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2-11 真実?

美由紀さんは、「シロ」という名の灰色の馬に乗ってきた。

子馬の時は白かったから、そう名づけたらしい。

ネーミングセンスが良いとは言えないな。

俺も人の事は言えないけど。


荷物も大量に持ってきたので、ワルツの『道具』の中に収納させた。

突然消えたから驚いたようだが、モンスターの能力ですよと言ったら納得してた。

益々ワルツが欲しくなったらしい。

ワルツは「モンスターじゃないニャ!」と怒ってたが。


街道を馬で移動しながらマップを確認する。

この先の左側にある森に因子が2つある。

ちなみに、目的の卵があるのはその先の右側にある山だそうだ。

因子は、動く物と動かない物が表示されてる。動くと言っても点が震えてるみたいに見える程度だけど。

点を押すと、


~~~~~~~

因子(C)

憑依地点:クロアリの足

[閉じる]

~~~~~~~


~~~~~~~

因子(C)

憑依地点:駝鳥の卵

[閉じる]

~~~~~~~


と表示された。

動いてるのはアリだったのか~。

アリって、、、楽勝じゃん!踏み潰せばいいだけ!

と想像したけど、恐ろしい事に気づきゾッとした。。

誰でも簡単に殺せるし、意図せずに殺してしまう事もあるという事実に!

こんなの爆発的に因子を増やす為だけにあるような物だ!

早く潰さないと!


慌てて森の入り口に到着。入り口と言っても、ただの草むら。

森に入るのに、馬を止めたりテントを張ったりするのに便利だから皆ここから入るそうで、入り口と呼ばれてるらしい。

カゲキとシロは放置で、さっさと森に入り一直線にアリに向かう。

美由紀さんが

「なぜこの森に行くのですか?」「どこに向かってるのですか?」

「何が目的なのですか?」「はっ、もしや人気の無い森の中で、私を手篭めにする気ですか?!」

とうるさいので、ワルツを抱かせて黙らせておく。

あっ、黙ってないや。仲良くなろうと必死に話しかけてるわ。

ほっといて先を急ごう。


アリが居る辺りに到着。

お~い、地面にアリの行列が出来てるじゃないか!

どのアリだよ!

マップを見ながら、刀の腹でペチペチとアリを叩く。

美由紀さんをチラっと見たら、この人何やってんだろうと言わんばかりの冷めた目でコッチ見てる。

しょうがないんだよ。説明しても信じないだろうしさ。

あっ、赤い点が消えた。成功したようだ。


俺は何事も無かったように立ち上がり、刀をしまう。

「・・・何してたのですが?」

やっぱり聞かれた。

「あのアリは人食いアリなんだ。殺しとかないと危ないだろ?」

思いっきりウソを言う。


「何故、ウソをつくのですか?!」

あっ、やっぱりバレるか。

「真実を言った所で、信じないしだろうし。信じたとしても意味は無い。ならウソで十分でしょ?」

いい加減面倒なのでハッキリ言ってしまった。

「それでも真実を喋る方が!」

「真実を聞いてどうする?またウソを言ってると疑うだけだ。

 人間、自分の知識外で規格外の話を聞いたり見たりしても、信じる事が出来ないんだよ。

 ん~、何か例え話しようか。

 この町では多分「天動説」が常識だと思うけど、本当は「地動説」が正しいんだよ?知ってた?

 補足すると、この世界を中心に月や太陽が回ってる事を「天動説」って言うんだ。

 この世界が太陽の周りを回ってるっていうのが「地動説」ね。

 もう一回言うけど、「地動説」が正しい。信じないだろうけどそれが真実。

 ちなみに証明しろって言われても困るよ?証明する方法は知らないから。」


美由紀さんは、ハァ?って顔してる。


「ほら、信じてないでしょ?だから俺がどんな真実を言っても信じない。

 目の前でグウの音も出ないくらい完璧に証明しても、信じない人もいるんだ。

 逆に、信じますなんて言われた方が怖いです。裏があるに決まってるからね。

 なのでウソでもそれらしい事言った方がマシなんだよ。」


納得出来ないけど反撃の言葉が思いつかないのか、口を開けたり閉めたりしてる。

あっ、諦めたのかな?溜息を一つ吐いてジト目で見てきた。


いや~ぶっちゃけ、この世界の住人にどう思われようと関係無いんだよね。最低限の関わりでいい。

なので、美由紀さんも美人だと思うが、好きになる事は無いな。

いずれ帰るし、恋人が欲しいなら帰ってから探す。

ウソ言ったり自重してるのは帰るまでの生活の為。

食料や移動方法を入手する為なら、この世界のルールに従うさ。

もしゲー作が、減らない食料と水、後は安全なテントでも渡してくれれば、この世界の人と関わらない。

水洗じゃないトイレ・水は井戸・スマホも無い・電気やガスも無い・娯楽も無い・モンスターは出る、、、

こんな不便な世界に住みたいと思うほど俺はMじゃない。現代の若者には無理な世界ですよ。

女性に惚れたくらいで永住を決めるなんて、その人はある意味で本当に勇者ですよ。

美由紀さんと交渉が成立した時点で、変人に思われても問題無し!


さ、グチはこれくらいにして、もう一つの因子を壊しに行きますか。

その後は地潜竜の卵探しですね。

次話は明日の20時投稿予定です。

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