第38話 決選投票と打合せと2つの大会
後日調理実習室は満席になっていた。
教頭先生と家庭科部の先生も
学校名が入るので来てもらった。
そして家庭科部の部員と何処で聞いたのかクラスから数人。
「え~ただいまからあるところに食べ物を提出というかプレゼンというか、
とにかく1個決めないといけないので、みなさんどちらがいいか
投票と意見をお願いします」とたどたどしい挨拶の胡桃
「1つはパンでもう1つはおにぎりです。どちらがいいかお願いします」
そういうと杏奈と胡桃がパンとおにぎりを配っていった。
「どうぞお召し上がりください」
と胡桃の掛け声でみんな食べ始めた。
そして食べ終わると、端から一人ずつどっちが美味しいか言ってもらう。
感想や意見もその時に言ってもらうことになった。
「パン。ほのかなチーズが美味しい」
「おにぎり。具のバランスがいい」
となっていき結果は…
18対14でパンに。
杏奈は大喜びで胡桃はがっくり。
「皆さまご意見ありがとうございました」と杏奈の挨拶でこの場は終わった。
「このパンは料理協議会のですね。おにぎりはシシリアンライスですね」
と流石家庭科部の先生
教頭先生も「どっちも美味しかったよ」と言ってくれた。
これで日持ちの問題はあるがクリームチーズ白玉だんごパンを
第一候補として提案することになった。
がっくりしてた胡桃も「まあこれでよかったのかも。実は東京の高校が
佐賀の料理を推すのはどうかと内心思ってたんだ」
「なら最初から言えっての!」と杏奈
あとは担当者達と打合せのみ。
これでようやく勉強に実が入る…二人であった。
「ねえ杏奈。打合せだよ」
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後日学校にコンビニエンスストアから五人の人がやってきた。
それぞれ、関東地区部長に営業・広報・企画・製造の担当者だ。
学校側は校長先生・教頭先生・家庭科部の先生と杏奈と胡桃だ。
コンビニ側から「この度はこのような機会を授けていただいて
ありがとうございます。と挨拶してきた。
そして一通りの紹介が終わると本題に。
「今回我々は新たな視点に力を注ぎ、若者の柔軟な意見を取り入れたく、
大学及び高校にご協力をお願いいたしております。
この度弊社社員がこちらの杏奈様と胡桃様のブログを拝見し、
感銘を受けました。その後当社で協議した結果こうして
新商品の開発をご協力いただく経緯となりました。
よろしければこれから共に商品を開発していければと思います」
杏奈と胡桃は頭を下げて「この度はありがとうございます」と言った。
「当社では主力商品の中から選んで頂き、いくつかのアイデアを
協議していきたいと思います。なにか気になる種類の
食べ物等があればお願いいたします」
「あのお。わたし達いくつか考えてみたのですが」と胡桃
「それはありがとうございます。それではお願いします」
「もしよかったら試食してみませんか」と杏奈
コンビニ側の五人は驚きながら顔を見合わせた。
そして「お願いします」と。
杏奈が一旦外へ出てクリームチーズ白玉だんごパンを持って来た。
「パンは手作りなので、中の方を確認していただければ。
名前は仮でクリームチーズ白玉だんごパンです」と胡桃
五人は食べ始め色々と話し合っている。
「こちらは二人が考案されたのですよね」
「はい。ある料理の大会がありまして、そこに出した料理の1つです。
もちろんパン用に改良を少し加えてますが」と杏奈
「ただ一つ気になることが」と胡桃
「はいなんでしょうか」
「白玉団子とクリームチーズを使っていますが日持ちするのかが
わからなくて」
部長が製造の担当者に確認をとっている。
製造の担当者が「日持ちは大丈夫ですよ。そこは企業秘密になりますが
心配ありませんよ」
そして部長が「よろしければこの商品でお願いしたいです」と
そして「他にも考えていただけたのですか?」
「はい。お弁当は決まらなかったのですが、
おにぎりとサンドイッチを」
「もしよろしければどのような商品を考えていたのか
教えていただけないでしょうか」
「「喜んで」」
こうしてあっさりと商品が通った。
ただその後商品名の話になったのだが、
二人の意見は通らなかった。
コンビニ側は「その名前では…」
料理センスがある二人だがネーミングセンスは全くなかった。
「ねえ杏奈。応募だよ」
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7月になったので以前作っていた2つの大会に応募することになった。
とはいってもすでに作ってあるのを送信するだけなのだが。
この2つの大会は基本待つだけ。
料理は主催者側で作って判定するので
もうこちらではやることはない。
もっとも上位入賞すれば、表彰式にでたり、
プレゼンテーションをしたり料理を作ったりはするのであるが。
これでようやく受験に専念できる環境になった。
二人の第一志望は同じ大学。
合格に向けて勉強に精を出すことになったのだ。
そして9月江戸東京野菜料理大会の優秀作品8作品が選出された。
杏奈のガルニ・ヤラフが候補に選ばれたのである。
杏奈は大喜びで胡桃はガックリ。
10月に杏奈は会場に行き、実技審査とプレゼンテーションを行った。
結果は銀賞。
またしても優勝には届かなかった。
杏奈はとにかく悔しがった。
10月に入るともう1つの大会
全国高校生料理コンペティション結果が発表された。
胡桃の小松菜のハチャプリが優秀賞に選ばれた。
いってみれば準優勝。
こちらも後1歩届かなかった。
杏奈の小松菜のカヌレは学校賞に選ばれた。
とはいえ10名選ばれる賞なので胡桃には完敗である。
11月に胡桃は会場に出向き表彰を受けた。
胡桃は賞状とハンドブレンダーをもらった。
杏奈には学校に賞状と図書カードが贈られた。
結果二人の個人戦は一勝一敗で引き分けとなった。
「ねえ杏奈。受験だね」
次回最終回です
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以前書いた喫茶研!の続編になります




