3-10 魔法部門本選?
皆の「なんだこいつ?」的な視線を受けつつ、さっさと会場を後にする。
聞いた話だと、向かってきたガチムチのオッサンはこの国の騎士だそうで、あの人が出ると判ったので辞退が増えたらしい。
ヤバい相手だったんだな…。逃げて正解だったぜ。
屋台で減った食料を買いながら宿に帰ると、美由紀さんとワルツが居た。
…出かけないのかよ。そうまでして仲良くなりたいかねぇ?
いっその事さぁ、拉致ってしまえばいいのに。
まぁ、ワルツなら簡単に逃げるだろうけど。
「あら、お帰りなさい。勝ちましたか?」
「いや、予定通り敗退ですよ。」
「そうなのですか?」
「そうなのです。」
「シュンはだらしないニャ~!」
「予定通りって言っただろ?!…ワルツ、ネコ缶無しね。」
「ニャーーーーーー!!」
人の話を聞かないヤツには罰を与えなきゃね。元々あげる気は無いけどさ。
昼飯を宿で食べた後、今後の話し合いをする為に部屋に戻った。
「明日は魔法部門の本選があるので、それを見に行きます。一緒に行きますか?」
「ワルツちゃんは行くの?」
「シュンが行くなら行くニャ!」
「じゃあ行きます。」
ブレないな、この人。
「明後日には王都を出て、次の次の町に行きます。」
「倉定の町にですか?」
「た・多分、そこです。」
「判りました。」
「ついて来るのですか?」
「ワルツちゃんはどうするの?」
「シュンと行くニャ!」
「…はい、ついて行きます。」
本~当~にブレないな!!
「そこで1泊した後、この国を出ますので。」
「判りました!頑張ります!!」
おぉ、せいぜい頑張ってくだせぇ。
朝、宿の受付で「明日には出発します。」と伝え闘技場へ。
美由紀さんのチケットを購入し中へ入る。席は自由席で、早く来たので一番前に座る事ができた。
ワルツは相変わらず美由紀さんの膝の上。カリカリを美由紀さんに渡しておいたので、しばらくはこっちに来ないだろう。
朝飯は昨日買ってた屋台の物。『道具』に入れると時間経過が無いので、まだ温かいまま。
トイレではお世話になりました。
本選は10時から始まった。
結論から言うと、『氷2・氷3・炎3・雷2』を覚える事が出来た。
『氷2』は、炎2の氷版。当たると貫通するが、ある程度堅い物に当たると砕ける。
『氷3』は、氷2と変わらないが、こちらは堅い物に当たった場合、砕けずに刺さり周辺を凍らせる。
『炎3』は、炎2と変わらないが、こちらは色が青いので高温だと思われる。
『雷2』は、電気鞭って感じ。当たると痺れるし火傷するようだ。
雷は扱いにくいのか、使い手が少なかった。『雷2』も微妙な効果だしな~。
消費MPは後で検証だな。
しかし、4や5を使える人がいなかったのが痛い。覚えたかったのに。
いや、危険すぎて誰も使わなかっただけかも?
それこそ、勇者VS魔王でも見れば覚えれるかなぁ。誰か招待してくれないかな?
ちなみに雷の音でワルツはずっとブルってました。
お前、どれも見てないので覚えてないだろ…。
次話は明日の20時投稿予定です。




