表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/39

第22話 豚の照り焼きと再び野菜苗と地域表現

「料理協議会の料理ってさあ、審査員がバクバク食べてる方が有利だよね。


もちろん、見た目とか全体のバランスとかあるけど」と胡桃


「まあそうでしょ。美味しいのは絶対有利だし」と杏奈


「まだ未定だけど主食は米になりそうだから、ご飯が進む料理を作ろう」


と胡桃が言う


「いや誰だってそう考えるでしょ」と杏奈


「う~んなんていうか繊細な味じゃなくて、濃いめの味付けの料理。


そういうのを試してみたい」と胡桃


「わかった。でなにか具体的な料理はあるの?」と杏奈


「なんにも。だから聞いたの」


杏奈はため息をついた後考え出した。


「豚の照り焼きでも作ってみる?」と杏奈


「いいねえ。流石杏奈」


「これは仮の料理だからね」と杏奈


「仮の料理?」と胡桃が聞く


「これ自体は簡単だし、シンプル」と杏奈が言う


「つまりここからアレンジが必要ってことか」


そしてスーパーに買い出しに。豚肉をどうするかで迷った。


厚い方がいいのか。薄い方がいいのか。


結局薄い生姜焼き用のロース肉を購入。


さっそく調理実習室へ。


豚肉は筋に切れ目をいれたりして下処理。


フライパンに油をいれ、豚肉を焼く。


酒、みりん、砂糖、しょうゆでタレを作りよく絡めたら完成。


「うん。美味しいし濃いからご飯が進みそうだね」と胡桃


「だね。照り焼きは間違いないね」と納得の杏奈


「う~ん。これを出したとすると、例えばエビのみそマヨチーズとだと


こっちが主張強すぎるね」と珍しく分析する胡桃


「セットメニューだからバランスがね」と杏奈


「マヨネーズを加えて味を少しマイルドにしてみる?」と胡桃


「それだとご飯バクバクとは違くない」と杏奈


「このままだと美味しいけど、他のとの兼ね合やシンプルすぎるのもマイナスか」


「発想はいいけど、わたしも難しいと思う」と杏奈


1品1品が美味しくても、バランスが悪いとセットとしては評価されないと思った。


いくつかの料理を全体として考える。


そういうところも大事だと思った二人であった。



「ねえ杏奈。そういえば野菜育てる時期じゃない?」


--------------------------------------------------


「そういえば杏奈さあ。今年って野菜作らないの?」


「あっ…」と口を開ける杏奈


「まさか」ジロリとみる胡桃


「これから。これから作ろうと思ってたの」と杏奈


「まあいいけど、どうする」


「わたしはもう決めたから」と杏奈


「早い。で何にするの?」驚く胡桃


「絹さや。種から育てる」


「苗じゃないんだ」と胡桃


「苗は売ってないのよね」と杏奈が言う


「でも種からだと時間かかるんじゃ」


「たぶんギリギリ間に合う」と杏奈


「そうなんだ」と胡桃


「胡桃はどうするの」


「う~ん。茄子か。とうがらしか。ししとうか」と胡桃


「1つだけだからね」


「ケチ」と不満な胡桃


「だから場所の問題なんだって」と杏奈


「う~ん迷うなあ」


「どれもナス科か。先生に断りいれないとダメね」と杏奈が言う


「どういうこと」と胡桃が聞く


「連作障害。ナス科を作ったら、3~4年別の品種にしないと


生育不良を起こすって訳。去年作ったペピーノはナス科。


そして茄子もとうがらしも、ししとうもナス科」と解説する杏奈


「全部だめなのかい」がっくりする胡桃


「だから土を変えていいか聞いておこうと。去年土はそこらの使っていいって


言ってたから大丈夫だと思うけどね。で、何にするの?」と杏奈


「う~ん。茄子にしようかな。


考えたらとうがらし30本育っても食べきれない」と胡桃


「賢明な判断ね。ししとうはハズレもあるから」と意味深な杏奈


「ハズレって?」


「上手く育たない。厳密に言うとストレスが溜まると


激辛になっちゃう。食べるロシアンルーレットって言われてる」と杏奈


「ししとうにしようかな」激辛に反応する胡桃


「あんたねえ。まあとりあえずホームセンターに行こう」


ホームセンターに着くと杏奈は絹さやの種を。


胡桃はししとうに後ろ髪惹かれながらも加茂茄子を購入。


土替えの許可も出て、種まきと苗を植える作業をしたのであった。


今年も順調に育つといいな。



「ねえ杏奈。いくつかの候補を改良してみない?」


--------------------------------------------------


「そういえばさあ、協議会の料理ってそのまま出せないよね」と胡桃


「ああアレンジしてってやつだね」と杏奈


「今のところの候補をさあアレンジしてみない」と胡桃


「そうだね。いろいろ考えてみよう」と杏奈


「今のところ候補と呼べるのは…」


「エビのみそマヨチーズ焼き、みそポテト、貝焼き味噌、けんちん汁、


もみじ型マドレーヌ、こんなところじゃないかな」思い出しながら杏奈


「主食はなしか。あとエビとマドレーヌって郷土料理か名物料理では


ないんじゃないかなあ」と胡桃


「確か以前の大会では1品あればって感じだったよ。


地域を表現した料理1品についてとか。そういえばあれ地元のだった。


つまりわたし達は東京のになるんだ」と杏奈


「東京って逆に難しくない。東京だと江戸前寿司とかコロッケとか


親子丼って郷土料理って感じしないもん。せいぜいもんじゃ焼き、


ちゃんこじゃ今回の趣旨と違うし」と胡桃


「う~ん。解釈拡大して関東のじゃないとダメか。


貝焼き味噌は青森だから、地元のには使えないね。


あくまで料理の1品と考えるのかな」と杏奈


「難しいね」と胡桃


「あっでも地域を表現なら地元の郷土料理じゃなくてもいいのか」と杏奈


「どういうこと?」


「つまりけんちん汁の大根を練馬大根にして豚肉をトウキョウXにして、


東京を表現しましたみたいな」と杏奈


「それはいい案。でもトウキョウXは高いからなあ」胡桃が残念がる


「ある。小松菜は江戸川区発祥だし、足立区の千住葱ってのもある」と杏奈


「じゃあけんちん汁はかなり有力だね。これらの野菜で東京を表現しましたと」


すっきりしたところで、アレンジの話に。


「エビのみそマヨチーズ焼きの改良するところは?」と杏奈


「う~んない!」きっぱり言う胡桃


「まあそうだとよね。完成されてるもんだし。保留」と杏奈


そして「みそポテト」と杏奈


「改良するとこはない」


「保留」と杏奈


「貝焼き味噌」と胡桃


「他の具を入れる」と杏奈


「ぐらいだよね」


「しょうゆを加える。出汁を加える。チーズを足す」と杏奈


「チーズはいいかも。味噌とチーズは相性良さそうだし」


「もみじ型マドレーヌ」と杏奈が言う


「ホイップクリームでデコレーション」


「もみじ型にした意味なくなるじゃん」ツッコむ杏奈


「「う~ん」」


「やっぱり難しいね」と胡桃


「あと主食もなにか候補を見つけないと」


まだお題も出てないし、時間はたっぷりあるとはいえ、


現状は難しいと思う二人であった。



「ねえ杏奈。課題が発表されたよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