第33話 コンペティションの内容と学食と勝負
え~となになに
〇小麦粉(ミックス粉も可)と地域の食材・旬の食材を組み合わせ、
手軽に作ることができ、アイデアあふれる料理。
〇小麦粉を使わず、うどん・パスタ・パン等市販の小麦粉製品のみの使用は不可。
〇調理時間 1時間以内(発酵やねかせる時間、ケーキの焼き時間は除く)
〇材料費 1 人分500円程度
〇料理の分類番号を記載し、使用した小麦粉の種類(薄力粉・強力粉等)を明記、
食材と分量
(2人分又は4人分、タルト・ケーキ等は型のサイズと何人分かを明記)、
作り方、1人分の費用と調理時間を記入する。
〇1人分のエネルギーおよびたんぱく質は、わかる範囲で明記する。
ただし、作品が入賞した場合には、記入を依頼する。
〇料理の特徴や料理に込めた思い、作品で工夫した点、
地域食材の解説を記入する。
〇出来上がり料理の盛り付けや断面等特長がわかる画像(写真可)
を枠内に添付ずる。
〇個人応募の場合でも、必ず学校(家庭科の先生や担任の先生)を通して応募し、
応募一覧用紙を添付する。(二次審査を通過した場合は、学校へ連絡する)
〇応募作品は返却しない。応募作品は全国高等学校家庭クラブ連盟に帰属する。
「こんなところか」と杏奈
「小麦粉料理と地域の食材・旬の食材を組み合わせねえ」と胡桃
「過去作品見れるんだね。ちょっと見てみよう」と杏奈
「あっ東京の高校もあるね」胡桃が指摘する
料理協議会では調べた限り、東京代表は過去になかった。
応募はあったかもしれないが。
「深川めし風!」と胡桃
「やっぱ地域ってかいてあるとそうなるよねえ」と杏奈
「でもこっちの東京の高校は台湾料理だよ」と胡桃
「たぶん小松菜が江戸川小松菜を使用してるんだと思う。
こうすれば海外でもありなのか」と考え込む杏奈
「じゃあ前より選択肢は広がるね。とは言ってもそんなに多くないけど」と胡桃
「う~ん以前調べたのだと、東京X、練馬大根、江戸川小松菜、千住葱とかか」
と杏奈
「やはり東京Xは予算的に無理で、野菜類を使って考えるしかないね」
「小麦粉を使った料理に野菜を足すか、
野菜から考えて小麦粉料理にするか」と杏奈
「どういうこと?」胡桃が聞く
「例えば、ピザを作って具に小松菜や葱を乗せるか、
小松菜を使うから小松菜に合ったうどんにするとか」と杏奈
「どっちでも難しそう。小松菜、葱、大根って難しい」と胡桃
「まあ先生の言う通り勉強の息抜きで考えよう。応募はまだ先だからね」
「ねえ、杏奈。とは言うものの考えちゃう」
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後日のお昼、二人は学食にいた。
胡桃はオムライスとサラダを。
杏奈はスパゲッティミートソースとサラダを食べていた。
「オムライスとサラダは良い組み合わせだわ」と胡桃
「このミートソース美味しい(小声で冷凍なのに)」と杏奈
食べ終わると
「勉強は進んでるの?」と杏奈が胡桃に聞く
「も・もちろん」少しどもりながら胡桃が言う
「ならいいんだけど」
「あっちの方はどうなの?」と胡桃
「あっちって例のコンペティション?考えていない」と杏奈
「私は寝る前にちょっとだけ考えたんだけど…昔作ったハチャプリなんてどう?」
と胡桃が言う
「ハチャプリ?う~ん…ジョージアだっけ。パンみたいなの」と杏奈
「そうそう。発酵させる時間をカウントしないなら1時間以内に作れるし、
そこに小松菜を混ぜれば」と胡桃
「う~ん、まあ候補の1つだね。
わたしはこの野菜達ならケーキがいいと思うんだ。
野菜を使ったケーキとか意外と合うし」と杏奈
「ねえ杏奈」
「なに?」
「思いっきり考えてんじゃん」ツッコむ胡桃
「これはトイレに行ったときとかにちょっとだけ」と杏奈
「ふうん。まあいいや。あ~なんか食べたりない。
わたしフレンチトースト買ってくる」
しかし…
「フレンチトースト売り切れだって、残念」と落ち込む胡桃
「じゃあ部室いって冷蔵庫の中とかみてみよう。なにかあるかもよ」
「行く行く」
その後は結局部室であれだこれだ。
放課後になってもまたあれだこれだ。
「う~んいけない。オンオフはっきりさせよう。料理のことを考えるのは、
夕食後30分だけ。後は勉強。それでいくからね」と杏奈
「はあい。わかった」と胡桃
「じゃあ帰ってさっそく勉強を」
「ねえ杏奈。勝負だ」
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「杏奈杏奈」
「何、勉強でわからないことでもあるの?」と聞く杏奈
「いやコンペティションのことなんだけど」と胡桃
「あんたねえ、受験生なんだから勉強第一でしょ」
「わかってはいるんだけどさあ」と胡桃
「で何?」
「このコンペティションって個人で出られるんだよ」
とドヤりながら胡桃
「…」
「えっ何?」戸惑う胡桃
「今まで気づかなかったのか…」
「えー杏奈知ってたの?」
「資料みればわかるじゃん。それに毎年の結果、名前出てるの個人ばかりじゃん」
「知ってたなら言ってよ」と胡桃
「なんでわたしが怒られなきゃならないの」と杏奈
「まあともかく、本題を。この前意見分かれたじゃん。個人で応募しない?」
「わたしは構わないよ」と杏奈
「じゃあ決定ね」と胡桃
「胡桃はもう決まったの?」
「この前言った小松菜のハチャプリで行く」
「甘い。胡桃は甘すぎる」
「なんでよ」
「ここ最近の結果を見てると7ジャンルあるのに
上位5作品の中に必ず菓子・デザート部門が1~2作品入っている」
「まじで」
「つまり上位を狙うなら菓子・デザートから選ぶ」と自信気な杏奈
胡桃は資料を見始めた。
そして
「確かに菓子・デザートが入ってるね」
「でしょ。ずばり小松菜のカヌレでいける」と杏奈
「おおー」
「胡桃は分析が甘いのよ」
胡桃はちょっと考えて
「でもさあ、これって7000作品応募あったってだけで、
内訳はわからないじゃない。菓子・デザートって人気そうじゃん。
もし7000のうち2000以上が菓子・デザート部門に応募だったら
逆に倍率高くて不利じゃない?」
「な…」言葉に詰まる杏奈
「応募が多いから、毎年1~2入ってるてのはあり得るからね。
でも結局わからないから有利不利考えてもね」と胡桃
「…いいでしょう。勝負だ胡桃」
「うん」
「個人戦でお互いライバルどうしだ」
「だからそう言ったじゃん」と胡桃
という訳で今回は個人で応募することになったのだ。
「ねえ杏奈。応募作品の写真撮るよ」




