第34話 別の大会と応募条件と過去の結果
後日調理実習室でそれぞれの料理を作り始めた。
胡桃はジョージアのハチャプリに小松菜を入れて。
杏奈はフランスのデザートのカヌレに
小松菜のペーストしたのを加えて。
ハチャプリは胡桃バージョンで中央に
卵黄とチーズを乗せている。
杏奈のカヌレはバニラの代わりに小松菜を使用した感じだ。
作りながらレシピも確認。
ちなみにレシピは、主催者側で作ってもらう為、
細かく書かなくてはいけない。
少量とか適量はいけないのだ。
小さじ1とか何gとかはっきり書かなくてはいけない。
料理過程や仕上がったのをパシャリ。
応募はまだまだ先だが、送る資料は完成した。
後は応募期間が来たら送るだけだ。
お互いいい出来だと言って相手を挑発している。
そんな時に担任の武田先生がやってきて、ちょっとした話をした。
せっかくだから二人は先生に食べてもらって、
どっちの料理が美味しいか判定を頼んだ。
先生は断ろうとしたが、なんか二人がぐいぐい来るので食べることに。
「どっちも美味しいな。二人は去年北海道に行ったり、
学食のメニューにも携わったんだろ。すごいな」
「そんなことは」といいながら満更でもない胡桃。
「今年も北海道へ行くのか?」と武田先生
「いえ。今年は行きません。今、食べてもらった料理を
コンペティションに送るぐらいです」と杏奈
「まあ北海道は遠いからな。東京でもやってるのに
そっちには出なかったんだ」
「「えっ」」
近くにいた家庭科部の先生が「武田先生ちょっと」
武田先生はなんかまずいこと言ったって顔をした。
杏奈と胡桃は武田先生に問い詰めた「東京の大会ってなんですか?」
家庭科部の先生が「あなた達は知らなくていいんです」
しかし杏奈と胡桃が「東京で大会あるなら出たいです」
「あなた達は受験生でしょう」と家庭科部の先生
「勉強はもちろんやっていますよ。
そしてコンペティションの方は送るだけになりました」と杏奈
「わたしも毎日たくさん勉強してます」と胡桃
担任の武田先生もようやく理解したみたいだ。
話ながら机の下でスマホをみながら杏奈が調べていた。
「江戸東京野菜都内高校生料理大会」と杏奈
「へえそういう大会あるんだ。出たいです」と胡桃
「先生、わたし達は受験生ですが、食事をしなければばりません。
当然作るのも毎日します。献立を考える時にその食材を考える程度です」
と杏奈が力説した。
「はぁ、あなた達には困りましたね。仕方ありません。勉強が第一ですよ」
と家庭科部の先生が渋々了承した。
受験生である二人は、また新しい大会にエントリーすることになったのである。
「ねえ杏奈。応募条件を見てみよう」
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さっそく二人は部室に戻り、江戸東京野菜都内高校生料理大会の
応募条件を見てみた。
募集テーマは江戸東京野菜千住ネギを使ったオリジナルレシピ
「千住ネギだって」と胡桃
まず大会の流れを見た。
〇江戸東京野菜を動画で学ぶ
「江戸東京野菜についてと千住ネギについての2つの動画があるね」と杏奈
〇エントリー。
〇JAから千住ネギ届く。
「千住ネギが届くって書いてあるよ。すごい」と胡桃
〇レシピを開発。
〇応募
「応募用紙をダウンロードして、写真と必要事項を書いて送るだって。
7月末~9月頭の間にだって」と胡桃
〇レシピ(書類)審査
「8作品選出かあ」と杏奈
〇実技審査
「8作品を会場で調理とプレゼンテーションをして5作品選出かあ」と胡桃
〇審査発表
「審査発表と表彰式を行うっと。表彰されたいね」と杏奈
「他に書類審査の審査基準も書いてあるね」
〇江戸東京野菜について理解しているか。
〇【千住ネギ】の特徴を理解しているか。
〇高校生らしい独自のアイデアや工夫があるか。
〇 食べたくなるレシピになっているか。
「後は応募条件があるね」と杏奈
〇【千住ネギ】を使用したオリジナルレシピ
〇下準備から盛り付けまで90分以内
〇レシピは四人前計算
〇【千住ネギ】以外の食材は、江戸東京野菜に限りません
〇材料費は、提供する【千住ネギ】以外で四人前で上限2000円程度
〇チーム参加の場合は同一校
〇応募レシピは、個人もしくはチームで1作品に限ります
「個人かチームどっちで、出よう?」と今度は見逃さなかった胡桃
「わたしはどっちでもいいけど。胡桃が思いつかないってんなら、
チームでもいいけどね」と挑発する杏奈
「ようし、個人だ。こっちでも勝負だ」
やっすい挑発に乗ってしまった胡桃。
再び受験生なのにレシピを考えることになった二人である。
「ねえ杏奈。過去の結果も見てみよう」
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「胡桃。過去の結果も見れるみたいだよ。見てみようよ」
「前回は16校・250作品・425名が応募だって。
16校で250作品ってことは1校あたり15チームが応募かな。
うちの家庭科部からも出ればいいのに」と胡桃
「前回は治助芋ってのがテーマだったみたいだね。
金賞はタルトだ。見た目もいいし、美味しそう」
「銀賞はおやきだよ。杏奈」
「その前は馬込三寸ニンジンがテーマだね。
金賞はまたケーキ。デザート最強!」と杏奈
「さらにその前は寺島ナスだって。こっちはデザートが金賞じゃない。
まあ茄子にデザートってのもピンとこないしね」胡桃
「入賞に団子があるよ」と杏奈
「その前はごせき晩生小松菜だって。最優秀賞と優秀賞しか載ってないね」
「ふふふ。やはりデザートで攻めようかな」と杏奈
「今回ネギだよ。ネギって茄子や小松菜同様デザートには…」
「甘い。ネギアイスのように甘い」と杏奈
「ネギアイスって…」と胡桃
「埼玉の深谷では深谷ネギソフトってのが売られている」と杏奈
「なんだって!」と驚く胡桃
「他にもタルトにしたり、マフィンに隠し味として使うことも出来る」
「ほえ。それは意外だね。わたしはデザートにこだわらず考えるよ」と胡桃
「さっそく考えよう。コンペティションと今回の2つとも胡桃に勝っちゃいそう」
「んなことあるかい。わたしが2つとも勝つ」と胡桃
せっかくコンペティションに応募するのが早く終わったのに、
またもやレシピを考えることになった受験生二人であった。
「ねえ杏奈。ネギ料理は難しいね」




