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水面下の拍手

作者: Nano。
掲載日:2026/02/27

友情は便利だ。


疑われず、責められず、近くにいることを許される。


それが、隣にいる理由。


あなたが笑うたびに、私は感動や拍手をした。

あなたが成功するたびに、祝福をした。


間違えてしまわないよう。

亀裂が入らないよう。


でも、水面はいつも静かとは限らないそうだ。


見えないところで揺れている感情はやがて形を持つ。

嫉妬、焦り、負けたくない気持ち。

それは裏切りではなく、本音。


これは、友情が壊れた話ではない。

最初から、壊れていたことに気が付いてしまった物語。


※ノンフィクションです。

記憶にない2歳から常に一緒だった。

寝るときも、おむつを替えるときも。


言葉を話せる頃には、トモダチと言っていたっけ。


何をするにも一緒。


小学校6年間、クラスを離れようが、大親友。

他人に嫌なことを言われても、彼女だけは絶対に味方になってくれるような存在。

相談、アドバイス、少し強い言葉も言われたっけ。

全てが心地良かったような気がする。


彼女が居るので、怖いものがない。

依存に近いような存在に代わっているのに気が付いたのは

中学に上がる頃。


思春期というのもあり、体系維持のため、選んだ部活動は運動部。

安易な考えで選んだ私とは裏腹に、夢を持っていた彼女は輝いて見えていた。

美術や音楽に長けている彼女は、夢に向かって勉強に励んでいたのだ。


3年間それぞれ部活を経て、お互いに友人も増えた。


高校も、縁があり、同じ高校に。


その時からか、少し彼女の変化に耐えられなくなっていた。


「私は勉強したから歌も上手い」


そんな事を言われただけ。

そりゃそうだ。

お互いに負けず嫌いの為、私は勉強に励んだ。


自分では、理数系に長けて居ると思っていた。


そして月日は経ち、お互いの夢に進むことを決意。


「そんな仕事してんの」


単なる、相談だったのに。

その言葉で全てを蔑まれた気がした。


「経理は意外と神経使うけど、慣れちゃえば楽だよ」


そんな言葉を返したような気がする。


「こっちには、いろんな仕事あるのに、そんなとこで仕事してるんだ、すごいね。」


上京した彼女とは久々に会うのに、そんな話ばかり。

確かに沢山の仕事があるのは理解しているつもりだ。

そこでも私は、嫌みに聞こえてしまっていた。


「そうだよね」


いつからだろう、空気を読んで話をしていたのは。


「いま連絡返してるから、待って。」


運転する私の隣で、携帯電話をいじり、

お話もしなくなったのはいつからなのか。


車を持っていない彼女は、運転に対し、何も考えていないのか。


それを言えない私は良いように使われているだけなのか。


「結婚したよ」


突然の彼女からの連絡に驚いた。

驚いたのはそれだけじゃない。

結婚願望は全く無かった彼女。

一人で自由にお金も使いたいし、子供は要らない。

そんなことを言っていた。

しかも、もう、式を済ませたとのこと。


「呼ばれていない」


理由は、海外で挙げたからだそうだ。


そこから、お金を持っているアピールがスタートした。


そうか、お金を持っているのならば、

帰省した時の、ガソリン代とは言わない。

ディナーのお金を少し多めに出すよ、なんて言葉を待ってもいいのではないか。


そんなことを思っているうちに、月日がたったが、

綺麗な言葉は出てこなかった。


その代わり、帰省した時には、旦那のかっこいいところの話ばかり。


恋愛において私は、それなりに経験してきたほうだ。

彼女よりは、と言っておく。


初めての彼氏で、とても大切にしているのが伝わり、

結婚も納得できた。

決して、彼女の結婚を否定しているわけではない。

いい出会いがあった。

それだけ。


何かが、引っかかる。


そうだ…。



私の理想の結婚式を話していた時期があった。


それとまたく同じ場所で行っていたのが原因。


その後に籍を入れた私に一言。


「お祝いなんだけど、欲しいものがいいよね」

「私は、もらった分ぐらいでお返しがしたいから、何がいいか決めておいて」


私は彼女のことを思って祝福したつもりだったのだが、気に入らなかった様子。

確かに欲しいものを聞くべきだったのかと反省をした。


そして、私からの贈り物に、なにか言われていたことを思い出した。


「なんか送った?住所変わってて、前の住所に届いているらしい。」

「1000円ぐらい再送料かかるらしいから、送金してほしい。」


住所を確認して送ったはずなのに、

間違えているのはお互い様なのではないのかとも思ったが、

お祝い事なので、こちらで送料負担の手配をした。


これは、お金持ちとか関係なく、私が悪いなと思っていた。


文章に書きだすと、そうでもない気がしてくるのが不思議だ。


私が悪い、そういう感情から、彼女をそうさせてしまったのか。


「ゲームしよ」


いつも通りが好きな私たちはあるゲームで彼女の裏の顔を見てしまう。


周りからよく見てもらいたい。

自分に徳がない人には興味がない。


「おまえさ~こんな英語も読めないの」


ローマ字を一瞬見ただけ、言葉に出しただけなのに、皆の前でいう必要があるか。

それだけならいい。


「このゲーム一緒にやりたいからやって」


「私はやりたいと思ったゲームしか買わないから、セール待つね」


「はぁ?そんな金もねぇのかよ」


うん、お金を持っている持っていないではなく価値観の違いだ。


そう思いながら、心に閉まう。


そのゲームは色んな活動者や有識者が居て、すごく勉強になった。

正直、続けたいと思う理由はそこだけだった。


私の仲では、課金はしたくない、そんなゲーム。

嬉しいことに、私を好んでくれる人から、ギフトを貰うこともあった。


彼女は逆で、自分を可愛くさせる為、沢山課金をしていた。

いつかお返しはしたいと思っていたので、有識者から沢山話を聞いて勉強をしていた。

そして、いつの間にか、私はそのゲームから離れてしまっていた。


「今週のお休みで直接会おうね」


そんなことを言う彼女が嫌になったからだ。


昔ストーカー被害を受けている身からするとありえない発言だからだ。

そもそもネットの世界は怖い。

リスクを考えると、会えない。

そんな固定概念からだろうか、私は自分の個人情報は開示していない。


「もっと若いと思ってた~」


ネット友達から言われた。

話していたのは彼女だった。


私の過去恋愛を面白おかしく話していたりしたそうだ。


そして、私は限界が来てしまった。


今まで友達だと思っていた彼女は、

自己肯定感高く、自己顕示欲も強い

負けず嫌いで、口が軽く、リスクヘッジを考えられない

非常識な人なんだと。


これを常識と語る人とは、

今後関わらないよう気を付けながら、

言いたいことは言える人になれていれば、もう少し早く気が付けたのかな。


おそらく、詳しく語るには、映画3本分の文章になるだろう。


ここで気が付いた。

実は自分も表面上だけで、拍手をしていたんだと。

水面は密かに揺れていたのかもしれない。

それに気が付かないふりをし、静かだと思っていた。


何もなかったように

今日も誰かが笑っている。


ただ少しだけ、あの拍手の音が、耳に残って離れないだけです。


ここまで読んでいただきましてありがとうございました。

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