第30話 表彰式と帰宅と新しい依頼
まずは審査員特別賞。
「審査員特別賞は、秋田○○高校〇〇チーム。
賞状とトローフィーと賞金が贈られます」
呼ばれたチームは前に行き、それぞれ授与された。
トロフィーなどを渡す人から一言あった後写真撮影。
その後はインタビューとなった。
秋田のチームの男子二人は喜んでいるようだった。
「続きまして第3位の発表です。北海道○○高校○○チーム。
賞状とトローフィーと賞金が贈られます」
地元というか、会場である高校のチームだ。
先ほどと同じく前に行き、授与や写真撮影。
インタビューではずっと悔しがっていた。
優勝目指して毎日練習してきたのに残念といった内容。
「続きまして準優勝の発表です。東京都○○高校。
あんくるキッチンラボチーム。
賞状とトローフィーと賞金が贈られます」
杏奈と胡桃は一瞬頭が真っ白になった。
そして、嬉しいのと悔しいのがゴッチャになった感情が襲ってきた。
「あんくるキッチンラボチームは前にお越しください」
と言われて、前に行かなきゃと思った。
胡桃が先に立ったが杏奈はまだ座っている。
胡桃が促して、ようやく杏奈が立ち上がり前に行った。
二人はトロフィーと賞状と賞金が渡された。
その後は写真撮影。
そして一言いただいた。
「二人のコンビネーションが見ていて素晴らしかった。
悔しい気持ちもあるでしょうが胸を張って下さい」
その後はインタビュー。
まずは胡桃から。
「まずはこのような順位をいただいてありがとうございます。
出場を決めてから、料理を試行錯誤して決まったら練習の日々。
結果はあと一歩でしたが、自分達はまだこれで終わりではありません。
この経験を糧にこれからも頑張っていきたいと思います」
続いて杏奈
「みなさまお疲れ様でした。率直な感想は悔しいです。
それは優勝を目指して日々やってきたからです。
しかし今回の大会で色んな経験をさせてもらいました。
これらの経験生かし、料理と向き合っていきたいと思います。
ありがとうございました」
そして席に戻った。
お互いをみると、悔しさが思いっきり顔に出ていた。
先生からこの大会の話を聞いてから、どうするか話し合い、
決まりかけてはやり直しなど、いろんな事が思い出される。
あの時ああしておけばとか思っても仕方のないことだが、
なにが自分達に足りなかったんだろうと思った。
そして終わったんだなと。
「ねえ杏奈。帰ろうか」
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最後に優勝チームの発表があった。
優勝の発表はドラムロール付きで発表された。
「優勝は北海道○○高校○○チーム。みなさん拍手をお願いします。
そして賞状とトローフィーと賞金と更には料理研修旅行が贈られます」
地元の会場のもう1チームだ。
呼ばれた時二人とも泣いていた。
杏奈と胡桃は再び悔しさが沸いてきた。
優勝チームの料理を食べてみたいと思った。
優勝チームは泣きながら喜んでいた。
スピーチも泣きながらだった。
最後に実行委員長からの挨拶で表彰式は終わった。
先生が寄ってきて
「惜しかったね。でも頑張った」と声をかけてくれた。
まわりを見ると何人か泣き始めていた…。
大会は終わったがこれで帰るわけではない。
翌日曜日は出場チームは料理研修会にでる決まりになっているのだ。
一旦札幌のホテルに戻り、翌日またやってきて、研修会がはじまった。
研修会は夕方に終わったが、その時間では東京に戻れない。
もう1泊して月曜の夕方に戻ってきた。
帰りには先生に申し訳ない気持ちになった。
金曜日から月曜日まで付き合ってもらうことになったからだ。
そんなことは気にしなくていいと言ってはくれたが…。
火曜日に学校に行き、学校側とクラスと家庭科部に結果を報告。
おめでとうと惜しかったねというのが多かったが、
それ以上に料理作ってって言われたのが1番多い。
機会があればみんなにも食べてもらいたいと思った。
これで全国料理協議会に関することは全て終わった。
明日からはまた、好きな料理を作って、いろんな店に食べにいくんだろうか。
もちろん受験勉強もしなくてはなんだけどね。
「ねえ杏奈。もうすぐ冬休みだけど」
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全国料理協議会も終わり、いつもの生活に戻った杏奈と胡桃。
勉強と料理作りとたまにお店に食べに行く生活になっていた。
そして冬休みが始まる直前、校長室に呼ばれた。
校長室には、校長先生と家庭科部の先生がいた。
二人は席に座ることを言われた後、家庭科部の先生から話が
「実はあなたたちにお願いしたいことがあります。
当校では春から学生食堂を提供している会社が変わります。
そこであなたたちにメニューの提案をしてくれないかと。
もちろんもうすぐ3年生ですから、学業を優先しても構いませんが」
校長先生も
「二人の事は先生方から聞いている。学業が本分なのも重々承知だ。
しかし我が校の学生食堂はあまり評判がよくなかった。
この機会に君たち二人に協力をしてもらえないだろうか」
杏奈と胡桃は顔を見合わせた。
学食に対しては確かに評判がよかったわけではない。
自分達がメニュー作りに参加できるのであればやってみたい。
二人は頷き「「是非やってみたいです」」と答えた。
校長先生は喜び、家庭科部の先生は少し複雑な顔をした。
家庭科部の先生は勉強を優先して欲しかったのだろうと思った。
その後は年が明けてすぐ担当者が来ることになっているので
紹介されることになった。
新しい会社からメニュー案は出ているのだけど、
二人にも確認して担当者に意見を言うことになった。
そしてメニュー案の紙を渡された。
いくつものメニューと希望価格が記載されている。
二人はメニューを見てみた。
無難な料理だなと二人は思った。
校長先生から、このことは他言無用でと念を押された。
そして部屋を出た後部室に行き、再びメニューを見る。
「もうちょっとバリエーションが欲しいね」と胡桃
「でもこういうのは結局定番が1番だよ」と杏奈
「そういうもん?」と胡桃が聞く
「うん。変わったものは最初だけ。
でも確かにもう少しバリエーションは欲しいかも」と杏奈
「どの程度要望通るんだろうね」と胡桃
「さあ。でも材料費や食材の仕入れルートに
食材があるかってのも関係するだろうし」考え込みながら杏奈
「でもなんか楽しそう」
「だね」
もうすぐ冬休み。二人はそこで考えることになるんだろうと思った。
「ねえ杏奈。メニュー案だけど」




