第2話 深川めしとハチャプリとしょうゆ館
前日それぞれアルバイトを申し込み、金曜日部室に集まった。
今日は昼前で授業が終わりだ。
「杏奈、今日は何処かへ食べに行かない?」
「いいけど、どこいく」と杏奈
「う~ん…和食な気分」と胡桃
「和食ね。いいけど、米?麺?」と杏奈
「米かなあ」と悩みながら胡桃が言う。
「寿司とかじゃありきたりだし、そもそも高い」と杏奈
「やっぱオムライスに…」と胡桃
「またメイド喫茶かい!しかも和食じゃねえ」ツッコむ杏奈
「なんかさあ東京で昔ながらの名物とかなかったっけ?」と胡桃
「どんなの?」杏奈が聞く
「どじょうを使ったような…」思い出しながら胡桃
「それは柳川鍋」冷静な杏奈
「じゃああさりだったかな」と胡桃
「深川めしだね」と杏奈が言った
「そんなような名前」と胡桃
「う~ん…」考えながら杏奈
「杏奈どうした」
「たぶん予算オーバー」と杏奈
「そんなに高いの?」と胡桃が聞く
「たぶん。ちゃんとしたところなら」と杏奈
「待って調べる」そして「たしかにいいお値段。
でも食べたいなあ。もう食べる気分になってる」と胡桃
「しょうがないなあ。で場所と値段は?」と杏奈が聞いた
「江東区。で2000円ぐらい」と答える胡桃
「…」
「はじめてのお店だからいいじゃん」と胡桃
「はあ。服我慢するか…」ため息をつきながら杏奈が言った
「やったあ」と胡桃
「何時まで」杏奈が聞く
「ランチは14時まで」と胡桃
「じゃあさっそく向かおう」と杏奈が言った
こうして電車で江東区まで向かった。
店の近くの駅に着いてちょっとだけ歩くと目的の店へ。
「なにここ雰囲気ある」とさっそくスマホで撮る胡桃。
「100年前からある店らしいじゃん」
とこちらもスマホで調べて驚く杏奈。
外にあるメニューの札をみながら「胡桃どうする?」と聞く杏奈。
「深川めしセット」と答える胡桃
「私もだけど」と杏奈
「どちらかが他のもの頼んだ方がいいのかな」と胡桃
「いいじゃん同じのでも。そもそもこれ食べに来たんだし」と杏奈
「そうだね。じゃあ入ろう」と胡桃
中に入るとお座敷に案内された。
高級そうな老舗店に、女子高生二人が制服でお座敷。
場違い感がすごい。
深川めしセットを2つ注文して待つこと少し。
蓋付きの蒸籠にお吸い物やおしんこなどがお盆に乗っている。
そして蓋を開けた瞬間の香しさ。
二人はテンションがあがった。
胡桃は許可をもらいスマホ片手に色んな角度から撮りまくる。
かなり満足してる顔だ。
深川めしは思ったよりしっかり味が付いていて具沢山で美味しい。
柚子が効いてるお吸い物に漬物と卵焼きもよき。
胡桃は一心不乱に食べてる。
杏奈も一口ずつ噛みしめながら食べている。
そして二人は顔を見合わせ「「美味しかった」」
その後は帰りながらスマホでブログを更新。
「ねえ杏奈次会うのは月曜だから料理だね」
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「突然ですが世界の料理が食べたい」と胡桃
「漠然とした言い方だけど何食べたいの」と杏奈
「美味しいもの」と胡桃が言う
「そりゃたくさんあるでしょ。
定番だとイタリアかフランス?」と杏奈
「ちょっと待っていいサイト見つけた。世界の国ルーレット。
ここで出た国の料理を」と胡桃
「ゴクリ」と杏奈
「やー!。出ました。ジョージア」変な掛け声をいいながら胡桃が言った
「何処だよ。東ヨーロッパだっけ?」と杏奈
「調べたけどヨーロッパらしいけどアジアよりって意見も」と胡桃
「で肝心の料理は?」と杏奈
「ハチャプリってパンが有名ぽい」と調べながら胡桃が答える
「チーズを使ったパンって書いてあるね」サイトをみながら杏奈
「いいじゃん美味しそうじゃん決定!」
しかし…「よく見るとなんか地味」と胡桃
テンションが落ちてきたようだ。
「でもこっちだと真ん中に玉子乗っけてよさそうだよ」と杏奈
「玉子のいいじゃん決定」と胡桃
