十一話
やっとこさ
さて、鬼が動き始めるまで時間はあるし、どこかに隠れるとしますか…
建物の中?
行き止まりになったらアウトだし、やっぱ隠れるとしたら外か…
ん~ここら辺でいいかな。
少しして私が見つけたのは道から離れたところにあった獣道にそって歩いたらあったんだけど、そこは程よく視界が開けており鬼が来てもすぐ分かる上に私にとっては逃げやすいとかなり良いところだった。
私はそこの近くの木の上に隠れることにしたんだけど、予想以上にこの場所いいところだった。
始まってからもうそろそろで二時間くらい経つんだけどいまだに人は通らない。
周りに居る気配はないし、やっぱこの場所を選んで正解だったな。
ここは風も通るし日当たりもいいから物凄く快適です。
人が通る気配もないし、一時間くらい前から日向ぼっこをしています。
私がのんびりと日向ぼっこをしているとどこから来たのか猫とウサギがやってきて私の膝の上に乗ってきたんだけど、すごいなこの学園。
猫はともかくウサギがいるなんて…
野生なのか?
いや、野生にしちゃぁ人なっこいな。
…まぁ、いいか。
しっかし、此処は気持ちいいなぁ…
癒されたいときはここに来るのもいいかもしれないなぁ…
なんてことをのんきに考えていると私が来た方から人の気配が近ずいてきた。
慌てて背もたれにしていた木に登ったんだけど、いや~焦った。
いきなり来るんだもんな~
いくら警戒していたって二時間近くのんびりしてたから少し警戒を緩めてたからなぁ…
うわ~やだなぁ、五人かな?こっちの方に来てるよ…
たぶん、運動出来る人かなぁ…
このあたり全部が足場が悪いところで助かったな。
相手がどれくらい動けるか分かるし。
あ、ちなみに私足音で相手の動きとか力量が分かる。
師匠とかに分かった方が良いと言われ中学生の時に習得しましたよ。
……いうなよ?
自分でも分かっているんだからさ。
この頃、普通の女の子からかけ離れて行っている事くらい理解してるからさ。
女の子どころか高校生離れしてることくらい分かってるからさ!
仕方ないだろ!たまたま入門した道場の師範が反則級に強くて、その師範に気に入られちゃったんだから仕方ないだろ!
よくある転生ものにあるチートを持ってるんじゃないかって疑うくらいの強さなんだからさ!
…失礼、また話が脱線したな。
しっかし、ちとまずいな。
こっちに向かってくる五人の中にたぶんだけど武道をやってる人がいるかも。
な~んか体の動かし方に無駄がなさすぎるし。
あ~ど~しよ。
嫌な予感してきた。
私がそんなこと考えているうちに話し声が徐々に聞こえてきた。
「ねぇ、あと捕まってない生徒ってどれくらいいるの?
もうほとんど捕まってるでしょ?」
「そうですね、あと十数人ってところでしょうか。ほとんどが男子、しかも三年ですよ」
「ん?ほとんどっていう事は女子も残ってるのか?すごいな、この時間まで残ってるなんて」
「そうですね。しかもその女子生徒はまだ一年の様ですし。女子生徒が一人だけとはいえこの時間まで残っているのは初ですかね?」
「ふ~ん、その子はどこかに隠れてるのかなぁ?
でも、敷地内ってほとんど探し終えたよね?」
「そうだな、あと探し終えてないのはここくらいじゃないのか?」
「そうですね、他の所は人海戦術を使って探し終えたところですし」
うわ~女子ってもう私一人しかいないんだ。
香は捕まっちゃったのかぁ。
しっかしこの声、本当に嫌な予感しかしないんですけど…
私は、木の上から気づかれないようにそ~とここに来た奴らを見たんだが…
見なけりゃ良かった。
そこには、私が関わりたくないと思っていた生徒会の面々がいたのであった……
活動報告の方でアンケートを行っているのでご協力お願いします。