3-14 脱出?
まず、開けた穴を改めて壁にする。
で、壁の上に登る。3mの高さだけど、壁を蹴って上がる事が出来た。
ジャッキーチェンみたいだな。俺、カッコイイ!
まだビッグベアーは壁の中にいるようだ。
だが、バンバン攻撃してるようで、徐々にヒビが入っている。もうすぐ壊れそうだ。
慌てて中に向かって『炎3』を打ち込む。
4発打ち込んだら静かになった。
もう1頭の方にも同じように打ち込む。
どちらも静かになったが、このままほっておこう。解除したら生きてるなんてシャレにならない。
少なくとも安全にはなったかな?
マップを開き、因子付きの水晶を持っている人を探す。
どうやらデカいバッグを背負っているオッサンが持っているようだ。
そのオッサンに近づき、交渉するとしよう。
壁から降りてオッサンに話しかける。
「貴方は、水晶を持ってますね。出してください。」
「な・なぜ知ってるのですか?!」
「そういう事はどうでもいいんですよ。出してください。」
俺がそう言うと、慌ててバッグを下ろし沢山の水晶を出してきた。
「すみません!全てお返しするので許してください!」
ん?どういう事?
そういえばさっきのホンニャラ伯爵は、この国の人間じゃなかったな。
密入国して、勝手に採掘したって事?
まぁ、俺には関係無いけどね。
『鑑定』を使用して、因子付きの水晶を探す。
あったあった、一番小さい物が因子付きだった。
早速、勇者の剣(笑)を出してそれを壊す。
「もういいですよ。仕舞ってください。」
あれ?全員ポカーンだ。
もう帰るから、早く仕舞ってくれないと困るんだけどな。
「仕舞ってください。帰りますよ?」
「えっと、お咎めは…?」
「自分はこの国の者じゃないので。早くしないと置いていきますよ?」
そう言うと慌てて片付け始めた。
ほっといてさっさと帰り道を作ろう。
『解除』で壁の一部を無くし、そこからまた『壁4』を左右に使い細い通路を作る。
一応街道近くまで壁を作ったので、これを通れば多分安全に帰れるだろう。
壁で囲った4人?知らん。いずれ壁が解除されたら帰れるんじゃないか?
その時に危険があるかどうかは、その人達の運次第だろう。
ってこの壁っていつまであるんだろうね?10分?1時間?1日?
とにかく急いで街道に出よう。
6人を連れて街道に出ると、地走竜と一緒にちゃんと美由紀さんが待っていた。
ちっ、ワルツも居るのか。連れ去られたら良かったのにな。
「ちゃんと助けましたよ。人数は減りましたが。」
「…ありがとうございます。」
「じゃあ俺はこのまま隣の国に行きます。美由紀さんとはココでお別れですね。
今までお世話になりました…?」
「なぜ疑問系?!まぁいいです。お元気で。
ワルツちゃん、いつでも来てくださいね!!」
「あれ?俺は?」
「貴方は好きにすればいいでしょ?それよりも、ワルツちゃんをちゃんと可愛がってくださいね!!
ん~~~~ワルツぢゃ~~~~~ん!!うわ~~~~~ん!!」
ヒドくない?!まぁヒドい事をしたのは俺か。
ワルツ至上主義だもんな、この人。
でも泣く事はないんじゃないかな?
2本あるシッポを切って、1本持っていくかい?
あっ、ワルツに睨まれた。考えた事がバレたかな?
後1話でこの章は終わりです。
次話は明日の20時に掲載予定です。




