2-14 店主登場?
左に進んだ先には、卵がありました。
俺って運が良い!神様ありがとう!
ん?神様ってゲー作になるのか?じゃあ感謝しなくていいな。
きっとこっちの世界に連れてこられた時点で不運なんだから、次は幸運の番なんだよ。
どれくらい幸運かって、卵が2個あるくらいさ!
普通は、もう育ってたり在っても1個だって、美由紀さんが興奮しながら教えてくれた。
思わず叫んじゃったね。
「ポケ○ン、GETだゼ!」
「ポケ…?ゲット…?なんの事でしょうか?」
「いや、なんでもないです…。」
ネタを教えるのはスベるよりも恥ずかしいので、許してください。
「今シュンが喋ったのはニャ、テレビのアニ…」
「ストップ!ワルツ、ストップ!」
ネタを解説されるのも恥ずかしいです!
つーか、なんでワルツは知ってるんだよ!
「ワルツ、帰ったらネコ缶。」
「何でもないニャ!シュンがスベっただけニャ!」
ネコ缶は無し!カリカリも半分しか出さない!
と、とにかく、もうここには用事が無いので早く帰ろう!
はい、幸屋に帰りました。
道中?馬の所まで『隠蔽』+『強化』で高速移動したので何も無かったですよ?
しいて言うなら、スピード重視だったので美由紀さんをお姫様だっこして運んだくらいですかね?
恥ずかしいやら早くて怖いやらで、複雑な表情をしてたな。
ワルツは美由紀さんのお腹の上に乗ってた。
だから並走しろよ!楽すんな!
馬に乗ってしまえば、後は道を進むだけ。盗賊も出てこなかったし。
まあ男女二人だけで移動してるのを狙う盗賊はいないわな。どう考えてもヤバいもん。
護衛なんかいらないって言ってるようなものだし。
それを狙うなら、事前情報がある・切羽詰ってるのどちらかだろう。
さて取引だ。
と思ったら、親父さんじゃないと大金は動かせないらしい。
明後日に帰ってくるそうなので、宿で休憩だわ。明日は筋肉痛だろうし。
邪魔なのでワルツは美由紀さんに預けた。
ネコ缶?カリカリ?当然無しですよ。すっかり忘れてるし。
美由紀さんに美味いモノ食わしてもらえ。で、そのまま暮らしてしまえ。
筋肉痛になりつつ2日後、また幸屋へ行く。
通された応接間には、美由紀さん・ワルツ・そして親父さんが居た。
顔に大きな傷のあるツルっぱげの巨漢。ヤ○ザと言われても納得できるわ…。
「娘が世話になったみたいだね、申し訳ない。少々突っ走る所があってね…。」
顔に似合わず低姿勢なオッサンだ。ギャップもあって凄く良い人に感じるわ~。
美由紀さんは横で恥ずかしそうにしてる。
「いえいえ、こちらこそお世話になりました。」
「そう言ってもらえるとありがたいね。私は梶原秀行だ。よろしく頼むよ。」
得体の知れない弱そうな冒険者にもこの態度!
好感度がぐんぐん上昇してます!
「さて、まずは君の取ってきた卵の話をしよう。
駝鳥×1・ビッグボア×4・シングバード×2・マロンウルフ×2で間違いないね?」
「はい、間違いありません。」
「駝鳥は1個で10万円、ビッグボアは4個で80万円、
シングバードは2個で10万円、マロンウルフは2個で100万円だ。
合計で200万円になるが、それで良いかね?」
そう言いながら、札束をテーブルに置いていく。
現金を見せながら話すなんて、やり手だな。目の前にあると少々安くても納得しそうだわ。
まあ俺はいくらでもいいんだけどさ。
「はい、それでお願いします。」
「ふむ、君はなかなか冷静だね。初めての取引ならもう少し動揺するのだが…。美由紀から聞いていたかね?」
「駝鳥の卵しか値段は聞いてませんでした。貴族のようですし、信用していますので。」
「それでも現金を目の前にすると多少は動揺するのだよ。慎重とも違うな…。
どうやら、君はあまりお金に執着が無いようだね。違うかな?」
凄いな商人の観察眼!こちらの情報が多少は美由紀さんから聞いてたとしても優秀だと思う。
あっ、だから貴族になれるのか。
こりゃ、変な隠し事やウソは不利になるな。
「…おっしゃるとおりです。
実はある目的がありまして、達成する為に旅をしています。なので少なくない金額のお金を持っています。
目的を早く達成する為に、早く移動出来るという竜を買いに来たのです。」
「…色々ボカしてはいるが、ウソを言っているようではないね。事実のようだ。」
わあ、やっぱり見抜けるのね…。
「では、こちらの卵の商談は成立だね。良い取引をありがとう。」
「いえ、こちらこそ。」
そう言って、テーブルにあった200万円を収納する。
突然目の前のお金が消えたのに動揺しないオッサン。アイテムボックスみたいなのを見た事あるのかな?
動揺してるかもしれないけど、俺には判別できない。
「では、本題に入ろうかね。竜の取引だ。」
キタ~!!
次話は14時投稿予定です。
本当は1分ごとに投稿したいのですが、どうやって予約するのか判らないんです…。




