鬼の肉壁たち…しかし、天使と仏ばかり?
前回のあらすじ…
家にあった食料が底をついてしまった晴人…
意を決して外に出て、近所のコンビニ向かうが、もぬけの殻…
さらに周りには感染者たち…
絶体絶命のその時…シンと名乗る謎の青年によって助かる。
晴人はシンに一緒に行動してもいいか聞く…すると、シンは晴人の事をいざという時の肉壁として、
一緒に行動することになった…
シン「とっと歩けよスピ壁…」
晴人「そのスピ壁ってやめてくれない?」
晴人はへとへとになりながらもシンについていく…幸いにも、道中は感染者たちはいなかった…いや、いたが襲ってこなかった…
晴人「この人達も襲ってくんのかな…」
シン「ここにある的は全部壊してる…」
晴人「え…壊してる…」
シン「ブルズアイ付近を狙い打てばたった一投で動作不良…オジャンだ…」
シンはまるでゲームの説明をしているかのように軽く説明をする…
晴人「そんな感染者の人たちを物扱いしなくても…」
シン「そこに転がってるもんは人じゃねぇ、ただの動く腐った的だ。」
シンは冷たくそう言った…
晴人「そんなこと言わなくても…大体、元は人だったんだし…」
シン「ならお前も的になるか?スピ壁?」
晴人「だから…」
晴人がシンを怒ろうとすると…
シン「着いたぞ、ここが拠点だ…仮のな。」
シンの拠点は、まるでツリーハウスだった…だがツリーハウスと違うところは、家に上がるための階段がないこと…
晴人「どうやって上がるの?」
シン「は?そんなもん決まってんだろ?」
シンはそう言うと、ツリーハウスの下部分に捕まり、そのままよじ登る。
シン「まさか出来ねぇとか言わねぇよな…」
晴人「出来るっての‼」
晴人は見よう見まねでよじ登った。
シン「さっさと行くぞ。」
シンと晴人はそのまま上がっていくと…生存者が3人いた。
女性の生存者1「あ…生きてたんだ…」
女性の生存者2「あれ?その人は?」
シン「新しい肉壁だ、肉壁同士仲良くしとけ。」
シンはそのまま、上の方に登っていった…
男性の生存者「すいません…あの人いつもあんな感じで…」
晴人「あぁいえ…別に気にしてないです…」
晴人はびっくりした…
あのシンの肉壁というからには、中々に個性の強い人がいるのかと思っていたが…見た感じ優しさに溢れている人たちだった…
女性の生存者2→麟「あぁそうだ、自己紹介しないとね、私は勿忘 麟 (わすれな りん)、この中だと一番最初に彼の肉壁になったかな?よろしくね。」
女性の生存者1→艾「次は私ね、矢車 艾 (やぐるま よもぎ)、こう見えても22歳だよ、よろしくね。」
男性の生存者→菫「最後は僕か…釣鐘 菫 (つりがね すみれ)です…非力ですが…よろしくお願いします…」
晴人「冰隠目 晴人って言います、気軽にハルって呼んでくれると助かります…」
麟「よろしくね、ハル。」
艾「よろしくハル、私もモギでいいよ。」
菫「よろしくお願いします…ハルさん…」
自分の下の方で賑やかそうにしている肉壁たちを横目に、シンは双眼鏡で外をじっと見つめていた…
続く…
この度は壊れた世界の嘆きの歌を読んでいただきまして誠にありがとうございます。
いつかダーツでTON 80を決めたい作者の妖峰輪廻です。
今回は新キャラとして三人出てきましたね‼
麟とモギと菫、晴人より前にシン君のいざという時の盾として迎えられた三人。
この三人はそれぞれ、麟は苗字に勿忘草、名前に麒麟を使って、モギは、苗字は矢車菊、名前に苦艾を使ってます、菫は苗字にカンパニュラの和名の釣鐘草、名前にそのまま菫を使ってます。
また、こちらの作品はカクヨムさんの方でも投稿していく予定です、お楽しみに。
それでは、また次のお話でお会いできるのを楽しみにしております。