2-9 交渉2?
「このネコは『猫又』というモンスターです。」
「そうなのですか!」
「違うニャ!普通の猫ニャ!」
「普通のネコは喋りませんよね?」
「そうです、喋りません!『猫又』という種類のモンスターなのですね!」
「探せば、喋る猫も立って歩く猫もいるはずニャ!」
俺、美由紀さん、猫又ことワルツ、の順で会話が進んでいく。
どっちの世界にも、喋るネコや立って歩くネコはいないと思う。
「ネコは100年生きると『猫又』に進化するのです。」
「そうだったのですか!」「そうだったのかニャー!」
おっと今度は美由紀さんとワルツがハモった。
たしか100年だったと思うけど。
「動物にしろモンスターにしろ、珍しい事には違いありません!譲っていただけないでしょうか?!」
あら、この人、コレクターなのかな?
「何言ってるニャ?ワルツは行かないニャ!」
「いくら出されますか?」
「ニャ?!シュン、、何言ってるニャ!」
「500万円でどうでしょう?」
「いやいや、安すぎですよ。」
「そうニャ!安すぎニャ!そんなに安い女じゃないニャ!って違うニャ!売り物じゃないニャ!」
「むむむ、、、では地走竜と交換ではどうでしょうか?」
「悪くない提案ですね。」
「悪いニャ!おかしいニャ!許されないニャ!」
イタタ、無視されてるのが頭にきたのか、ワルツが咬んでくる。
遊びすぎたか。
「では、交換でよろしいですか?!」
「いえ、やはり譲る気はありません。一応仲間ですから。」
イタタタ、断ったんだから咬むのやめてもらえませんかね。
美由紀さんは見て判るほど落ち込んでいる。
そんなに欲しかったのかね?
「ワルツ、あぁこのネコの名前なんですが、、、ワルツがそっちに行く気になれば交換しましょう。」
そう言うと、落ち込みから一変して笑顔になった!
「聞きましたよ!もう訂正は出来ませんよ!言質は取りましたからね!」
「ワルツは行かないニャ!」
「ワルツちゃん、美味しい魚を毎日出します!ふかふかの専用ベッドを用意します!
日当たりの良い部屋を専用の部屋にします!どうです?来ませんか?」
「そ、そ、そ、そ、そんな事ではワルツは動かないニャ!」
そう言いながら口からはヨダレが出てるぞ。
「ゆっくりワルツと交渉してください。置いていくので。俺は今から卵を取りに出発します。」
そう言って席を立つ。
俺としてはワルツに関してはどうでもいい。早く竜が欲しい。
「待つニャ!置いてくのはヒドいニャ!一緒に行くニャ!」
え~来るのかよ。
戦闘では役に立たない所か、邪魔するくせに。
美由紀さんと遊んでろよ。
美由紀さんガッカリするぞ?
ん?何かまたプルプルしてるな?
「・・・判りました!私も一緒に行きます!道中でワルツちゃんと仲良くなってみせます!」
マジですか?!
会話回になってしまいました。
次話は明日の20時投稿予定です。




