3-5 作戦会議?
帰ると、美由紀さんとワルツが待っていた。
「無事に登録出来たよ。」
「なんで総合部門に登録したんですか?!無謀ですよ!!」
おっと美由紀さん、心配してくれるのか?
「あなたがケガでもしたら、ワルツちゃんが看病する為に離れなくなるじゃないですか!」
・・・やっぱそっちなのね。
「まあまあ、ちゃんと理由があるから。
それと協力してもらいたい事があるんだよ。」
「・・・なんですか?」
「協力してもらえたら、1日中ワルツと一緒に居られるよ?」
「協力しましょう!!
で、何をするんですか?」
じゃあ、俺の作戦をお話しましょうかね。
「登録した事で自由に出入り出来るようになった。これで初日の魔法部門の予選を見る事が出来る。
チラシは出場者の為のだったから書いて無かったけど、観戦は本選からって外のポスターに書いてあったんだ。
俺やワルツは見る事で魔法を覚えられる。だから沢山の魔法が出るであろう予選が見たかったんだよ。
ここまでは大丈夫?」
「・・・はぁ。あなたが非常識なのは判ってました。」
「え~と、、、続きを話すよ。
じゃあなぜ総合部門かと言うと、俺の出番まで1日空きがあるから。
魔法部門予選が1日で、総合部門予選が3日。2日は自由だ。この9月2日が重要なの。
この日に俺は出かける用事がある。でも宿には居るように見せたい。
そこで2人の出番って訳。」
「はぁ…。なにやら悪い事をするのでしょうね。そんな事には加担しませんよ。」
「・・・手伝ってくれるなら、9月の1日と2日はずっとワルツと一緒だけど?」
「しょうがありません。手伝いましょう。」
「・・・ありがとう。
何、する事は特に無いよ。
2日の夕食を、宿の主人に部屋に持ってきてもらうに頼んでおく。それを受け取るだけ。
ただその時に簡単な芝居をして欲しいんだ。」
「あなたが部屋に居るという芝居ですか?顔を出さないと騙せないのでは?」
「そこでワルツの出番な訳さ。
ワルツには他の部屋に居てもらう。食事が来た時に俺の名前でワルツを呼ぶ。
ワルツは部屋から出ずに「後から行くよ」とか適当に返事をしてもらう。それだけさ。」
「それで騙せますか?」
「騙せるさ。ワルツが喋るなんて誰が知ってる?ネコが喋るなんて誰が信じる?」
「な・なるほど・・・。でもそれなら他人を使っても良いのでは?」
「いやいや、それはマズいでしょ。
まず、知り合いなんかいない。誰か雇うにしても裏切られたら困る。
裏切らない人を雇えたとしても、この部屋に出入りするのを見られたら終わりだし。
『隠蔽』で連れてくるにしてもだ。こんな高級宿だ。『隠蔽』対策をしてあると思う。」
「『隠蔽』対策ですか。たしかにありそうですね。泥棒避けには必要ですし。」
「そういう事。する事は簡単だったでしょ?」
「そうですね。出来ると思います。」
「ワルツも頼んだよ。成功したらネコ缶あげるから。」
「ニャ!!まかせるニャ!!安心するニャ!!」
「・・・本番では、その「ニャ」は言わないでくれよ?」
なんだろう、ワルツに任せるってだけで失敗する気がしてきた…。
次話は明日の20時に投稿予定です。




