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第32話 打ち合わせとわがままと料理コンペティション

新学期に入ってすぐに、新しい学生食堂の会社の


当校担当者が来ることになった。


杏奈と胡桃も出席することになり、日取りも決まった。


当日担当者と当校の学生食堂を任される女性社員の二人が来た。


こちらは校長先生は来なかったが、教頭先生と生活指導の先生と


家庭科部の先生、そして杏奈と胡桃だ。


それぞれ自己紹介が終わった後、以前みたメニューの候補を提案してきた。


学校側の意見が聞きたいといい、先生三人で話した後、こちらを見て


「この二人は在学生代表です。まずは生徒の意見から」と教頭先生


「まずメニューを拝見致しまして、率直な感想としましては


2つほど意見があります。まずは全体的に男子学生向きで、


女子学生向けではない点。もう1つは野菜不足な点です」と杏奈


「なるほど。確かに女子生徒向けではないかもしれません」と担当者


「わたし達から一つの案として提案させていただきます」と胡桃


「まずはスパゲティの提案です。


スパゲティは太さによりますが標準的な1.6mmとすると


10分弱かかってしまいます。


そこで冷凍のスパゲッティを使うことを提案します。


これなら時間は大幅に短縮できると思われます。


ソースですがナポリタンでしたら、トマトケチャップとバターや野菜を加えて


炒めるだけですので、そんなに手間にならないと思います。


同様ににトマト缶を使ったトマトソースも提案します。


これはホール又はカットトマトをスパゲッティと混ぜるだけです。


他に貴社のカレーを活用してカレースパゲッティも提案します。


ただ、スパゲッティの代表でもあるミートソースに関しては作るのは難しく、


作り置き、冷凍、レトルトのどれかをご意見していただければと思います」


と杏奈がスパゲティの提案をした。


「なるほど冷凍スパゲッティですか」と担当者は言った後パソコンで色々みながら


女性社員と話している。


「結論からいうと可能です。手間と予算は問題ないです。


ミートソースに関しては、冷凍でありますのでそちらを使いたいと思います」


と担当者


「次にサラダを提案します。野菜不足の解消に是非」と胡桃


「サラダですか。サラダは野菜の価格が安定しません。


例えばキャベツをスーパーで買うとしたら100円ちょっとの時だったり、


300円弱の時だったり、価格が安定しないんです。なので値段設定によっては


利益がでない又は赤字になるので難しいです」と担当者


「では値段を変動させればいいと思います。高校生ではスーパーで


野菜を買わない人も多いと思います。そんな人達に


シーズンによって違うということを知ってもらう機会だと思います。


食材に関してはキャベツとレタスを中心に、夏近辺ではミニトマトやキュウリ。


冬近辺では冷凍コーンやツナなどを添えればいいかと」と胡桃


またもやパソコンを見て女性社員と話し出した。


「値段を変動なら提供は可能です」と担当者。


「次はご飯もののバリエーションを増やしたいです。


具体的には炒飯、ピラフ、チキンライス、オムライスを提案します。


炒飯、ピラフ、チキンライスは冷凍でも構いません。フライパンで炒めれば


それほど手間ではないかと。オムライスの玉子もチキンライスに乗せるだけなので


可能ではないかと」


そして二人が話し合い可能だと言った。


ただ4つ同時ではなく2種類ぐらい交代制ならと。



「ねえ杏奈。このまま全部通るかな」


--------------------------------------------------


引き続き会社側に提案をしていく二人。


「ご飯の小盛りを提供することを提案します。女子生徒によっては


食が細い人もいます。現状の量では多いと感じる人も出てくるでしょう」と胡桃


会社側も二人で話し合い、可能だという返事。


実はここまでは杏奈と胡桃の予想通りであった。


反論された場合の返答も用意してこれらは通ると思っていた。


問題はこれから。


「女子生徒向けとして、フレンチトーストとケーキの提案をします。


フレンチトーストは事前に卵液に漬けておけばバターで焼くだけなので、


手間がかからないかと、そしてケーキは冷凍を使えば解凍するだけなので、


