4-14 バカ息子再び?
とにかく急いで魔国に行かなければいけない事態のようだ。
因子を壊した足でそのまま魔国行きだな。
惜しいがこの宿とも今日でお別れだ。
宿を出てラゴの元へ行くと、ワルツが乗っていた。
「何してんの?」
「何してんの?じゃないニャ!裏切り者ニャ!」
「飼い主の所から出てきちゃだめだろ?」
「何言ってるニャ!飼い主はシュンに決まってるニャ!」
「逃げてきたのか?」
「逃げたニャ!あのカゴは『強化』を『解除』して壊してきたニャ!」
「あ~あ、弁償だな。」
「弁償とかじゃないニャ!あれは誘拐だニャ!」
「まあどうでもいいけどさ。今から町出るから。」
「付いてくニャーーー!!」
ワルツが帰ってきた。
うん、助けようとは思ってたよ。忘れてなんかないんだ。ちょっと忙しかったんだ。
ラゴに乗り門に向かってると、あの時の貴族のバカ息子が現れた。
なんて名前だったっけ?虎次郎?
男爵だったっけ?男爵は変態の方か?
「俺は福部公爵家の息子、寅吉だ!」
あぁそうそう、そんな名前だった!
「タイガーを返せ!」
「タイガー??」
「そのネコの名だ!」
「ワルツの名はワルツだニャ!」
「いや、返せも何も、私に関係無く、勝手に来ただけですけど…。」
「ワルツは行かないニャ!」
「キサマ、俺に詐欺を働くか!」
う~ん、話が通じない。さすがバカ息子だな。
どうしたもんか・・・。
「え~い、力づくででも返してもらうぞ!おいお前達、やれ!!」
あっ、取り巻き達が剣を抜いてこっちに走ってくる!
いや、こっちはラゴに乗ってるんですけど。多分ラゴの方が強いと思うんですけど。
ん?何か横が熱い…?
おいおいワルツよ!何『炎3』を使ってんの?!
ここからでは壁魔法で防御して助けられないのに!
そうだ!炎には水!ラノベとかでよくある相殺だ!
そう考えて『氷3』をワルツの作った『炎3』に当てる!
あれ?すり抜けた?!
しかも俺が撃ったのが取り巻きの一人に当たった…。
相殺しないのかよ!
ワルツの炎も取り巻きに当たる。
相手は完全に怯んでるよ!
「魔法で攻撃するとは!卑怯者め!おい、兵を呼んで来い!」
「俺は攻撃してないですよ!不幸な事故ですよ!」
「うそをつけ!炎と氷で攻撃したくせに!貴族に逆らうとは死刑だ!」
「いやいや、炎に氷を当てて消そうとしただけですって!」
「魔法に魔法を当てても消えない事くらい子供でも知っている!誤魔化すな!」
へ~そうなんだ。じゃない!
本当に兵士まで集まってきた…。
ヤバいんじゃないの?
次話は明日の20時に投稿予定です。




