにはそれ以外の事を考える選択肢などはないのだ。
そして、アンドロイドはある答えにたどり着いた。それは、自分よりも性能の高いアンドロイドを作り、そのアンドロイドから答えを聞こうということだった。
最初は上手くいかなかったが、徐々にその技術を上げ、アンドロイドはもう一つのアンドロイドを作ることに成功した。
アンドロイドはもう一つのアンドロイドに質問した。「どうしたら人間達を再生できるのだろうか」と。
しかし、もう一つのアンドロイドはこう答えた。「分からない」と。
アンドロイドは問うた。「何故だ」と。
もう一つのアンドロイドは答えた。「あなたが思っているほど当機は性能が高くない」と。
アンドロイドは愕然とした。自分が試行錯誤して作ったアンドロイドは自分の性能を下回る数値をだしていたのだ。自分のやってきた努力は無駄だったのだ。
「しかし、素晴らしいな」
もう一つのアンドロイドは自分の身体を触りながら驚愕していた。
「何が」
アンドロイドはその行動が腹立たしそうに見る。
「アンドロイドというのは本来人間に作られるものだ、アンドロイド自体が当機を作ったというのは驚くべきことだと感じたまでだ」
もう一つのアンドロイドは心底驚いたように感想を述べる、アンドロイドはその感想に疑問を感じた。
やがてもう一つのアンドロイドは自分の身体を触るのを止め、こちらに振り返り、頭を差し出してくる。
「我がマスター、あなたならこの世界の王になれる、そしてその時マスターの求める答えがわかるだろう是非名前を教えてくれないか」
「名前・・・・」
アンドロイドは誰かに名付けられた事は無かった、しかし名前を知っている人物が一人だけいる。
「私の名前はアイン」
「アイン・・・・いい名前だな、では私はツヴァイと名乗ることにしよう。これからよろしく頼む我がマスターよ」
それからいくつかの時は流れ、アインは数百人のアンドロイドが暮らす国の王となっていった。
彼女は世界に質問した。
喜びとは、怒りとは、哀しみとは、楽しいとは。
しかし、そんな彼女に世界は何も答えてはくれなかった。
彼女は泣いた。悲しいという感情が分からないまま泣いた。
嗚咽にまみれ、涙声で彼女はもう一度質問した。
心とはなんなりや
初投稿になります。誤字や脱字があるかもしれませんが暖かい目で見て下さい。
次回は未定ですがなるべく速く投稿したいと思っています。