2-5 狼?
起きてしまったので、下の食堂で俺も朝飯を食べる。
ついでに店主から情報収集。
次の町は結構大きいらしく、使役モンスターも売っているらしい。
なんでも、使役モンスターを売っている商人が領主で貴族だそうだ。
正確には商人が貴族になったが正しいみたい。
店主によると、この国の貴族とは、、、
1.国に貢献すると貴族になる
2.貴族なのは当代だけ
3.貴族になると、少しだけ税金が優遇される
4.偉くない
5.領主は5年交代で、その町や村にいる貴族から選ばれる
6.領民の反対多数があれば、貴族を辞めさせる事も出来る
7.城で働いている人は皆貴族になる
との事。
なかなか良い制度じゃないかな?
つまりは貴族って名前なだけで、商売してるなら王族御用達の店って感じなんだろう。
政治家ってだけで偉ぶってる、元の世界の日本とは違うね。
ちなみに、店主も貴族だそうだ。そりゃ詳しいわな。
美味いメシ出すし部屋も綺麗だったし、当然だなと思う。
看板の下に紋章の入ったメダルを吊るしていれば、貴族の店だそうだ。見に行ったら、たしかにあった。
さて情報も得たし、因子を壊しつつ次の町に行こう。
ワルツはカゲキを怖がらなかった。
猫と馬って相性良いんだっけ?
街道沿いで、一番因子へ近い所まで進む。昼前には到着。
丁度平原だったので、ここで休憩と作戦タイムだ。
カゲキは賢いらしく、放しても逃げない。しかも呼ぶと来る!
馬ってそうなの?
まぁ、これならここに置いて行っても安心だ。イザとなれば逃げてもらおう。
さて、ワルツ。
魔法が初期の俺と同じで全て灰色だそうなので、ここで覚えて見せて覚えてもらおう。
・・・簡単に考えてました。バカみたいに時間がかかった。
なぜなら一つ魔法を使うたびに、ワルツがビビって逃げてしまうからだ。
説明してたのに発動すると逃げる。
覚えたのを使ってもらっても、発動した途端に逃げる。
『炎1』なんか、発動すると手の先に炎が出るけど、それにビビって火がついたまま走っていった。
点々と放火して行くんじゃない!俺が追いかけながら消してまわるはめに。
結局3時間くらい「ニャーーーーーー!」って声がしてました。
猫ってビビリなんですね。本っ当~に役に立つのか???
やっと習得が終わり、ワルツと共に因子探しへ。
ワルツの叫び声のせいか、因子付きが離れてしまってた。
なんとか追いかける。
ワルツですか?肩に乗ってますよ?歩けよ!
マップでの情報は、こうだ。
~~~~~~~
因子(C)
憑依地点:狼の心臓
[閉じる]
~~~~~~~
やだな~狼。
しかも心臓なんて、殺す一択じゃないですか!
虫ならまだしも、動物を殺すのにはやはり抵抗がある。
小さいハムスターとかでも抵抗があるのに、狼って!
やはり遠距離攻撃しかないな。
森の中でやっと因子付き狼を発見。大型犬サイズ!!
接近戦なんて無理ですね。
コッチ見て唸ってるぅ…。
早速『鑑定』を使う。
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名前:狼
レベル:3
能力:噛み付き・爪
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レベル的には何とかなるのかな?
作戦はこうだ。
『壁2』で退路を塞ぐ。そこに『炎2』を当てる。瀕死の状態になったら刀でトドメ。
壁を作るのはワルツとの共同作業。移動中にそこは打ち合わせした。
「それくらいなら任せるニャ!」と気合が入っていたな。
タイミングを合わせようとワルツを見たら、あれ?いない?!
いや、居ました。俺の背中に張り付く状態で…。
やっぱり役に立たないじゃん!!!
次話は23日(水曜日)の20時投稿予定です。




