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勇者?

「さて、相田殿、いや勇者。」


?なんだ?なんで突然勇者って言い出した?


「勇者よ、魔王退治に任ずる!」

「断るけど?」


俺の言葉に、謁見の間に静寂が訪れた。


思わず素で返しちゃったよ!

そもそも、俺は勇者じゃないし!


!!全て納得した!!

俺を勇者にして、この国に所属させる考えだったんだな。

俺が勇者という前提でなら、今までの交渉の理由が判る。

まず、どれだけの金額を俺に払っても自国から勇者を出したとなれば、各国から援助が来るだろう。損は無い。

自国に勇者がいるとなれば、攻めて来る国もいないだろう。国は安泰だ。

次に、魔法道具(タダの鏡だけど)。解析に時間は必要無い。開発者が居るのだから。

そもそも量産自体しなくても良い。

最後に、王女。多分だが、この国に所属させる切り札として使うつもりなんだろう。

魔王を退治したら結婚とか。これで足枷が完成。

勇者には王女。誰からも文句が出ないし、よくある展開だ。

だからフラグも立ってないのに、ちょこちょこ顔合わせしてたんだな?


俺以外、全員口を開けたまま固まってる。

もう帰って良いですかね?


俺が立とうとしたら、王様がやっと動き出した。


「なぜだ、勇者よ!」

「まず、俺は勇者じゃないんで。」

「何を言っている!そなたの使っている剣は「勇者の剣」ではないか!」

あっ、誰か『鑑定』使ったな?安田か?

「銘が「勇者の剣」なだけですよ。正確には「勇者の剣(笑)」ですかね。」

別にどこかに刺さってるのを抜いた訳じゃないし、魔王の城の奥深くに隠してあった剣でもない。

ゲー作がデータをイジって用意し、渡されただけだ。この世界のどっかには本物があるんじゃないかな?


「では、見ただけで魔法が使えるようになるのは何故だ!」

「元々使えるんですよ。使い方を忘れてたけど、見たら思い出しただけです。」

「元々沢山の魔法を使えるなら、それ自体が勇者の証ではないか!」

「この辺の国ではそうなんですか?俺の住んでた島国では当たり前でしたけど?」


今日もウソが絶好調です。絶好調なのかな?


「そなたの凄まじい身体能力はなんだ!」

「頑張って鍛えたんです。長い布を腰につけて走ったり、麻を毎日飛び越えたりして。」


忍者か?って誰も判らないようなネタも入れてみました。


「神官のお告げの所に居たではないか!」

「クヌギの町に住んでる人、全員当てはまりますよね?」

きっと、この国が必要としている本物の勇者が居るよ。

もしかしたら、あのバカコンビかもよ?


あっ、王様、とうとう黙っちゃった。震えてる気もする。

ん?何かひらめいたような顔になったぞ?


「・・・いや、そなたは勇者だ。」

「違いますって。」

「いや、勇者なのだよ。」


あっ、無理矢理認定しようとしてる!

後から本物の勇者が出てきたらどうするんだ?クヌギの町に探しに行けよ!


「勇者は混乱しているようだ。未明ほのかよ、休める部屋に連れて行ってあげなさい。」

「いや、結構です!帰ります!お金も要りません!お世話になりました!」


俺は素早く立ち上がり、来た道を戻る。


「勇者を帰すな!」

おい、王様よ、俺は犯罪者かよ!

側近や騎士達が階段へ通じる道を封鎖してる。

その一人が捕まえようと飛び掛ってきた!

良かったよ、剣を持って来てて。『隠蔽』を解除し、腹へ峰打ちする。

側近や騎士達も、王の前だからか帯刀してない。有利だ。


「その者は人を切る事が出来ない!一斉にかかれ!」

誰だ!俺の弱点を知っているヤツは!

あっ、安田だ!!アノヤロウ!!

安田を殴りたいが、このままではマズイ。

見回すと、上に登る階段を発見!こうなりゃ上に逃げる!


「そちらは行き止まりだ!諦めろ!」


ウルセー!こっちは忙しいんだよ、こんな国に留まってられるか!

因子の一つでも見逃したら、この国に大ダメージが来ないかなぁ。

おっとアホな事考えてたら、物置に来ちゃったよ。


下は騎士だらけ。もう上は無い。

行きがけの駄賃だ、とその辺にある小箱を2~3個『道具』に入れてやったぜ。

勇者は城の中の物は持っていって良いんだもんな。

あっ、俺勇者じゃないや。これじゃ、緑のジャケット着た3代目じゃないか。

まぁいいや、迷惑料だ。後で何が入っているか調べるとしよう。

もしかしたらここは天守閣?と思い障子開けたら、やはり1m先はすぐ外だった。


こうなりゃヤケだ、天守閣から飛び降りてやる!

日本の城って良いですね。各階に屋根があるので、飛び降りやすいです!体力MAXは伊達じゃないぜ!

カリオ○トロみたいな城だったら、タタタタビヨ~ンでデッドENDだったよ。

次話は、今日の21時に投稿します!

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