こちらも手間がかからないと思います」と杏奈


会社側の二人が話し合っていると、別の方から意見が出た。


「フレンチトーストはともかく、ケーキは必要ありません。


ここは学生食堂であって喫茶店ではありません」と家庭科部の先生


教頭先生と生活指導の先生も頷いている。


会社側からも「ケーキは可能ですが、確かにその通りであり、提案を却下します。


フレンチトーストに関しては可能です。


ただ先ほどからの提案をいくつか受けましたら


こちらは人を増やさなければなりません。一人増やすと人件費が多く発生します。


そしてここは学校である為、生徒の人数は決まっています。


一人増やすことは出来ません」


これに対して杏奈が


「もちろん生徒の人数は決まっています。しかし最初の貴社のメニューでは


女子生徒は学生食堂に足を運ばない可能性が高いです。


お弁当で済ますということです。


今までの提案はそんな女子生徒を学生食堂に向けるわたし達の考えです。


全て可能だとは思っていません。スパゲッティやご飯ものもローテーション制、


例えば曜日で変えるとかなら生徒がどれくらい来そうということも


予測しやすいと思います」


「確かにその通りですね。曜日ごとに変えるのを考えていきます」と担当者


「ありがとうございます」と杏奈


そして…「最後にちょっとわがままがありまして」と全員を見て言う胡桃


「わがままとは?」と担当者


「実はわたし達この前ある料理の大会に出ましてそこで提供した料理を


学食のメニューに入れてくれたら嬉しいなと」と胡桃


「どんな料理ですか?」と担当者


杏奈が外に出て料理を人数分持って来た。


「白ワインバター深川めしとチーズ粕汁です」と杏奈


予想外の提案に担当者と女性社員は驚いた。


そして試食してまた驚いた。


「これは美味しいですね。でも手間がかかってそうですね」と女性社員


「はい。だから簡易版もあります」と胡桃


二人は簡易版のレシピを見て「常時提供とはいきませんが週に1度とかなら是非に」


二人は喜んだ。


自分達の考えた料理が校内のみんなに食べてもらえると。


こうして実りある学生食堂のメニューの打ち合わせは終わったのだ。



「ねえ杏奈もうすぐ3年生になるね」


--------------------------------------------------


杏奈と胡桃は3年生になった。


受験生である。


杏奈と胡桃は第一志望は同じ大学の同じ学科。


ともに学校推薦型選抜で受かったらいいなと思っているが、


一般入試も視野に当然入れている。


しかし…全国料理協議会のリベンジもしたいと考えている。


今年こそ優勝をと。


二人は意を決して家庭科部の先生へ今年も料理協議会へ出たいと告げた。


「ダメです」


「なんでですか」と胡桃


「あなた達は受験生なんですよ。去年料理の開発にどれだけ苦労したんですか。


更に受験本番の10月に勉強を休んで行くのは認められません」


先生の許可が下りなければ受けることは出来ない。


ふたりはがっくりと落ち込んだ。


それをみて先生は「仕方ないですね。別の大会ならまあ構わないでしょう」


「別の大会!」と胡桃


「全国高校生料理コンペティションという大会です。え~と小麦粉を使った大会で


7~9月の間に応募ですね。この大会は有名小麦粉メーカーが協賛で、


特徴としてはレシピを送るだけです。あっ画像もですね。


すると向こうで料理人がレシピを見て作って判断します。


つまり送るだけで作りに行かなくていいということです。


これならまあ負担も軽いですので」


二人は「「おおー」」と声をあげた。


「細かい条件は資料を渡しますが、昨年は7000点の応募がありますね」


「「7000点も」」


「期間もあるし、勉強の息抜きで考えてみると良いでしょう。


本当は受験生なので、この大会にも出て欲しくはないんですけどね」と先生


「もう遅いですよ」と胡桃


「えへへ、この大会に応募します」と杏奈


「あなた達勉強が最優先ですよ。あくまでたまにの息抜き程度に」


「「は~い」」


二人は早速部室に向かった。


応募はまだ先だけど、勉強の合間に考えようと二人は話し合ったのである。



「ねえ杏奈。とりあえずどんな大会か調べよう」

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