というわけで謎の国の謎料理を作ることになった。
「でもさ、これサイトによってレシピバラバラだよ。
家庭によって違う的な」と杏奈
「さっきの玉子のでいいんじゃん」と胡桃
「でもこっちのレシピのヨーグルト入れるのもいいな」と杏奈が言った
「えーい。合体だ。ヨーグルト版のレシピで仕上げに玉子」と胡桃
「もうそれでいいよ」と杏奈
というわけでレシピも決定。
「材料は…強力粉・ヨーグルト・ピザ用チーズ・油・イースト菌・バター
と上に乗せる卵黄だね。これなら簡単に揃いそう」と杏奈
「ではいざ、スーパーへ」と胡桃
スーパーで材料を買ってきて、調理室で作る。
このレシピは水を使わずヨーグルトで水分を使うのがポイントだとか。
作り方は材料を混ぜて1~2時間発酵させる。
打ち粉をして生地をこね綿棒で丸または楕円形に伸ばす。
今回は楕円形に。
そしてチーズをたっぷり乗せて(バターも少し入れる)生地を
包み込むようにする(船形)。
オーブンで20分ぐらい焼いたら卵黄と仕上げ用にバターを上に。
「「出来た」」
「見た目いいじゃん」と言って胡桃はスマホで撮りまくる。
「チーズの量やばいね」と杏奈
「ああ背徳感がする」と胡桃
そして料理を持って部室へ向かった
「じゃあ食べようか」と杏奈が言い二人でわけて食べた。
「チーズの塩気がいいね」と胡桃
「ヨーグルトの生地もね」と杏奈
「やば。ジョージアやば」と胡桃が言う
「世界の料理もいいね」と杏奈
その後胡桃に電話が
「胡桃さんですか。こちら○○コンビニです。
うちで是非働いて欲しい。つきましては…」
杏奈にも電話が
「杏奈さんですか。○○スーパーの○○です。早速ですが今度の木曜日に…」
二人ともアルバイトが決まった。
来月末あたりから収入が。
それまではおこずかいから切り詰めないと。
「ねえ杏奈無料でいいとこあるんだけど」
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翌火曜日部室に二人は集まっていた。
今日は調理室が使えない。
しかし深川めしでそこそこ使ったので
お店に食べに行くのもなし。
仕方なく部室でお互い決まったアルバイトや
今後食べたいものの話などをしていた。
すると突然「明日って授業早く終わるじゃん」と胡桃
「そだね」と杏奈
「そこで遠出しない?」と胡桃
「食べに行くの?」と杏奈
「いんや。食べに行くのではない。見学です。しょうゆ館へ」と胡桃
「しょうゆ館?ちなみにいくらかかるの?」と杏奈
「奥さん。それが無料なんですよ。まあ交通費がかかるけどね」と胡桃
「え~と千葉か」と渋い顔をする杏奈
「ちょっと遠いですがまあ許容範囲じゃない」と前向きな胡桃
「まあいいか。電車賃ぐらいの出費は仕方ない」と諦めた杏奈
「じゃあ決まりで。予約の電話入れとくね」と胡桃
「お願い」と杏奈
こうして翌日、千葉に向かったのだ。
駅に着いてちょっとだけ歩くと目的地に。
大きいし広い。
そして二人は案内されまずビデオ鑑賞。
製造工程やしょうゆのひみつなど。
その後は説明を聞いたり、しょうゆ麹をつくる製麹の工程を見学。
大迫力!
1Lのこいくちしょうゆを作るのに必要な原料を教えてもらったり、
もろみの香り比べをしたり、昔ながらの作り方をみたりした。
その後はまめカフェなるところに。
二人でしょうゆソフトクリームを購入。
「しょうゆ!」と胡桃
「しょうゆと塩と甘さの混ざり具合がすごいね。
しっかりとしたしょうゆの味に、
ソフトクリーム特有の甘さがなくて」と饒舌な杏奈
最後におみやげのしょうゆをもらって大満足の1時間ちょい。
「楽しかったね~」と胡桃
「こういうのもいいね」と杏奈
「食べるのと作るのだけじゃなくて勉強になる」と胡桃が言った
「しょうゆの奥深さを知ったよ。こういうの他にも行きたくなる」
と感心しながら杏奈
帰りの車内で今日の出来事をブログにアップ。
そして明日は料理の日。
「ねえ杏奈。もらったしょうゆを使ってさあ」




